恩田心(松下奈緒)と梶山薫(木村佳乃)が、婦人科医の前園敬之(高橋洋)に呼び出される。前園は、切迫流産で緊急入院した小山内静(山田真歩)の胎児をエコーで確認したところ気になる部分が見つかったと二人に話す。静はかつて大腸がんで入院したときに心が担当した患者だが、肝臓への転移が見つかる。カンファレンスで、心たち医師はがん治療のために静の妊娠継続は難しいということで一致した。

心と薫は静の病室へ行き、病状を説明。心は妊娠の継続が困難なので静の命を優先させたいと告げる。しかし、静に中絶の選択肢はなく、その意思はゆるぎないものだった。静に付き添っている夫の敬(落合モトキ)もかたくなで、中絶への同意は得られない。

翌日、心が化学療法室へ行くと、佐倉莉子(小川紗良)がスマホの画面を看護師たちに見せていた。莉子は心にも画面を見せる。それは退院した高坂民代(高畑淳子)が旅先での出来事を紹介しているSNSの投稿だ。病気でも人生を楽しんでいる民代から、自分も元気をもらえると莉子は喜び、患者のこういう面を知ってもらいたいと言う。すると、心は莉子もSNSで発信したらどうかと勧めた。

そんな矢先、民代が旅先で倒れたという一報が入る。民代の病状は心たちの予想より悪化し、腹膜炎も併発していた。それでも民代は抗がん剤などの治療は拒否。阿久津晃(木下ほうか)は民代の緩和ケア治療を光野守男(藤井隆)に任せる。

心と薫が民代を病室に見舞う。民代はキャンサーギフトという言葉は嫌いだが、「ギフトとまではいかないけど…」とほほ笑みながらがんになったことで心と薫に会うことができたと話す。

静の容態が急変。肝転移巣の一つからの腫瘍内出血が発生したのだ。カンファレンスでは、やはり母体優先のための中絶という方向を取ろうとするが、薫が止める。心と薫は、静と敬に特例の治療法になることを説明。薫の執刀で、静の母体と胎児、両方の命を守る手術が行われる。

出血部位の手術は成功した。だが、まだ静には残存がんがある。目を覚ました静に心と薫は、「楽な道のりではないが…」と静と胎児を守る今後の治療方針を説明した。一方、静は敬に離婚を申し出る。実は今回の静の妊娠は、前回のがんの際に凍結保存した卵子で出来たもので、次の機会はない。静は子どもが出来なかったら離婚すると敬と約束していたのだ。だが、「その約束はもともと守るつもりがなかった」と敬はどんなことになっても静と一緒にいると伝える。

民代への鎮痛剤の量は日増しに増えて行く。光野は心に、いつ何が起きてもおかしくない状態だと告げた。腫瘍内科医になってから、ずっと民代を担当してきた心のショックは大きい。そんな心に、阿久津は患者の苦しむ姿や弱っている姿を見るのは病気の無情さを感じてしまうが、それでも必死に生きようとする人間の強さを知ることが出来ると勇気づけた。

阿久津の言葉通り、心は患者たちの前向きな姿勢を見ることになる。静が自身の体験や、がんサバイバーへの情報を発信するフリーペーパー『NOT ALONE』に莉子がコンタクトをとる。静と敬が民代への取材を病院の中庭で行ったのだ。その様子を見ていた心と薫は、患者たちのたくましさに改めて感銘を受ける。

心も民代のために病室でパーティーを開く。薫や莉子はもちろん、結城涼(清原翔)や夏樹奈海(岡崎紗絵)たちも参加する。心は結城に頼んで、民代が倒れてしまって見ることが出来なかったパリの朝日のVR画像を用意していた。VR装置をつけて朝日を見た民代は涙を流して喜び、心たちに感謝する。

数日後、診察を受ける莉子は出来上がったばかりの『NOT ALONE』を心に渡す。そこには満面の笑みの写真とともに、民代のスペシャルインタビューが掲載されていた。インタビューで、がんへの思いを述べる民代は、そこでも寄り添ってくれた心や医師たちへの感謝を語っている。読み終えた心の頬に静かに涙が伝う。そんな心は薫から大切な記念日に付き合って欲しいと誘われて…。