昨年「キングオブコント2021」で準優勝、「M-1グランプリ」では敗者復活戦で上位3組に残るなど、人気急上昇中の男性ブランコに、今後やってみたい仕事や面白フレーズの生み出し方、コンビ仲などについて聞きました。

男性ブランコは、浦井のりひろさんと平井まさあきさんによるお笑いコンビ。お笑いライブに加え、『千鳥のクセがスゴいネタGP』(フジテレビ)、『有田Pおもてなす』(NHK)、『有吉の壁』(日本テレビ)や、『ラヴィット!』(TBS)など、多くのテレビ番組にも出演し、活躍しています。

滋賀県彦根市で別々の大学ながら、共通の演劇サークル内(人数が少なかったため、合同だったそう)で出会った2人。卒業後、2人ともNSC吉本総合芸能学院(以下、NSC)に通うという進路が一致し、2011年にコンビ結成。2016年には東京進出を果たしました。

2月8日にコントライブ「ヘッジホッグホッジグッヘ」を開催すると、会場・オンライン配信含め、2800名が視聴するなど、大きな反響がありました。

そんな男性ブランコの2人に、フジテレビュー!!がインタビューしました。

単独ライブの反響に手応え「昨年からしたら、あり得ない状況」

――前回のコントライブ「ヘッジホッグホッジグッヘ」の感想を教えてください。

浦井:当日からすごくたくさんの方に見ていただいて、配信の方でも。昨年からしたら本当にありえない状況なので、これは本当にうれしいなと思います。

平井:割とたくさん単独ライブをやってきている部類だと思うんですけど、もう毎回お客さんにどう入ってもらうか、チケットをどうやって売ったらいいのかという悩みがあって。それが今回は、ちゃんとチケットも売れてくれたり、配信も今までの僕らで考えたら予想以上にたくさん買っていただけたので、それだけでもう幸せでしたね。

――感覚的にもこれまでのライブと違いましたか?

平井:あんまり気負わないようにという思いはありましたけど。ライブが始まる前に「配信チケットが1000枚いきましたよ」みたいなことを聞いて、「ええっ!1000枚もいった」ってなって(笑)。それで緊張しましたけど、「いいパフォーマンスが出来るように」と心掛けました。

浦井が新型コロナウイルスで陽性になり、ライブ3日前に復帰

コントライブ「ヘッジホッグホッジグッヘ」の開催前に、新型コロナウイルスに感染してしまった浦井さん。本番3日前に復帰したものの、リモートでネタの打ち合わせも行ったといいます。

浦井:僕が陽性になってしまって、自宅療養で10日間休養しないといけない状況で。復帰してから3日後に単独ライブという、本当今までにないぐらいのギリギリ感だったので、「せめて読み合わせぐらいはリモートでやろう」となったんです。でも、僕らがコンビ組んで初めての単独ライブのとき、10年以上前ですけど。

平井:一番最初のね。

浦井:一番最初のときも、ライブ直前に平井がインフルエンザになって。

平井:そうなんですよ。

浦井:そのときは電話です。当時、リモートという概念がなかったんで、電話で読み合わせとかして、今回はそれ以来の遠隔ネタ合わせだったんです。久しぶりに、あんなギリギリから始まりましたね。

そのときは、平井が外に出られるのはライブ当日からでしたから。

平井:そのときは、マジで一回も通さずに本番を迎えたんですけど、それが一番最たるもので。それに比べたら、今回はまだ3日間の猶予があったので(笑)。

――中止や延期にならなくて良かったです。

浦井:そうですね、3日あるから「やるしかないな」っていう。延期にすると、次の月も単独ライブがあるから、他に入れられる日がないんです。

平井の独り言やダジャレから生まれる独特なフレーズ

――ネタの中では「全治癒」や「おこの観点(エコの観点から派生)」、「量産型胸ぐら」といった印象的なフレーズが多く登場しますが、どのように考えているのですか?

