第45回日本アカデミー賞授賞式にて、新人俳優賞を受賞した磯村さんが、7月公開の映画で“初主演”を務めることが明らかになりました。
映画は、カリスマ的人気を誇る漫画家・山本直樹氏が独創的な感性と世界観で「カルト」の世界に切り込み、人間の欲望をあぶり出した問題作「ビリーバーズ」。
過激な内容ゆえに実写化不可能ともいわれた本作で、磯村さんは宗教的な団体の中で、食欲、性欲などいかなる欲も捨て去り、浄化を目指す“オペレーター”役を怪演。どこか浮世絵離れした登場人物の日常に見事な説得力をもたらしています。
<磯村勇斗 コメント>
初主演の映画が「ビリーバーズ」で良かったと心から思います。
原作と脚本を読んだ時、自然とこの物語の世界を生きてみたいと感じました。 俗世間と、それに対して、可能な限り欲望を削ぎ落とし、信仰する力で安住の地を求める世界。
異様にも映るこちらの世界の方が純粋で、常識に囚われている世の中の方が異常なのかもしれない。
「ビリーバーズ」で生きる人物たちは皆一生懸命です。だからこそ滑稽にも見えて笑えてくる。信仰があり、エロスがあり、不気味だけど、どこか哀愁があり、人間の本能の先にあるものは何なのか。
混沌とした今の時代だからこそお届けしたい作品です。
<城定秀夫監督 コメント>
「オペレーター」という風変わりな役名で、この狂気の物語を力強く牽引するのが磯村勇斗さんです。
食事制限で体を絞り、髪と髭を伸ばし、電気も水道もなく、虫は入るわ、雨漏りするわの安普請(やすぶしん)の劇用プレハブに撮影前から泊り込んで役作りをし、全身全霊で演じてくれた磯村さんの 存在がなければ、この映画は成立しませんでした。
<作品概要>
あらすじ:とある孤島で生活をする2人の男と1人の女。男の1人は「オペレーター」、女は「副議長」、もう1人の男は「議長」と互いに呼び合い、揃いのTシャツを着ている。「ニコニコ人生センター」という宗教的な団体に所属している3人は、「孤島のプログラム」と呼ばれる無人島での共同生活を送り「安住の地」へと旅立つ日に思いを馳せていた。朝の瞑想、昨晩見た夢の報告、テレパシーの実験、といったメールで送られてくる不可解な指令を実行し、時折届けられる僅かな食料でギリギリの生活を送る。それらすべてが、性欲や過度な食欲に物欲といった俗世の汚れを浄化し「安住の地」へ出発するための修行なのだ。だが、飢えとの戦い、突如現れた外界からの侵入者、ほんの僅なほころびは、徐々に互いの本能と欲望を暴き出してゆく。
映画「ビリーバーズ」は、2022年7月より、全国順次公開。
配給:クロックワークス、SPOTTED PRODUCTIONS
©山本直樹・小学館/「ビリーバーズ」製作委員会