神尾楓珠が主演を務める映画「彼女が好きなものは」の先行上映会が、11月26日(金)に行われ、神尾、共演の山田杏奈、今井翼、草野翔吾監督が登壇した。

この作品は、浅原ナオトによる小説「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」が原作。ゲイであることを隠しながら生活する男子高校生・安藤純(神尾)と、BL好きの女子高校生(山田)との恋愛を通じ、世間にはびこる“ふつう”という価値観とのギャップに向き合う男女の姿を描く。

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昨年の9月に撮影された本作。撮影を振り返り神尾は、「遊園地のシーンが、すごい青春していたなと思います。高岡亮平(前田旺志郎)とかはとにかく楽しめる役どころなんですけど、純はそれが出来ない役だったので、楽しみたいけど楽しめないという、つらさがありました。(遊園地での撮影を)思ったよりも楽しめなかったのが、悔しかった」と漏らした。

それに対し、草野監督は「(神尾が撮影で)楽しそうにしていたときに、『楽しまないで!』と言った記憶があります」と明かすと、神尾は「(カメラが)引きでの撮影だったので『いいかな?』と思っていたんです。バレてました」と苦笑い。

今井は、「神尾さんは主役として、とにかくカメラの前に立つ時間が多いです。僕はポイント、ポイントでの出演だったのですが、神尾さんは、疲れた素振りを見せなかったですね。僕は今40歳で、神尾さんと一回り以上違うんですけど、『顔の系統が同じ』と言ってくれる方もいて(笑)。そのおかげか僕は年齢差というものを感じないで、休憩中にお話しすることもできました」とコメント。

また、「僕のクランクインが、純とレストランでデートをするシーンからだったのですが、初日から親近感というか、身近に感じることが出来ました。それがきっとお芝居にも反映できたのかなと思います」と明かした。

神尾は「本当に濃い画ですよね(笑)。濃い顔と濃い顔の画は。今井さんがクランクインされたレストランのシーンでは、今井さんは僕らの先輩ですし、『引っ張っていくぞ!』というような『プライドがあるのかな?』と勝手に思っていたんですが、全くそういうところがなくて、僕らに合わせてくれてくださったんです」

続けて、「さらに、今井さんは『初日って緊張しちゃうんだよね』と弱いところも見せてくれる。最初、構えていた部分もあったんですが、それのおかげでありのままで対峙できたんです。本当に今井さんの人柄のおかげです」と感謝すると、今井は「僕は度胸がないだけです」と返し、会場を笑わせた。

そして、今井は「杏奈ちゃんにしても、台本の読み合わせでしかお会いできなくて、楓珠くんとのお芝居ばかりだったので、完成した映画を見て、高校生たちの透き通った美しさが画になっていると思いました。願わくば40歳になったけど、またいつか学生服を着てお芝居出来たら、『すごくいいなぁ~』と思いました」と微笑んだ。

最後に神尾は、「この作品を見てどう感じるかは、それぞれの方の自由でいいと思います。深く考えなきゃいけないわけでもなく、単純に『面白かった』だけでも、広めてもらえたらと思います。ありがとうございます」と締めくくった。

<あらすじ>

⾼校⽣の安藤純(神尾楓珠)は⾃分がゲイであることを隠している。ある日、書店でクラスメイトの三浦紗枝(山田杏奈)が、男性同⼠の恋愛をテーマとした、いわゆるBLマンガを購入しているところに遭遇。

BL好きを隠している紗枝から「誰にも⾔わないで」と口止めされ、そこから2人は急接近。しばらしくて、純は紗枝から告白される。

「⾃分も“ふつう”に⼥性と付き合い、“ふつう”の人生を歩めるのではないか?」。

一縷(いちる)の望みをかけ、純は紗枝の告⽩を受け⼊れ、付き合うことになったのだが…。

映画「彼女が好きなものは」は、12月3日(金)より、全国公開。
©2021「彼女が好きなものは」製作委員会
配給:バンダイナムコアーツ、アニモプロデュース

最新情報は、映画「彼女が好きなものは」の公式サイトまで。