まず、彼らを迎えた同社の田中修一郎社長は、「これだけたくさんの海外メディアの方にスタジオをご紹介できるのは、とてもとても光栄なこと」と笑顔であいさつ。「デイヴィッドプロダクション」という社名について、2007年の設立当初から「世界中の人に作品を見てほしい」という思いがあり、海外でもなじみやすい人名を冠したと説明。
また、旧約聖書に出てくる羊飼いの少年で、やがて巨人を倒して王になる“ダビデ”にもなぞらえていて、今はまだ小さいながら、将来はさらに大きなマーケットに参入し、より多くのユーザーに作品を届けたいのだと、熱を込めました。

続けて、今回のツアーでは、2019年の放送開始から海外人気が高い『炎炎ノ消防隊』の第3シリーズ『炎炎ノ消防隊 参ノ章』(放送中)と、dp初のオリジナルアニメとなる『陰陽廻天 Re:バース』(2025年7月2日よりフジテレビ「+Ultra」枠にて毎週(水)24時45分~※初回は24時55分~放送)の制作現場を見学できると紹介。
「小ささにこだわるわけではないんですけど、本当に小さく狭いスタジオの中で、みんな一生懸命に作品を作っている。そういったクリエイターを見ていただいて、作品が広まるように応援してください」と語ると、記者からあたたかい拍手があがりました。

©作乃藤湖/『陰陽廻天 Re:バース』製作委員会
20~25分の1エピソードの完成までに半年!?海外メディアが感嘆
次に、同社の石関陸さん(企画部)から、『炎炎ノ消防隊 参ノ章』と『陰陽廻天 Re:バース』の作品概要や、制作工程についてのレクチャーが。
原作がある『炎炎ノ消防隊 参ノ章』とオリジナルの『陰陽廻天 Re:バース』では、作業工程に違いはあるものの、どちらでもかなりの分業制が進められているそう。作画もカット、シーンごとに別のスタッフが担当。音響、撮影、編集もそれぞれ異なるスタッフによって作られるので、それらを管理するのがとても重要で、監督や制作プロデューサーには高い管理能力が求められるといいます。
ちなみに、『陰陽廻天 Re:バース』では、オリジナル作品ということもありシナリオ(ストーリー)、キャラクター、世界観もすべて一から作り込むことに。小物や道具ひとつにしても、監督によるイメージラフをもとにデザイナーが何パターンか作成し、監督がイメージにあったものを選んで最終的な“設定”が決定。


このように設定、そして絵コンテが完成したところで、分業で作画をスタート。途中で監督やセクションごとの監督者がチェックし、修正が入った場合は、たとえどんなに小さな直しでも、すべての絵に反映して修正するそう。





そういった工程を各カット(1話数につき平均して300から350カット程度)ごとに重ねて、ようやく20~25分ほどの1エピソードが完成。期間にすると半年ほどかかり、それがミニマムだと説明されると、記者から驚きの声があがりました。
また、作成した絵をどういった時間配分で重ねて1カットの映像にしていくかを指示する「タイムシート」には、絵の表示時間がビッシリと記されていて、それが「1秒を24分割した単位」で指示されると説明されると、再び感嘆がもれました。