今回の楽曲『闇にご用心』はジャケット写真の雰囲気からも受け取れるように、「和」を強く感じさせる歌詞と旋律、ソリッドなバンドサウンドと華やかな管楽器で構築された編曲と、椎名さんの世界観に圧倒させられる楽曲です。
都々逸(どどいつ/7・7・7・5の26音で表す定型詩)の要素もあり、古今東西さまざまなルーツミュージックが融合された唯一無二の音像を、山内さんが大人の色気で力強く艶(あで)やかに縁取っています。

山内さんは「『ゲゲゲの鬼太郎』そのものの世界が椎名さんの詩とメロディによって表現されていて、アップテンポでありながらジャジーな曲で、とにかくおしゃれなサウンドになっています」と大絶賛。
また、メロディが混み合い、技術がいたるところに込められた楽曲になっており、山内さんも「うなったり、頭の文字を揺らすというような、今までしてこなかった歌い方を椎名さんからリクエストいただきました。この楽曲で脱皮した山内惠介をお届けできると思います」と、苦労しながらも自身の“新境地”へ期待を表しています。
椎名林檎「山内惠介さんは歌一筋に生きてこられた方」
椎名さんのこだわりを具現化することが、山内さんの中での課題だったよう。
「椎名さんの中では『こういう風に歌ってほしい』という世界観が完成していたので、それを自分がいくつできるのだろう、そしてできればできるほど、この楽曲の姿形がはっきりしてくるのだろうなと思って、頑張りました」と、譜面には書かれていない、椎名さん特有の表現の余白を理解することに努めたと振り返りました。
山内さんによると、レコーディングの際には「東京でお仕事としてご一緒させていただいているけれど、どこか学園祭のノリのような空気感もあり、歌い手としてはもちろん、高校の先輩でもあるので、ディレクションいただいたときも疑問はまったくなく、『うっす!』という感じでした」と、2人の中に“同じ学び舎の空気”がただよっていたことが伺えます。

レコーディングが終わってから、椎名さんは「山内惠介さんは歌一筋に生きてこられた方だからこういう表現をされるんだなということを、レコーディングをやっていて感じました」と、あたたかいメッセージを寄せたそう。
山内さんは「この曲を聞けばすぐに『ゲゲゲの鬼太郎』が思い浮かぶような、長くみなさんに愛される楽曲になると嬉しいです。そして、僕自身もこの楽曲でたくさんのことに挑戦しましたが、みなさんにも『ゲゲゲの鬼太郎』の世界観を思い浮かべながらこの楽曲を聴いてもらって、いろんなことにトライしてほしいなと思います」と、ファンへメッセージを寄せました。