戦隊ヒーローをはじめ、新米主夫、謎めいた執事、二面性があるエリート証券マンなど、役柄ごとに進化を遂げ、話題を集めている結木滉星。

そんな結木が、江口のりこ主演のドラマ『SUPER RICH』(毎週木曜22時~)の第5話から登場。主人公の氷河衛(江口)が古民家で再起を図る電子書籍会社「スリースターブックス」の新人アルバイト・城戸密(きど・ひそか)を演じている。

「豪華なキャストの方たちと同じ空気を吸っているだけで“スーパーリッチ”な気分」と語る結木にインタビュー。役柄へのアプローチや、現場の雰囲気、2021年に感じた自身の変化について聞いた。

<結木滉星 インタビュー>

いい意味でかしこまらず、雰囲気の柔らかさが出たらいい

──城戸密を演じる上で、意識していることはありますか?

城戸は、真面目で、仕事もできて、ハイスペックな新人アルバイトです。だけど、親近感を抱いてもらいたかったので、「こんなバイトくんがいたらいいな」と思ってもらえるように、笑顔を絶やさないことや、「スリースターブックス」の皆さんとの距離感を大切にしています。

ただ、明るくて接しやすい城戸だけど、本当はなぜ会社に入ってきたのか、しかもなぜバイトなのか、何を考えているのかを、ちょっと匂わせることができたらいいな、とも思っていて。オリジナル作品のため今後の展開がまったく読めない中で、城戸が入ることで「スリースターブックス」はどうなるのだろうという期待もありますし、いい意味でかしこまらず、雰囲気の柔らかさが出たらいいなと思っています。

──オリジナル作品の役を演じるのは楽しいですか?

原作があると、ある程度守らないといけない部分があると思いますが、オリジナル作品はその要素がないので、自分次第でいろいろと役を膨らませて演じられるところが、僕は好きです。

──城戸とご自身で共通点はありますか?

城戸は、周りをよく見ていて細かいところにもよく気がつくのですが、僕も結構、周りをよく見るタイプで、わりと気を遣うのは好きですね。そこは似ていると思います。

──5話からの出演ですが、すでにチームが出来上がっている現場に途中から参加するのは大変ではないですか?

本当に皆さん優しくて、気さくに声をかけてくださるので、すぐに現場になじむことができました。「スリースターブックス」のキャストは、江口さんをはじめ豪華なメンバーなので、長セリフのシーンはすごく緊張感がありますが、それ以上に皆さんと掛け合いをしている時間が、すごく楽しいですね。

あと、僕が空(町田啓太)に書類を渡しに行くシーンで小走りをしたときに、町田くんの顔しか見ていなかったために、スタジオのセットにガンッとおでこをぶつけてしまったことがあったんです。その直後に僕がセリフを言わないといけなかったのですが、痛々しい言い回しになってしまって(笑)。すると、すぐにそこを皆さんが拾ってくださって、場がなごみました。本当にチームワークが良くていい雰囲気の現場だなと思います。

赤楚衛二とは戦隊ヒーロー時代の話で盛り上がり、町田啓太は「テレビで見るよりカッコいい(笑)」

──江口さんとの共演はいかがですか?

僕は、本番になるとどうしても力が入ってしまうのですが、江口さんはすごくナチュラルで、テストと同じテンションで本番もお芝居されるので、すごいなと思いました。

本当に衛さんがそこにいて、衛さんがしゃべっているような感覚に陥るんです。僕もそういうふうになりたいなって。一緒にお芝居させていただいて勉強になりましたし、少しでも近づきたいと思いました。

──赤楚衛二さん、町田啓太さんとの共演はいかがですか?

赤楚くんは以前、『仮面ライダービルド』に出演されていましたが、その撮影時期に僕も『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(ともにテレビ朝日系)を撮影していたんです。そのときによくお会いしていたので、共演自体は今回が初めてでしたが、当時の話で盛り上がりました。

町田くんは、スタイルがよくて、背が高いなと思いました。ミーハーな感じですけど、テレビで見るよりカッコいいです(笑)。

僕のセリフがないところでも、皆さんのお芝居を間近で見せてもらえる機会が多いので、「そういう言い方にしたんだ」とか「そういうアプローチで考えていたんだ」など、とても勉強になる現場ですね。

──劇中では、赤楚さん演じる優と町田さん演じる空が、年上の女性である衛に好意を寄せていますが、結木さんは、年上の女性に魅力を感じることはありますか?

恋に年齢は関係ないと思っていますし、年上の方でも、年下の方でも、もちろん魅力を感じることはあります。特に衛さんは、すごくかっこいい女性ですよね。僕、もともと女の子らしいタイプよりも、サバサバしている強い女性のほうが好きなので、衛さんも好きです(笑)。

演じている江口さんもサバサバしていて、もちろん美しさもありますが、一緒にお話していると楽しい方ですし、本当にステキなんですよ。

──優と空は衛をめぐり三角関係となっていますが、もし結木さんがその当事者だったらどうしますか?

僕なら、正々堂々とライバルに「衛さんが好き」だと宣言します。それから、お互い頑張ろうと言うと思います。

──結木さんから見て、この三角関係はどう思いますか?

女性目線で考えると、優と空のどちらも魅力的で、かわいい系男子と頼りになる右腕、全然タイプが違うので、「それは揺れるよな」と思いますね(笑)。この関係がどう変化していくのか、今後が気になります。

──では、今後の城戸の見どころをお願いします。

5話で登場して以降、城戸はそのハイスペックさもあって、「スリースターブックス」の皆さんからも「どうして、うちでバイトしてるの?」と言われるくらい、不思議な存在だったのではないでしょうか。そんな城戸がなぜ「スリースターブックス」にいるのかということが、明らかになります。「城戸密」という名前にも注目です!最後まで楽しんでください。

好きなブランドの洋服がセールで買える機会が“スーパーリッチ”

──今までの人生の中で、“スーパーリッチ”だなと思った瞬間はありますか?

この豪華なメンバーと同じ空気を吸っているだけでスーパーリッチですが(笑)、プライベートなことで言うと、僕はモデルの仕事もさせていただいているので、好きな服やブランドのものが、発売前とかセールで買える機会があって、その時はスーパーリッチだなと思います。

洋服が好きですし、いいものを着ていたいという願望があるので、そういう機会はうれしいです。

──今年もあと1ヵ月ほど。1年を振り返って、変化を感じたことはありますか?

まず、あっという間だったなと思います。後半には、ギャップのある二面性を持った役柄がたまたま重なって、それと同時に、年齢を重ねていることを実感しました。

高校生の役などは(年齢的に)厳しいのだろうなと思い、もう27歳になるんだということを最近すごく感じて。役柄で求められることも変わりますし、自分自身も、もっと大人にならないといけないなと思っています。

──逆に、仕事の楽しさ、難しさなど、新たな気づきはありましたか?

いろいろな現場を経験させていただくたびに感じますね。このドラマの現場もすごく豪華な方々とお芝居をさせていただいて、勉強になっています。吸収しないと置いて行かれる気がするので、これからも、がむしゃらに努力しようと思います。

撮影:YURIE PEPE