3月10日(火)、東京・松屋銀座にて展覧会「傘寿記念 デヴィ・スカルノ展 わたくしが歩んだ80年」がスタート。会場前にプレス内覧会が行われ、デヴィ・スカルノ夫人と神田うのが出席した。

今回の展覧会は、2020年、80歳を迎えるデヴィ夫人の激動の80年に焦点をあてた初の大規模なもの。社交界で優雅に着こなしたファッション、デヴィ夫人の感性で蒐集されたオブジェや絵画の数々(デヴィ・コレクション)、さらに趣味の絵画約20点も一堂に展観。

若くして自らの人生を切り開き、築き上げていったその屈強な魂はどこから生まれてきたのか、デヴィ夫人のその全ての魅力を解き明かしていく。

現在、コロナウイルスの感染拡大を予防してイベントが続々と中止になっているが、デヴィ夫人は「次から次にいろんな催しものがキャンセルになっているにも関わらず、こうして展覧会を実行できことは、松屋さんをはじめ、この展覧会に従事してくださったいろんな方に感謝しています」と深々とお礼を。

また、コロナでの影響を「現状を知れば知るほど、できたことを心から感謝しています。皆さんには、勇気を持って見に来ていただけたらうれしい」と控え目にアピールした。

自身が対策していることを聞かれると、デヴィ夫人は「私はどんな病気も跳ね返します」とピシャリ。

神田が「病気が逃げていきますよね」と念押しすると、デヴィ夫人は「病気をしている時間がなかったんです。子供の頃から学びっぱなし、働きっぱなしで、私にとって病気で休むことは贅沢なこと。今でも2、3時間空くと、そこに何かいれてしまいます。1日中、忙しくしているのが好きですね」と笑顔で打ち明け、「死神が来てもハイヒールでぶっ飛ばしますから」と宣言し、会場の笑いを誘っていた。

また、自身が関わっているイベントもキャンセルになったことに触れ、「こういうことが世の中に起きてしまうという、次の日は何が起きているか分からない感じですね」としみじみ。

政府の対策について問われると、「皆さん、初めての経験なので、対策が遅れたり、今からすると『こうすればよかった』っていろいろあると思いますけど、政府を責めることは簡単ですから、個人個人で気を付けることが大事だと思います」と持論を明かした。

展示館では、デヴィ夫人が画いた絵も展示されているが、子供の頃は画家になりたかったそうで、「母がいろんな内職をして、画家の岡田節子先生につけてくださったんです。当時は、女流画家は全然、値段がつかなくて。画家になっても母と弟を養うことができないんだと知り、女優になろうと思った」と感慨深そうに話した。

デヴィ夫人と親交の深い神田は、夫人の魅力を問われ、「姿勢がすごい」と答え、「展示の中にダンスの動画もあるので、ぜひご覧になってください」とアピール。展示会の動画では日舞やタンゴ、ワルツを披露しているが、「和洋(の踊り)ですごいです」と を満面の笑み。

さらに神田にとって、デヴィ夫人は「憧れもあり、尊敬する存在」だそうで、「元が違う。毎回、爪のあかをいただいていて。励まされますし、勇気ももらえる。こんな小さいことで弱ってちゃだめと思わせてくれる、女神でもあり、ホープ。精神的に近づくのは無理だと思うので、頑張る力や諦めない力をたくさんただいています」と絶賛した。

最後に、デヴィ夫人が「私のことを日本の方はテレビを通してしか知らないと思いますけど、私が歩んできた80年を見ていただいて、波乱万丈な人生をどう生き抜いてきたか、どうやって頑張ってきたかをちょっとでも知っていただき、自分の人生の糧にしていただいけたら」とコメントを寄せ、締めくくっていた。