ロンドンのライブハウスを熱狂させた貴重映像も!

このアーカイブスの見どころをいくつか紹介しよう。さしずめイグアナの進化の記録といったところだろうか。

デビュー直後のTMGEの魅力を堪能できるのは、1996年から1998年にかけて放送された『TK MUSIC CLAMP』『FACTORY』などの音楽番組だ。チバ、アベフトシ、ウエノコウジ、クハラカズユキという4人が、まるで1つの生き物のように有機的に動く瞬間を目撃できる。

ロンドンでのライブの模様を収録した『Live at The LA2』も貴重な映像だ。筆者はこのライブを現地取材で観たのだが、彼らがロンドンの観客に熱狂的に受け入れられる様子は感動的だった。

2000年というYouTubeもTikTokもない時代なので、「日本にすごいロックバンドがいるらしい」との噂を聞き付けて観に来た、初見の観客がほとんどだった。観客がダイブしてステージに上がるハプニングもあったが、4人は動じることなく、初期衝動をそのまま音楽に変換したようなすさまじい演奏を披露し、初見の人々を瞬間でトリコにしていた。

チバの素顔が見えてくるのは、『TMGE×BLANKEY JET CITY対談』(2000年)だ。冬の野外でたき火を囲み、メンバー同士が酒を飲みながら談笑している。雑誌の取材では無口なチバだが、ミュージシャン仲間との会話では、気さくで陽気な人柄が顔をのぞかせる。

The BirthdayとMANNISH BOYSのツーマンツアーのドキュメンタリー映像『WEEKEND LOVERS'13』も必見だ。チバと斉藤和義が一緒に曲を作るシーンもある。ゆうちゃん(チバ)とせっちゃん(斉藤)のコンビで東京FCのユニフォームを着て、イベントの前説をする場面は、こちらまで笑顔になってしまう。

DJで参加した村上淳が楽屋のチバに、「チバくん、リハが一番いいってよ。それってどうなの?」と声をかけるシーンがある。「なんてこと言うの!」と答えるチバの笑顔も最高だ。チバがなぜ多くのミュージシャンから愛されていたのかが、このドキュメンタリーを観ると、一発でわかるだろう。

チバがウィルコ・ジョンソンやシーナ&ロケッツなど、リスペクトするミュージシャンのステージにゲストで参加している映像もある。『TOKYO SESSION』では、チバ、内藤幸也、TOKIE、茂木欣一というメンバーで、ROSSOの「シャロン」のセッションが実現している。