平井:わりかし、部屋で独り言を言うので。結構、僕が家でしゃべってるんですよね。そのときに引っかかる言葉とかをメモったりしますね。

あと、ダジャレとかが好きなので、基本もうダジャレですね(笑)。似たような響きの言葉を並べてるだけですけど。

――平井さんの作った台本を受け取って、浦井さんが内容を変えることはありますか?

浦井:そこから変えることはないですね。台本上で見たら、「おこの観点」というセリフがあっても、「おこの観点ってなんだよ」って聞き返してるので。「○○ってなんだよ」って聞き返すセリフがものすごく多くて。いかに、その言葉の返し方を変えようかなっていう(笑)。大体おうむ返しですからね。

平井:そういう反応とかは、浦井に委ねています。

浦井:僕は別の言葉で返したいので、受け応えを考えますね。

――ネタの中では平井さんが演じる女性キャラクターも印象的ですが、参考にしている方はいますか?

平井さん:結構似てるような女性キャラしかできないんですけど。モデルにしてる人はいなくて、女性としてのカッコ良さを出したいなと意識してますね。

――関西弁の女性が多いのは、平井さんの中で強いイメージがあるからですか?

そうですね。強さを出すために、結構関西弁になりますね。女性の関西弁ってなんかカッコ良いというか、男勝りを表現しやすい感じがします。

番組に呼ばれるようになっても、ネタの中身は変えない

――昨年は賞レースで活躍されましたが、反響や仕事上での変化を感じますか?

浦井:本当に今まで、ネタ番組のオーディションとかどれだけあっても通らなかったんですよ。

平井:本当に通らなかった。1回も通ってないよな。1回通ったかと思ったらオフエア(放送なし)とか、YouTubeのみとか。「僕らのネタは全然テレビで流れないな」って感じで。

浦井:それが最近はもう、最初からネタ番組に呼ばれるようになって、これはもう全然違うなと思って。何かしらのパスを得たんだなっていう気がします。

番組に呼んでもらえるっていうのは、やっぱり賞レースの影響が大きいんだなっていう。以前と本当に同じことしてるんですよ。

平井:何も変わってないし、なんだったら(以前と)同じネタもやってますし。オーディションに落ちたネタでもやってます。

浦井:オーディションに行っていた当時と変わってないんですけど、それが最初から放送に出す前提で呼んでもらえるようになったっていうのは、大きい変化ですね。

平井:(世の中の男性ブランコに対する)見え方が変わったのかなというのは感じますね。だから本当におもしろいことをちゃんとやってる人は、テレビに合わすこととか必要ないんだなって。ある程度の名刺を持つことが、めちゃくちゃ大きいんだなと思いました。

「お芝居が好きなので、月9や日曜劇場に出てみたい」(浦井)

――今後やってみたいジャンルの仕事はありますか?

浦井:僕はドラマに出てみたいです。お芝居が好きなので、日曜劇場とか月9にスーツ着て。それっぽく見えると思うんで。

平井:(会社で)働いたことないけどね(笑)。

浦井:本当、就職したことないんですけど。いろんなジャンルの制服を着ても、なじむと思うので、ドラマに出たいですね。平井がネタを書いている時間も空いてるので、やりたいです。

平井:どんな役でもハマりそうですね。

平井:僕はなんとかして実現にこぎつけたいんですけど、水族館とか博物館とかそういうところで、コントライブや作品を作りたいなって考えてますね。

あと、NHK・Eテレで5分だけ、男性ブランコの番組が欲しいですね。(浦井さんを指差し)『つくってあそぼ』(Eテレ)のわくわくさんっぽくもなれますから(笑)。

10代の頃から変わらず、浦井がおすすめのアニメや映画を教える

――お2人は、プライベートでも連絡を取りますか?

