宝塚歌劇団の元スターに、輝く秘訣やこだわりを語ってもらう「宝塚OG劇場」。第9回は、瀬戸かずや(せと・かずや)さんが登場。
大人の色気をまとう花組男役スターとして人気を博し、“花組のアニキ”と親しまれた瀬戸さん。2021年7月の退団後はショーを中心に活躍しており、4月29日(金)からは、1stコンサート「The ALSTROEMERIA -アルストロメリア-」を開催します。
そんな瀬戸さんに、フジテレビュー!!がインタビュー。
前編では、コンサートへの意気込みや、退団してから約半年経った今の心境を聞きました。
<【後編】瀬戸かずや ゴルフに夢中「タカラジェンヌはハマる!」>
<瀬戸かずや フォトギャラリー(全15枚)>
男役から“等身大の瀬戸かずや”へ 今しかない姿を見せたい
――「The ALSTROEMERIA -アルストロメリア-」開催決定を聞いたときは、どんな気持ちでしたか?
宝塚歌劇団から外に歩み出た者として、こんなに光栄な機会はないと思いました。無事に務まるか少し不安もありますが、本当にありがたいです。素晴らしいスタッフ、キャストのみなさまの力をお借りして、良いステージを作りたいという思いでいっぱいです。
――どんなコンサートにしたいですか?
“男役・瀬戸かずや”から“等身大の瀬戸かずや”になりましたが、今の私は、男役が香りすぎている女性、といった状態ではないでしょうか(苦笑)。まだ自分の中で、表現の引き出しを増やせていないと感じています。
しかし、変化の真っ只中だからこそ見せられる“今しかない瀬戸かずや”があると思いますし、その姿をお客さまにも見ていただきたいです。このコンサートをきっかけに、私自身も新たな一面を発見できるのではと、とてもワクワクしています。これまで応援してくださった方から、最近私のことを知ってくださった方まで、いろいろな方にコンサートをご覧いただきたいです。
また、今回のコンサートでは男性ダンサーの方とも共演するので、私の表現にもきっと変化があると思います。男性の方と一緒に踊ると、より女性らしく見えるかしら…(笑)など、いろいろ思いを巡らせています。
――コンサート名「アルストロメリア」は、どのように決めたのでしょう。
私の愛称が「あきら」なので、「A」から始まるコンサート名にしたいと思っていました。みなさんと一緒に候補をたくさん出したのですが、私は宝塚歌劇団では花組に在籍していたことから、その中でもお花の名前に惹かれて。「アルストロメリア」を調べてみたら、色とりどりの花をつけるところも、花言葉の「未来への憧れ、凛々しさ」も、すごく素敵だなと思って選びました。
憧れの先輩・真琴つばさ&真飛聖との共演に「幸せ!」
――宝塚歌劇団元花組トップスターのANJUさん(安寿ミラさん)が初演出を手がけ、スペシャルゲストとして、元月組トップスターの真琴つばささん、元花組トップスターの真飛聖さんが出演します。
偉大な上級生の方々がお引き受けくださったという事実だけで、もう幸せです。本当にありがたいですし、みなさまと過ごせる時間を大切にしたいです。ご一緒させていただくことで学んだり、感じたりするものもあるでしょう。でもきっと、それより「もう幸せ!」という全力の喜びが、にじみ出ると思います(笑)。
――ANJUさんとは、どんなお話をしましたか?
「この曲を使ってみたい」とお伝えしたところ、ヤンさん(ANJUさんの愛称)が考えていらっしゃる曲と同じだったんです。「こんな偶然ありますか!?」と、衝撃を受けました。
宝塚時代の曲もいくつか入れる予定なので、今の自分が歌うとどうなるか楽しみです。ほかにも幅広いジャンルの曲に挑戦させていただくので、しっかり挑まないと、と身が引き締まる思いです。
――真琴さんや真飛さんとの共演についてはいかがですか?
ヤンさんから「2人と一緒にどんなことをしたい?」と聞かれたのですが、お2人とも本当に憧れの先輩なので、ちょっと想像しただけで浮かれてしまって(苦笑)。でもしっかりと考えさせていただき、カッコよさと男役からの変化を表現できるよう、タンゴに挑戦したいとお伝えしました。
その後、ヤンさんから「今回は踊るよ」と言われたので、コンサートではたくさん踊る私が見られると思います。しっかりお見せできるよう、着々と体力づくりをしていますが、今からドキドキ、ワクワク、ハラハラです(苦笑)。
――やはり宝塚退団後は、体力面に変化を感じますか?
そうですね、退団してから体力は落ちたと思います。宝塚のときは、とにかくずっと動いていましたからね。宝塚で公演に出演し続けるというのは、実はすごいことだったんだなと、改めて思いました。今はジムに通って、踊り続ける持久力をつけると同時に、体の筋肉たちを目覚めさせているところです。
「よく頑張ってきたね」過去の自分を認めてあげる
――退団してから約半年が経ちましたが、今の心境を教えてください。
「宝塚にいたから、今の私がいる」という感謝の思いを強く抱いています。しかし、男役ではない等身大の瀬戸かずや、あるいは本名の自分を見つめたときに、急に不安になったりもします。宝塚で男役として過ごしてきたことをどう活かせばいいのか、自信を持って進めず迷うことも。
でも、男役として過ごしてきたという事実は確かにありますし、もちろん恥じることでもありません。だからまずは私自身が、過去の自分を「よく頑張ってきたね」と認めてあげることが大切かなと。そう思うことが、この約半年間に幾度かありました。
そうして経験を自信に変えて、前に進んでいかないといけないですからね。宝塚での経験があるから、私は今ここにいて、コンサートをさせていただける。こんなにありがたいことはないと思っています。
――退団後の進路について、どなたかに相談しましたか?
まだしていません。言葉でうまく相談できるほど、自分の中で考えがまとまっておらず、こねくり回している最中なので(笑)。いつかまとまったら、どなたかに頼ってみたいなとは思います。
――男役の方は退団してから、髪型や服装の変化に悩むことが多いと思いますが、瀬戸さんはいかがですか?
髪型は、やはりずっと短かったので、一度ロングヘアを体験してみたいです。
男役の頃は、リーゼントがきれいに見えるように計算されたカットをしていたので、毛先が“段々畑”のようになっていました。退団してからそのまま伸ばし、半年近く経ってようやく全体が一定の長さになったので、先日一度、切り揃えました。ここからまた伸ばしていきます。
ロングヘアだと、巻いたりアップにしたり、アレンジ次第で雰囲気を変えられるので、“ファッションの武器”にもなると思います。特に宝塚の娘役の方たちは、みんなすごく素敵なアレンジをしていたので、自分もどんな髪型ができるか楽しみです。いざやってみたら「うまく巻けない、ピンは刺さらない、どうしたらいいの!」と、大変な思いをしそうですが(苦笑)。
<瀬戸かずやコメント&撮影の様子はこちら!>
<「The ALSTROEMERIA -アルストロメリア-」概要>
【東京公演】4月29日(金・祝)〜5月1日(日)/サンシャイン劇場
【大阪公演】5月6日(金)〜7日(土)/梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
出演:瀬戸かずや、三井聡、芽吹幸奈、笙乃茅桜、井上弥子、大場陽介、中島康宏
スペシャルゲスト:
真琴つばさ<5月1日(日)13時、5月7日(土)13時>
真飛聖<4月30日(土)13時、17時>
構成・演出・振付:ANJU
最新情報は、「The ALSTROMERIA -アルストロメリア-」公式サイトまで。
撮影:YURIE PEPE