<藤井貴彦 コメント>

――収録はいかがでしたか?

『ジツハなジツワ』ってドキュメンタリーなんですけど、よく事実は小説より奇なりって言いますよね。なんでもない日常は、切り取ってみると全部ドラマなんです。だから、こんなドラマを取り逃してきたのかと、(自分も含め)テレビマンは反省することがたくさんあります。

ドキュメンタリーは、世の中にいっぱい転がっていて、どこにカメラを向けるか、どこに耳をすますかによってアクシデントにも、ドラマにもなる。ここが面白いところだと思います。 

――2回目の収録となりました。

オープニングでヒコロヒーさんとお話をしたり、安藤さんや松也さんにお話を振ったりしていたときに感じたのですが、前回はなんとなく別の空間にいて、別の空気を吸っている感じだったんですけど、今回はなんとなく吸い込む空気に湿度を感じました。

喉に心地よい感じがありましたし、自信を持って3人にパスを出すことができました。自分がガチガチだったのが、だいぶ楽に振る舞えるようになったなと思いますが、これもフジテレビさんのおかげだと思います(笑)。

温かく受け入れてもらっている実感がありましたね。あとはもう、この番組がレギュラー化するだけです(笑)。

――最も印象深かったジツワは?

全部ですけど、あえて言うなら、ひろみちお兄さんですよね。一番体を鍛えていて、一番体が動くはずの人が急に動かなくなっちゃうって、ご本人にとって一番ショックだったはずです。

それをあきらめないで、もう一回ゼロから積み上げる、いやマイナスから積み上げることができるのは、実話を超えて奇跡を見ているようでした。

私、東日本大震災のときに自宅マンションのエレベーターが止まってしまって、住んでいた部屋まで30階分ほどを歩いて登ったことがあるんですけど、30分かかりました。

それを10分で上がっちゃう、ひろみちお兄さんは、すでにリハビリを超えてるんですよ。リハビリを超えて常人をも追い抜いてしまっている。

でも、ひろみちお兄さんにとって、あれはまだ自分の100パーセントじゃないんでしょうね。人それぞれどこを目指すかによってドキュメンタリーになったり、ドラマになったりする。それをひろみちお兄さんという、私たちがよく拝見していた人が図らずも教えてくれた。

いつもテレビで顔を見ている人のドキュメンタリーというのは、感情移入しやすいかもしれないですね。ひろみちお兄さんのリハビリを、心から応援している自分がいました。

――藤井さんの実は…な実話はありますか?

よく聞かれるんですよ。「アナウンサー生活で一番のハプニングは何ですか?」と。でも、本当にないんです。自分で自分のいい話を見つけるのって、難しい。だから、私自身も本当は毎日が“ジツハ…なジツワ”なのかもしれません。