一瞬「?」となった視聴者は私だけではなかっただろう。それは、先に撮影しておいたひな壇芸人のトークに合わせて、MCが後から収録するという、なんともカオス!?な番組だったからだ。
フジテレビ深夜のチャレンジ枠「水曜NEXT!」で11月24日(水)に放送された『ここにタイトルを入力』。
ポップだけどちょっと混乱ぎみなオープニングのあとに出てきた番組タイトルは、『ここにタイトルを入力』そして…『今夜もグダグダ気分』。バイきんぐの小峠英二が務めるゆるーいトークバラエティが『グダグダ気分』というわけだ。番組収録前の打ち合わせのシーンが流れると、ディレクターが小峠に「小峠さんが忙しいので、ひな壇トークに登場する芸人さんたちと収録の日程が合わなかった。ということで、先にひな壇芸人用のトークを撮ってしまった」と明かすのだ。最初はふんふん、と聞いていた小峠も一瞬「え?」と耳を疑う。それはそうだろう。バラエティ番組の王道とも言える、ひな壇芸人にツッコミを入れまくるMCをやろうとしていたのに、すでに撮影したものに合わせてトークしなければならないのだ。
ひな壇芸人のトーク部分を“先に撮影”
スタジオに入った小峠は、「ふっ」と顔がほころぶ。セットには自分の立ち位置、そしてその向かい側に巨大なモニターがあり、三四郎、長谷川忍(シソンヌ)、福田麻貴(3時のヒロイン)、ゆりやんレトリィバァの5人がひな壇に並び“フリーズ”した状態でスタンバっているのだから。すでに収録済みのVTRがそこにあるというわけだ。
「なんで先に撮っちゃったんですか?」「成立するんですか?」と苦笑いする小峠。しかしディレクターは「台本通りにやっていただければ大丈夫」と…。もう開き直るしかない小峠は、『バイきんぐ小峠の今夜もグダグダ気分!』と元気よくタイトルコールし、進行していく。
本番中に電話をする小宮、小道具でボケるゆりやん…
収録が始まっても、三四郎の小宮浩信はマスクを外すのを忘れ、ゆりやんは腰のあたりでピストルを握りしめている。小峠の容赦ないツッコミがさく裂するのだが、実際にトークを始めるとひな壇芸人といまいちかみ合わない。しかし、小峠がお題を振ると、ひな壇がちょうどいいタイミングで「いえーい!」と反応し、バチッとはまることも。小峠はすかさず「いいねー!」とノリノリになり、さらにハイテンションで番組を回していく。一体小峠の頭の中はどうなっているのか?と思うほど、巨大モニター内で繰り広げられるそれぞれの芸人のボケや、細かいツッコミポイントを逃さない。
あるときは、長谷川が、バイきんぐの相方・西村瑞樹に変わっていたり、またあるときは、フリースロー対決で長谷川と相田がモニターに近づくためひな壇芸人の大きさがちぐはぐになったりと、まさにカオス!一方で、小峠は一秒たりとも油断することなくモニターに向かってツッコミまくっていた。最後の最後まで、小宮は誰かと電話で話し、相田周二は表情を変えることはなく、ゆりやんはマイペースに小道具でボケ続けた。長谷川や福田も途中で眠くなってしまったり、食レポせずに自由に食べ続けたり、真面目な顔をしてやりたい放題だった。
巨大モニターの中の世界は、次に何が起こるかわからない。でも、もう収録してしまっているわけだから、視聴者としてはMCの小峠がうまく合わせてくれることを見守るしかない。
MC部分は後で撮影してもテレビとして成立!?
『グダグダ気分』はその名の通り、ゆるすぎるトークだけで放送が終了。MCが締めようとしても、ひな壇は勝手に感想を述べ、タイミングを気にすることなく自由に解散していった。シュールすぎる!忙しい小峠のスケジュールが他の芸人と合わず後からMC部分を収録しても、番組としてしっかり“成立”することが実証されたということか。当の小峠はどうだったのだろうか?収録を終えた小峠からコメントが届いた。
「ここ最近の収録で群を抜いてしんどかったです。この世の終わりのような収録でした。」
この世の終わりのような…と小峠を苦しめた番組だったが、視聴者はSNS上で「意味わからないな」「シュール!」 「これくらい変な番組があっていい」「狂気を感じる」とさまざまな反応を寄せていた。
来週は引き続き『ここにタイトルを入力』なのだが、全く違う内容らしい。バカリズムがMCの恋愛お悩み相談バラエティ番組だという。またヘンテコな番組が登場するのか…個人的には怖いもの見たさもあり、注目したい。