薮宏太さん(Hey! Say! JUMP)が主演を務める、ミュージカル「BE MORE CHILL(ビー・モア・チル)」の取材会が行われ、薮さん、加藤清史郎さん、井上小百合さん、横山だいすけさん、演出のスティーヴン・ブラケットさんが登壇しました。
この作品は、アメリカ人作家ネッド・ヴィジーニさんによる同名小説が原作。現代的な設定に少しレトロなSF要素を織り込んだ、キャッチーでポップな青春ミュージカル。オリジナルの演出家・スティーヴンさんの手による日本初演となります。
薮宏太、外国人演出家をクッラカーでお出迎え「コングラチュレーション!」
今年行われた「第75回トニー賞」で、最多11ノミネートを飾ったミュージカル「A Strange Loop」の演出を手がけたスティーヴンさん。
日本初演となる本作について、「僕自身、日本に来るのが初めてなんです。晴らしいキャスト、クルーの皆さんと仕事をすることができて、本当に嬉しく思っています」とあいさつ。
そんなスティーヴンさんに主役に抜擢された、冴えない高校生ジェレミー役の薮さんは、「稽古中にスティーヴンの演出をした作品がトニー賞を受賞したと聞きまして、稽古場は大盛り上がりでした。トニー賞を受賞した演出家の方が携わってくれるということで、どう迎え入れようかということを考えました」と回想。
そして、「(スティーヴンさんからの)演出を、僕たちが受けられるのは、なかなかないことなので、『この貴重な体験を1分1秒無駄にすることがないように、スティーヴンからの言葉を聞かなければ』という風に思いました」と。
また、「スティーヴンが稽古場のドアを開けた瞬間に、みんなで『コングラチュレーション!』ってクラッカーを鳴らしました。初日としてはすごくいい雰囲気で、スティーヴンを迎えられました」と明かしました。
ジェレミーの親友マイケル役の加藤さんは、「僕はその瞬間に居られなかった…」と寂しそうに語ると、薮さんは「清ちゃんは、ミュージカル『るろうに剣心』の本番中だったんです。だから、(この作品で)侍から、ニューヨーカーになって…」と返し、登壇者を笑わせました。
【写真】侍姿の加藤清史郎さん
スティーヴンさんは、「サプライズの誕生日パーティのようで、本当にクレイジーでした。本当に温かく東京に迎え入れてくれました。(稽古が始まって)最初にちょっとだけ『言葉がわからない、どうしよう』という不安がありました。でも、すぐにみんなと同じグルーヴにのれて、楽しんで、ワイルドで、爆発的なエネルギーのあるリハーサルを過ごしました」とほほ笑みました。
薮宏太、加藤清史郎との13年ぶりの共演に「ちょっとやんちゃな部分が…」
薮さんと加藤さんは、2009年に放送されたドラマ『任侠ヘルパー』(フジテレビ)で初共演した間柄。
薮さんは、「(当時)僕は19歳。(加藤さんは)まだ小さかった。皆さんご存じの(CMでのキャラクター)“子ども店長”とかをやっていた時期。前室とかで、漢字ドリルや、宿題をずっとやっていたんです。たまにそれを教えてあげたり」と振り返りました。
続けて、「(Hey! Say! JUMPの)メンバーの山田涼介と、(加藤さんが)映画『暗殺教室』で一緒だったので、作品は見ていたんです。なので、(加藤さんが)大きくなっていく過程は知っていたのですが、ひさびさに(直接)会ったらすごく大きくなっていました(笑)。それに、ちょっとやんちゃな部分が残っている」とコメントすると、加藤さんは「やんちゃかな?」と苦笑い。
これに対し薮さんは「『清ちゃんは、清ちゃんだな!』というのは、変わらないってこと」と強調しつつ、「会ったときに、『これは親友役いけるぞ』と(笑)。ぶっちゃけ歳が一回り以上違うんです。でも、実年齢と役が関係ないというのが、ミュージカルの魅力だと思いますので、心配はなかったです」と語りました。
また、「(加藤さんが)フランクに接してくれることを心掛けてくれていました。僕も『タメ語でいいよ』と言っていたので、敬語ではなく友達として話してくれました」と感謝。
加藤さんも「最初は、たまに敬語が出たりしていたのですが、『そのまま話してくれていいよ』という言葉を信じました。裏で、『あいつクソだな!』と言われていたら、イヤですけど(笑)」と言い、周囲を笑わせました。
薮さんについては、「昔から変わらず、大好きなお兄ちゃんという感覚が残っています。でも、今回は高校生の親友役なので、心の距離に関しては、今回の稽古を通じて縮めることが出来たと思います」と振り返り、薮さんも「Me too!」と笑顔で応えました。
ストーリー
ジェレミー(薮宏太さん)はニュージャージー州にある高校に通う冴えない男の子。同級生のクリスティン(井上小百合さん)に密かに想いを寄せる彼は、ある日、学校のいじめっ子に日本製の超クールになれる「SQUIP=スクイップ」(Super Quantum Unit Intel Processor)というスーパーコンピューター入りの錠剤の存在を聞く。
親友のマイケル(加藤清史郎さん)にも相談し悩んだ末、この錠剤を手に入れたジェレミーはそれを飲むのだった。
そのスクイップ(横山だいすけさん)のお陰で一時は何もかも思い通りになり、人気者になってきたジェレミーだったが、次第にスクイップに乗っ取られ、マイケルとの仲も悪くなり、人生が空回りし始める…。