5月22日(金)に放送されるフジテレビ『坂上どうぶつ王国』は、テレビ東京『緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦』と異例のコラボということで大きな話題となっている。

この番組はMCの坂上忍が夢のどうぶつ王国建設に向けてフジテレビとタッグを組んで作り上げていくバラエティ番組なのだが、坂上が購入した土地の池がヘドロまみれだったことが判明。なんとテレビ東京の大人気番組『池の水ぜんぶ抜く~』にまさかのSOSを出し、池の水を抜いてもらうことに。

局の垣根を超えたスペシャルコラボが実現し、テレビ東京ではこの模様が5月17日(日)に放送され、22日(金)はフジテレビがその裏側に迫る内容となっている。

フジテレビュー!!では、『坂上どうぶつ王国』の江本薫チーフプロデューサーにインタビュー。なぜこのようなドリームプロジェクトが実現できたのか?そして、オンエアだけでは描ききれない!撮影の舞台裏までたっぷりとお話を聞いた。

坂上の思いつき!酒席で「テレビ東京さんにお話してみますよ」

――今回の企画は、どのような経緯で生まれたのですか?

坂上(忍)さんが購入した土地の3分2が池で、しかもかなりヘドロが溜まっていました。ここに生き物が棲めるようにしなくてはいけないよね、でもどうしようかと悩んでたところ、ある打ち上げの席で、坂上さんが「これ、テレビ東京さんの『池の水ぜんぶ抜く』にお話してみます」とおっしゃって。私たちも「面白いですね」と言いながらも、半分冗談として受けとっていました(笑)。

ところが後日、坂上さんのマネージャーさんから、「テレビ東京さんの伊藤隆行プロデューサーに話がつきました。具体的に動きましょう!」と連絡が。坂上さんの思いつき、発想力と行動力で形になったということです。

――テレビ東京の皆さんのリアクションは?

もちろん最初は「本気で言ってるの?」という感じだったと思います。ただ、テレビ東京の伊藤プロデューサーは数多くのバラエティを制作されている方ですし、局の垣根を越えて、フジテレビのこういう企画にテレビ東京が入っちゃうのは面白いんじゃないか、と思ってくださったんだと思います。「やるとなったらとことん面白くやりましょう」という温度でした。

――ロケ現場の雰囲気はいかがでしたか?

当日は雪が降って、抜いた水も戻り始めていたような状況だったんです。そんな悪条件でも、『池の水』チームはとにかくプロフェッショナル!ロケ開始時には、見事に水を抜いていたんです。その後は、恐れていたヘドロ地獄を目の当たりにして、ここからは私たちが生き物が棲める池に作り上げていかないといけないんだ、と気持ちが引き締まりました。

田中直樹も太鼓判「池としてはとても良いベース持っている!」

――そのヘドロの中に生き物はいたのですか?

本当にたくさんいました。ロケの前に、事前に池を水質調査してみたのですが、数日かけても1匹のニホンウナギしか見つけられず。当日は池の大先輩たちがどうやって作戦を遂行してくださるのか、ワクワクしていたんです。そうしたら、想像もつかない数の生き物がどんどん出てきて、とても魅力的な池だということも教えてくれました。(田村)淳さんたちと収録後も話したのですが、ヘドロでひどい状況なのに生き物はなぜかイキイキしてるんですよね。田中(直樹)さんも「池としてはとってもいいベースを持っている」と。

“テレビ東京側”と“フジテレビ側”の境界線がわかる看板を設置

――現場では、こちら側からはテレビ東京、こちら側からはフジテレビ、という境界線が分かる看板を出していたそうですがどんな意図が?

出演者の皆さんがメリハリをつけられるように、です(笑)。ここから向こうは『池の水』の淳さんの進行で、こっち側は、『坂上どうぶつ』のサンドウィッチマンさんの進行に移りますよ、という。あの看板がテレビ局の垣根です、という意味で。ADさんが紙でプリントアウトしただけの、なんとも簡単な仕上がりになってしまいましたが。

――テレビ東京のスタッフさんとフジテレビのスタッフの違いは何か感じましたか?

テレビ東京さんは、この池の水を抜いて、生き物を捕獲して坂上さんのSOSに応えよう!といういう真摯な気持ちで臨んでいただいて。一方でフジテレビは、番組のスタッフジャンパーを着て、なんとかテレビ東京さんのカメラに『坂上どうぶつ王国』のロゴを見切らせようという下心があらわになってしまい、いやらしさが出てしまいました(笑)。

サンドウィッチマンの井戸掘り番組も…「コラボお待ちしています!」

――このようなコラボ企画は今後も続いていきますか?

サンドさんはあれだけロケをしてきているのに「一番過酷なロケだった」とずっと言っていました。「温かいカップラーメン用意して~」とも(笑)。そんなサンドウィッチマンさんがテレビ東京さんで井戸を掘る番組『新宿に井戸を掘る!』という番組を持っているんです。坂上さんの池に、今度水を戻さなくてはいけないので、なんとか井戸を掘っていただいてコラボできないかなぁ、なんて考えてしまいました。

坂上さんを中心にどうぶつ王国を作っていく上で、他局の皆さんも巻き込んで今後も何か新しいことができるのでは?と、思っています。テレビ東京さんの他の番組ラインナップもチェックしていますよ(笑)。

――最後に視聴者にメッセージをお願いします。

どうぶつ王国プロジェクトの可能性が広がったきっかけ、今後もっと大きなことができるなと思えるきっかけとなった放送回だと思います。ぜひご覧いただければと思います!

5月17日(日)放送の『池の水ぜんぶ抜く』では、番組史上最悪レベルの汚さと言われるほどの環境の中、外来種のコイやライギョ、ウシガエルなどの特定外来生物も発見された。坂上が「こんな大変なことやってたんだ」と驚くほど過酷なロケを懸命に行った結果、絶滅危惧種のニホンウナギも発見。外来種7種類・291匹と在来種9種類・241匹を捕獲し、ロケは終了した。

これを受け、5月22日(金)放送の『坂上どうぶつ王国』では、コラボロケの裏側に密着。テレビ東京の放送では映っていない、カメラの裏側で巻き起こっていたトラブルや、ハプニングを公開。テレビ東京チームに迷惑をかけていたサンドウィッチマン伊達みきおの行動や、過酷なロケに弱音を吐いて泣きそうになる坂上の姿まで、カメラは捉えていた。

また、ロケから1カ月後の池の様子も。千葉周辺では、降水量が観測史上最多を記録し、池では緊急事態が発生していた!?「王国建設プロジェクト」の行く末は…。