テレビ局の新人アナウンサーといえば、まず女性が注目されがちだが…この“イマドキ”男性アナは、何かやらかしてくれそうだ!(良い意味で)今年フジテレビに入社した山本賢太アナが、12月30日(木)に生放送される『2021富士山女子駅伝~全日本大学女子選抜駅伝競走~』の実況を初めて担当することが決定した。しかもそれは自分で“勝ち取った”ものだというから驚きだ。フジテレビュー!!は早速本人を直撃した。

「当たって砕けろ」「告白するつもりで」先輩・森アナに直メール

  初実況が決まった時はどんな気持ちでしたか?

山本アナ:“急にこんなうれしいことがあっていいのか?”という驚きとうれしさがブワーっと込み上げてきました。でも同時に、これからどうすればいいのだろう…という不安が出てきたという感じです!

――でも、自分で“取りに行った”実況だと伺いましたよ!

山本アナ:夢だったアナウンサーになれたのですが、このままどうなるかっていうのが分からなくて、待ってるだけで自分のやりたいことができずに、そのまま終わっちゃったら嫌だなと思いました。それなら自分で“当たって砕けろ”じゃないですけど告白するつもりで、スポーツを担当されている森さんにメールしました。

コロナ禍ということもあり、まだ先輩アナウンサーに直接挨拶することもままならない中、山本アナは、格闘技・バドミントン・サッカー・バレーボール・陸上など、数多くのスポーツ実況を担当してきた大ベテランの森昭一郎アナウンサーに直接メールを送ったというのだ。そのメールの一部を見せてもらった。

「まだ直接ご挨拶していないにも関わらずメールをしてしまい大変申し訳ございません。自分の目の前で選手同士が本気で闘う姿を、森さんのようにいつか自分自身も熱く本気で実況したいです。もしよろしければ、どこかでお時間がある際にボクシング研修をしたいです。(※中略)実況で熱く語り、視聴者にその試合を、その瞬間を届けることができれば、必ずや、元気になる人はいます。“ここまで本気でやっている。ここまでストイックにやっている。体を張って本気で挑んでいる。全てのプライドをかけている。だから私も頑張らなきゃ。”と思うはずです。放送はそういうものを届けるものだと思います」

森アナウンサーのボクシング実況に憧れていた山本アナは、まずボクシング研修をしたいので、どこかで時間をください!という“一方的な”思いをぶつけたのだ。

入社26年で史上初!「なんだか熱いやつが…(笑)」

新人くんからいきなり熱いメールで“告白された”森アナウンサーは…

  メールを見た時、どんな印象でしたか?

森アナ:まず最初に「誰?っ」て思いましたね(笑)今は、テレワークであまり出社する状態じゃないときだったので、実際会ったこともないし、名前もよく覚えてない状況で、「なんだ!?めっちゃ熱いやつが入ってきたな」って思いました。

  過去にそういう方はいなかったのですか?

森アナ:いいえ、1人もいません。私が入社して26年、史上初の“暴挙”に出た新人アナウンサーですね(笑)ああいう感じでガツガツくるっていうのは…やる気が抑えきれず、会ったこともないのに“思い”だけ先に送ってしまったんだなと思いました。

  そんな“暴挙”に出た新人アナウンサーを採用した理由は、何だったのですか?

森アナ:正直、彼のアナウンス技術のスタートラインは、まだよく分からず、むしろ、結構頑張らないといけない位置からのスタートなのかなというのが僕の印象でした。そんな中で、彼が初めて担当した『プロ野球ニュース』(CS)で、それを覆すものをポンッと出してきたんです。もちろんデビュー戦ですからうまくはないんですけど、ここまで努力をしたんだっていう跡が見えたんですね。それで、「これはチャンスを作ってあげたいな」って思って、今回の実況を任せてみようと決めました。

  山本アナに本番は、どう迎えてほしいですか?

森アナ:まず、主役は選手です。4年間、この富士山女子駅伝に全てをかけているので、そこに真摯に向き合って、しっかり準備してほしいですね。それと、本番はマイクをつけた瞬間、必ずと言っていいほど、緊張で前が見えなくなるんですよ。誰しも経験していることなので、乗り越えてもらうしかないのですが、山本ならしっかり準備してきたものと、実況にかける思いというのが、表に出てくると思っています。結果、彼にとっても良い放送であってほしいなと思っています。

「1年目だから…初実況だから…は“なし”にして頑張ります!」

  なぜそこまで実況をやりたいと思ったのですか?

山本アナ:子供の頃から、スポーツ中継の実況にずっと感動させられていました。選手の一生懸命な姿とそこに実況が加わることで、より選手が輝いて見えて、そしてダイレクトに心に伝わった時に、“自分も頑張ろうな”って思うような瞬間があったので、やりたいと思っていました。

  実況へのやる気がすごく伝わってくるのですが、不安なことはありますか?

山本アナ:結構、涙もろいんですよ。早速、駅伝の映像を見たりして勉強しているんですが、選手の頑張っている姿と実況が相まって「アスリートすげぇ〜!」っていう感動が込み上げてきて、泣いてしまいました。実況しながら泣くなんてありえない…それはプロとしてダメなので、本番では泣かないように頑張ります。

  でも、事前取材などで選手と接する機会もありますよね?

山本アナ:いやぁ〜、より選手に対する思いが詰まって…ヤッベェー!

  12月30日の本番に向けて、意気込みを!

山本アナ:「富士山女子駅伝」は、選手にとっては学生最後の駅伝です。選手が輝けるように実況したいですし、自分が感動したように視聴者にも選手たちの思いが伝わるような実況を心がけたいと思っています。1年目だからとか、初めての実況だからとかはなしにして、本番に向けて、しっかり準備して頑張ります!

山本アナは、7区間・43.4kmのコースの中で第5中継所を担当する予定だ。ここは各大学のエースランナーがそろい、たすきを繋ぐ瞬間を伝える。エキサイティングな展開を、どのように紡いでくのか?フジテレビュー!!は、今後も山本アナの実況デビューまで、取材を続けていく。

【動画】先輩アナがこっそり撮影!初実況が決定したときの山本アナの様子