今年5月、お台場に誕生し話題となった「キラキラドンキ」を含め、「ドン・キホーテ」全店舗のデザインを統括している、二宮仁美さんに密着しました。

「キラキラドンキ」は、10代〜20代前半のZ世代に向けて懐かしさと新しさをデザインし、商品には駄菓子なども取り揃えた店舗。

外観にペンギンの人形を取り付けた浅草店のデザインや、大阪・梅田店には、カンボジア旅行に行ったときに見たという遺跡、アンコール・トムをモチーフに巨大な顔のオブジェを装飾。

二宮さんは、500店舗以上にのぼる「ドン・キホーテ」の店舗デザインからオリジナルブランドのパッケージデザイン、ホームページなど、デザインに関わるすべてを担当しています。

二宮さんの、デザインへのこだわりや普段の働き方、また、自身の家族とのルールなどに迫りました。

驚安の殿堂「ドン・キホーテ」で、個性的なデザインを生み出し続ける、二宮仁美さんの“セブンルール”とは?

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ルール①:デザインは「いじりたくなる違和感」を目指す

二宮さんが、外観をデザインする際に心がけていることが「ドンキっぽいダサさ」だといいます。

「『かっこ良くないものを作ろうと思ってます』と言うと、変なんですけど…」と語る二宮さんが目指すのは、“愛されて、親しまれて、ちょっといじられる”くらいの立ち位置。

お客さんに「気合を入れてくる場所ではなく、ジャージで行ける楽しい場所」と思ってもらえるようにと、ふんだんに遊び心を加えます。

スタジオでは、長濱ねるさんが「中目黒のタワーマンションに住んでいる美容師さんから聞いた」というエピソードを紹介。

「中目黒にドンキが出来るときに、住民がすごく反対して署名活動まであったらしいんです。でも今は、そのタワーマンションのゴミ捨て場には、ほぼドンキのビニール袋がゴミ袋として使われてるみたいで」と話すと、YOUさんは「便利には勝てないね」とうなずきました。

ルール②:店舗の内装では階段を重視する

二宮さんのこだわりは、外観だけでなく内装にも。

後楽園店の階段には、ノスタルジックな遊園地をイメージし、上部にメリーゴーランドを設置。また、神奈川・鶴見中央店の階段には、公式キャラクター・(ペンギンの)ドンペンが川下りをしているイラストが描かれています。

二宮さんは「お客様にとって階段を上ることは無意識の中でちょっとしたストレスだと思うんです。それをデザインの力で上ってみたくなるように作れたら」とアイデアの根源を紹介。

また、広島・広島八丁堀店では、プロ野球「広島東洋カープ」にちなみ、野球のイラストのトリックアートがデザインされているなど、ここでも遊び心を遺憾なく発揮しています。

ルール③:月に1回「ニノの部屋」を開く

高校時代に、漫画「ご近所物語」を読み、デザインに興味を持ったという二宮さん。

大学で空間デザインを学ぶと、先生からの推薦もあり「ドン・キホーテ」に就職しました。

入社すると、担当者より「デザインなんかどうでもいい」、「ドンキは激安で、黄色・黒なんだから」と言われることがあったものの、二宮さんは「地域の特性に合わせて、デザインで示すことも大事」だと考え、れまでのデザインを一新。

そんな二宮さんが、女性の活躍を推進するために、月に1度必ずしていることが「ニノの部屋」を開くこと。

『徹子の部屋』ならぬ「ニノの部屋」とは、二宮さんが女性社員から話を聞き、社内のホームページにアップする活動。

社内で活躍する女性たちの声を紹介することで、他の社員たちに参考にしてほしいという思いがあるそうです。

ルール④:机の上は何もない状態にして帰る

二宮さんは、4歳の息子・なるみくんを持つ母親でもあります。

しかし過去には、頑張りすぎるあまりに「仕事と育児、全部を100%やろうとして倒れちゃって、入院しちゃったこともあった」という苦い経験が。

今では、仕事を部下に任せることも多くなり、毎日17時の帰宅時にはパソコンも持ち帰りません。

さらに、帰り際に机の上を何もない状態にすることで、「やり残しゼロ」と仕事への気持ちをリセットするそうです。

これについて、本谷有希子さんは「あんなごちゃごちゃした空間を作っている人の、机の上がシンプルって(意外)」とつぶやくと、YOUさんは「真逆だね」と相槌を。

一方、翌日に仕事を残してしまうという尾崎世界観さんは「(仕事が残った机を)次の日に見ると、汚いなと思いますね」と語りました。

ルール⑤:服装はワントーンを多用する

原色を多用する「ドン・キホーテ」をデザインしている二宮さんですが、迷ったときや時間がないときは自身の服装をワントーンに。

ドンキのデザインとは違い、シンプルなスタイリングが好みだそう。

ルール⑥:寝るときに子どもが持ってきた絵本はすべて読み切る

なるみくんは、寝る時間の午後9時になると、12冊の本を持ち布団へ。

寝る前に絵本の読み聞かせをしている二宮さんは、そのすべてを読み切ります。

二宮さんは「『日中にもう少し遊んでほしい』といった不満もあるだろう」といった、なるみくんの気持ちを想像し、「1日の終わりには100%応えてあげたい」と、持ってきた本はすべて読むそうです。

ルール⑦:デザインで地元に寄り添う

現在、二宮さんは「ドン・キホーテ」のデザインの他に、渋谷で海外の有名ホテルとオフィス、商業施設が入った複合商業施設を作っています。

その際、街に寄り添うデザインを考えるために、渋谷の街を何度も歩きます。

デザインを手がける上で二宮さんは、「地域に寄り添ってデザインをしていくってことが、私にできることかなと。そこに住んでいる地域の方々に受け入れてもらえるデザインを考えていて。1つとして同じ店舗はないというか、コピー&ペーストの店舗ではない」と語りました。

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かき氷で、ミシュランの星を目指す

7月12日(火)放送の『セブンルール』では、「あずきとこおり」店主の堀尾美穂さんに密着。

フレンチパティシエが作り上げる、誰も作りえなかったかき氷。そこには、一流レストランで培った経験と譲れないこだわり、「かき氷でミシュランの星を取りたい」という強い思いがありました。

二つ星レストランのパティシエから、かき氷店・店主への転身した、堀尾美穂さんの7つのルールに迫ります。