平井:ほぼ毎日一緒にいるので、ほぼほぼしないですね。

浦井:隙間の時間で雑談したりはしますけど。

平井:浦井は映画がめっちゃ好きなので、おすすめの映画とかアニメの話は結構聞きます。

浦井:「あれが面白かった」、「あれ見た?」という話をします。それはもう10代の頃から変わってません。

平井:映画の好みやジャンルが割と似てるので。

――最近おすすめした作品はありますか?

浦井:「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」ですね。(平井に)「早く観てくれ」って言って。

平井:復帰1日目にすぐ観に行きました。内容は、ネタバレになっちゃうので言えないんですけど。

浦井:僕も「何も言えないから早く観に行け」って言って。

平井:本当にすごかった。「わーっ!」ってなって、嬉しかったです。

――お2人の強みや武器は、なんだと思いますか?

浦井:単独ライブ1時間を見たあとのお客さんの満足感は高いと思うんですけど。それを目標にやってます。

平井:コントのパターンや種類が豊富かなと。浦井がシリアス系からでも、コメディ系からでもコントに入れるので、割とコントのバリエーションは多いかなという気はします。ガチガチにキャラクターを固めてもいないので。

久しぶりの大阪での単独ライブは「挨拶しにいく感じ」

3月20日(日)に、渋谷・ヨシモト∞ホールで「変身東京ウミウシ」、3月24日(木)に大阪・グランフロント大阪4階、ナレッジシアターで「変身大阪ウミウシ」の公演が控えている男性ブランコ。大阪での単独公演は、上京後初だと言います。

――「変身東京ウミウシ」、「変身大阪ウミウシ」はどのようなライブになりそうですか?

平井:これだけたくさんのコントライブをやる目的は、「キングオブコント」で優勝するためなので、純粋に「1個1個面白いネタをたくさんやります」と掲げております。

オール新ネタで、東京は60分で6本、大阪は90分なのでプラス2〜3本。

浦井:2〜3本は新ネタなのか、過去のネタになるかは分からないですけど、お楽しみに。

――久しぶりに大阪で、単独コントライブを行う心境はいかがですか?

浦井:もう7年くらい経ってるので、お笑いライブに来る人たちの客層は変わってると思うんですよ。だから「初めまして」の方が多いかもしれないし、大阪は笑いに厳しい人が多いので。

平井:ナレッジシアターにも、行ったことないんですよね。なので「大阪に帰ってきましたよ」感とかじゃなくて、「初めまして、またよろしくお願いします」感で、「もともと大阪だったんですよ」と、挨拶しに行く感じですかね。

コントライブ「ヘッジホッグホッジグッヘ」よりも販売数が少なかったらげんなりするので、少しでも枚数が増えてたらめっちゃ嬉しいです。

――ファンやライブを楽しみにしている方にメッセージをお願いします。

平井:「楽しみにしている」ということを伺いました、今。本当ですか?そちらは元気にしてますか?お客さんも「配信で見る、会場に来る」というのは、チケット買ったり、suicaで交通費払うとか、人混みをかき分けるとか、大変な作業だと思うんですよ。そういうのを乗り越えて来てくれる方なので、健康でいてください。そして見に来てくださいということ。

浦井:そうですね…。

平井:まず投げかけないと、「楽しみにしている」と(浦井さんに促す)。

浦井:「楽しみにしていらっしゃる」と今、平井から伺いましたが、お変わりないでしょうか?皆様の健康は願っておりますけども、コントライブを見終わった後「今日はちょっといいご飯を食べよう」とか「いいお酒買って帰ろう」みたいなことを思ってもらえたら嬉しいです。

平井:彩りを添えられるようなね。

浦井:暮らしに彩りを加えられたらと思っております。頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。どうかお体にお気を付けて。

撮影:河井彩美

<公演詳細>

男性ブランコのコントライブ「変身東京ウミウシ」3月20日(日)東京・渋谷ヨシモト∞ホール 21時開演
男性ブランコのコントライブ「変身大阪ウミウシ」3月24日(木)大阪・グランフロント大阪4階 ナレッジシアター 19時開演
配信チケットは、FANY ONLINE TICKETにて発売中。