岡田結実さんが、「片付けられなかった」過去について明かしました。
岡田さんは、7月24日(日)放送の『ザ・ノンフィクション「片付けられない部屋 ~ゴミの中に埋もれた思い出~」』(フジテレビ/関東ローカル)の“語り”に初挑戦。
「人は離れていくけど、物はずっとそばにいてくれる」という思いから、ゴミが捨てられなくなった主人公・みずきさんの物語を読み、「気持ちがわかる」と共感しました。
<川栄李奈 あと一つ叶えたい夢「どんなに大変でもあきらめないことが大事」>
<『ザ・ノンフィクション』関連記事>
東大に現役合格するも、成長していく自分の“見た目”に違和感を覚え…
都内のアパートで暮らすみずき(26)さん。家賃3万円台のワンルームは、足の踏み場もないほどのゴミであふれています。食料品の袋やペットボトル、大量の衣類…みずきさんがゴミを捨てられなくなったきっかけは、自身の過去にありました。
10代で両親が離婚。長男のみずきさんは、親の夢でもあった「研究者」を目指すため、幼い頃からの猛勉強の末に、東京大学に現役で合格。
はた目には順風満帆に見えた人生ですが、成長と共に変化する見た目に違和感を覚えるように。だんだん“かわいくなくなっていく”自分の姿。それを「変えたい」と思い、大学入学を機に女性服を手に取るようになりました。
周囲の人たちは、突然、変貌したみずきさんから離れていきました。「人は離れていくけど、物はずっとそばにいてくれる」。以来、誰かからもらったものを手放せなくなりました。たとえそれが、他人の目にはゴミとしか映らなくても…。
そんなみずきさんの唯一の理解者が、親友のミクさん。久しぶりに、ゴミでいっぱいのみずきさんの部屋で遊んだ二人が見つけたのは、みずきさんが苦しかった時期に、同級生がくれた心遣いの差し入れ。ミクさんから背中を押され、みずきさんは、数年ぶりに連絡を試みます。
ゴミの中に埋もれる「思い出」と本当の自分。それをもう一度確かめたいと、みずきさんは部屋のゴミを片付けることを決意。そこから出てきたのは…。
フジテレビュー!!では、収録を終えた岡田さんにインタビュー。みずきさんの印象や、自身の“片付け”エピソード、また、初挑戦となった“語り”について聞きました。
<岡田結実 インタビュー>
――初の『ザ・ノンフィクション』はいかがでしたか?
正直にひとことで言うなら、「疲れた」です(笑)。ナレーションや声優の仕事をやらせていただいたことはあるのですが、ここまで誰かの人生に乗るようにして声を出すことは初めてだったので、プレッシャーを感じて。考えるほどに思いが増して、終わってみたら「めっちゃ疲れた」って。
番組を拝見していると、みなさんのナレーションは、スルスルと入ってきますが、それがどんなに大変で難しいことか、痛感しました。
読むことに必死になってしまって、そこに感情を乗せるのがとても難しかった。まだまだ未熟で、もっと成長しなきゃな、と思いながらやらせていただきました。
――オファーを受けたときは、どう感じましたか?
スケジュールに『ザ・ノンフィクション』って書いてあるのを見て、「あれ、パロディかな?」と思ってしまうくらい、全然、ピンときませんでした(笑)。信じられないというか。
今日、スタジオに入ってもまだあまり実感がなく、(ナレーション)ブースに入って段々、湧いてきた、って感じでした。
――物語の主人公・みずきさんにはどんな印象を持ちましたか?
私も中学生までは、飲みかけのペットボトルを20~30本くらいため込むなど、足の踏み場がないくらい部屋が汚かったんです。結局、祖母にすごく怒られて、片付けまでしてもらった、という苦い思い出になっているのですが、今でもやっぱり、「捨てられない」性格ではあって。
人から見たらゴミみたいな、自分でも「もう使わないだろうな」と思うものでも、取っておく癖があります。“捨ててしまったら終わり”と思ってしまうんです。
服や靴を捨てられないみずきさんのように、私も穴が開いた靴が捨てられず、それを履くこともあります。だから、気持ちはすごくわかる気がしました。
――捨てられないのには、ちょっと深い理由がありました。
みずきさんが、汚れた袋でさえ捨てられないのは、それを捨てたら、思い出までなくなってしまう、捨てたら終わり、みたいに思うからなのかな、と感じました。
私も家族で使っていたキャリーケースが捨てられず、実家から一人暮らしをしている家に持ってきていました。もう使うことはないけど、家族で行った旅先のシールとかが貼ってあって、思い入れがあったんです。
5、6年も置きっぱなしだったから、友だちに「使わないのになんで取ってあるの?」なんて聞かれることもあって。
それでも、「いや、思い出が…」と言っていたのですが、ある日、「思い出はなくならないよ。新しく作ればいいじゃない」みたいなことを言われて、やっと「じゃあ捨てます…」って、写真を撮って捨てました。
人との思い出がある物を捨ててしまったら、今度は、その思い出がある人と付き合うのが怖くなるような気がして、離れられない=捨てられないのかなって。
すごくよくわかりました。
――みずきさんには、片付けよう、と言ってくれる親友のミクさんがいますね。
自分の過去や胸の内を明かすのは、葛藤や恥ずかしがあって、難しいことですよね。それを明かしても、受け止めてくれるミクさんは、すごく大切な存在なんだろうと感じました。
私も、交友関係は“少なくて深い”から、わかる気がしました。
ただ、(関係に遠慮がない分)片づけをしていてミクさんがちょっとイライラしているのを見ると、そう感じるのは当たり前なんだけど、ちょっと心が苦しくなりましたね。
――みずきさんは、母親との関係にも難しさがありますが、そのあたりはどう感じましたか?
うちも両親が離婚しているので、親との思い出って、触れたいようで触れたくない瞬間もあるんです。離婚で私が傷ついたことはないのに、何か思い出そうとすると、フタを開けてそこから取り出す、みたいな感覚があります。
みずきさんが、お母さんからの手紙や思い出の品を大事にしているのを見ると、やっぱりグッときましたし、そういうものを大切にしているからこそ、捨てられないものが増えてしまったんだろうな、と感じました。
――ご自身は共感ポイントが多かったですが、どんな方に番組を見てほしいですか?
もちろん、多くの方に見ていただきたいですが、親の離婚を経験している子どもに見ていただきたいです。離婚は悪いことではないはずなのに、子どもは気持ちにフタをして傷ついていることってあると思いますから。
今のみずきさんがあるのも、さまざまな経験があってのことですし、親の離婚も自分の豊かな人生の一部だと思っていただきたいです。
あと、うちの母親は見たら号泣すると思いますけど(笑)、番組があることを教えてあげようと思います。