アーティストとしても高い評価を受ける木梨憲武さんが、6月4日から開催される展覧会「木梨憲武展 Timing ―瞬間の光り―」の前日のプレスプレビューに登場。“木梨節”連発の質疑応答を繰り広げ、展覧会の魅力について語りました。

2018年を皮切りに、これまでに115万人を動員した全国美術館ツアーのグランドフィナーレを飾る本展。ニューヨークやロンドンの個展で発表した「OUCHI」シリーズ、「REACH OUT」シリーズをはじめ、3メートルを超える巨大新作「REACH OUT TOWER」、映像、オブジェなど自由な発想による作品200点が展示されています。

溢れる創作意欲の秘訣は?見る人にパワーを与える作品はどのように生み出されているのでしょうか?創作活動について聞いた動画インタビューとあわせてお楽しみください。

いよいよグランドフィナーレ!“今”のタイミングを大切に

今回の東京展で初お目見えとなった、3メートルを超えるオブジェ作品「REACH OUT TOWER」(上の写真左から2番目)が存在感を示す展示ホール。プレスプレビューの開始を待つ報道陣の前に木梨さんが現れた…かと思いきやそこにはなぜか天野ひろゆき(キャイ~ン)さんの姿が。

天野さんが15歳のとき尾崎豊さんに影響を受けて描いた「15の夜」という自画像をいたく気に入った木梨さんがその作品を展示している縁で、突然、来場した天野さんに会場からもどよめきが。

「あまのっちの作品をポストカードにして2000枚刷りました。1枚150円です。売れ残ったら、あまのっちが買い取ります」と木梨さんも茶目っ気たっぷりに笑わせます。

コロナ禍で開催が2年延期となり、やっとグランドフィナーレを迎えた感想を聞かれると、木梨さんは「いよいよ開幕します。スタッフ・アーティスト・職人の皆様と一緒に作った作品もたくさんある展覧会です。タイミングがいい、今が楽しい。“今、今”でやってきました」と、展覧会のタイトルにかけて感慨深げ。

コロナ禍でも創作意欲は止まらず、「コツコツとじじいの早起きを利用して作った」という作品にも言及。「ボンドとはさみだけで、コンビニ・薬屋さんのいろいろな箱を使用して『フェアリーズ』を2000体以上に増やした作品がございます。これも誰もが出来ることなので、みなさんマネしていただければと思います」と笑顔を見せます。

中井一さんをはじめとした友人、音楽仲間や仕事仲間も多く展示に訪れる、と語る中で、急に「ここにもいます!」と取材陣の中から引っ張り出したのは、『とんねるずのみなさんのおかげでした』にて結成された、音楽ユニット「野猿」で共に活動した“ゴテ”こと半田一道さん。今回は、オフィシャルカメラマンとして会場に姿を見せていました。

「野猿のみんなにも見てほしいなと思ったら、ここにいました」と笑う木梨さんに、作品の感想を聞かれた半田さんは、「感動しました」とひとこと。すると、木梨さんがマイクで半田さんの頭をゴンと叩いてツッコみ、会場に爆笑を巻き起こしていました。

今年還暦を迎えた心境について、「表現者としては小学3年生くらいでいたい。60歳なりの作品を作ってもみたいけれど、ほぼほぼガキの頃から変わってないので、このまま突き進みたい。エンタメのプレーヤーとして表現していきたい」と意欲的な姿勢を見せます。

そして、新作の「REACH OUT TOWER」を指しながら、「(将来これを)100メートルくらいにして、中に喫茶店を作りたい」と構想も披露

「とんねるず」としての活動について質問されると、「そっちもエンターテインメントの表現としては一緒で。何か発注と役割があれば。音楽に関しても名曲もあるので、2人並んで歌いたい。石橋(貴明)キャプテンには話してます。タイミングがきたときにライブ活動もしていくんじゃないかなと思う」と木梨さん。

これまでの展覧会に訪れた観客からは、「何かを描いたり作りたくなった」という感想を多くもらうそうで、「悲しい作品はほぼほぼありません。絵日記のように、学園祭のように、自分が1番楽しんで作っています。見ていただく方に何か感じ取ってもらったり変換したりしてほしい」と、自信たっぷりにアピールしました。

<木梨憲武 インタビューは動画でも>

開催概要

「木梨憲武 Timing―瞬間の光り―」

会期:2022年6月4日(土)~6月26日(日)※会期中無休

会場:上野の森美術館

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