8月23日(日)14時からフジテレビでは『ザ・ノンフィクション 歌舞伎町 便利屋物語 ~人生を変えた この街で~ 』が放送となる。
新宿・歌舞伎町。24時間、眠らない街で、さまざまな人々を支え続けるのが、便利屋「親孝行」の由藤神一(ゆとう・じん)さん(37)だ(以下、ジンさん)。その仕事のスタイルは、24時間休みなしでお客さんの要望に親身になって応えるというもの。
丁寧な仕事ぶりと真摯な人柄も人気で、依頼内容は、電球の交換、エアコン清掃、店内改装、ペットの世話、ベビーシッターまでと多岐にわたる。どんな依頼にも応えられるようにと、20以上の資格を持つ。
自宅に帰る暇もないほど歌舞伎町で身を粉にして働くが、ジンさんがそこまでするのは、この街で人生を変えた過去の因縁のためだった――。
今回、番組の語りを松本穂香が担当した。ジンさんのやさしさに「励まされた」という松本は、ジンの生きざまに寄り添うように丁寧に読んでいた。番組を通じどんなことを感じたのか、収録後に聞いた。
<松本穂香 インタビュー>
――ナレーションを終えた感想は?
ナレーションは、演技の仕事とは違うので、毎回、緊張しますね。手汗をかいたり、心臓がバクバクしたりもします(笑)。『ザ・ノンフィクション』は3回目ですが、難しいなぁ、と思うことが多いです。でも、自分が知ることのできない世界を、ナレーションを通じて知れるのは面白いですし、とても好きなお仕事です。
――ナレーションをする時に心がけていることはありますか?
読ませていただくのは、本当に起こっていること、現実の物語が多いです。なので、そこにいるみなさんの思い、取材している人の気持ちを台無しにしないように心がけています。
あとは、ナレーションとして携わることで、今回で言ったらジンさんの人生の中に私自身が入り込んでしまっている部分がありますので、見ている人と同じような気持ちでありつつも、寄り添うような気持ちでいられたら温かみも出るのかなと…。あまり責任を感じ過ぎてもよくないのかもしれませんが、そういう部分はちょっと持っていたほうがいいかな、とは思います。
――便利屋のジンさんの生きざまをどんなふうに感じましたか?
便利屋さんとして働きながら、人のためにいろんなことをして、保育園まで作られる…。あんなに人のためにできるって、本当に素晴らしいですし、そこをお仕事にできるジンさんは素敵だなと思いました。本当にすごいと思いました。私にはあんな人生は歩めないなと。
そして、すごくやさしい方ですよね。いろんなことがあって、いろんな経験をしたからこそ、強くてやさしい方になったんだろうと想像しました。誰に対しても愛情があってやさしさがにじみ出ていましたよね。短時間見ているだけでも伝わってきました。それがお仕事の上での信頼にもつながっているんだなと感じました。
――その信頼の証が、依頼者から預けられた鍵の束ですよね。
本当に。普通、お仕事を頼む人でも、あんなふうに鍵を預けるなんてできないですよね。それと、ジンさんはお仕事ぶりも丁寧ですし、何でもできちゃうのもすごかったです。棺の塗装までできちゃうの?って。それなのに、すごく謙遜されていて。素敵な方だと思いました。
――松本さんがジンさんに頼むとしたらどんな仕事を頼みますか?
ご飯を作ってもらうというのもいいですが、普通にお茶がしてみたいです(笑)。今まで便利屋さんのお仕事で一番衝撃的だったことを聞いてみたいです。「え、そんなことまでやるの?」というのが、たくさん出てきそうじゃないですか。ジンさん自身に興味がありますね。できるならラジオのゲストにお呼びしたいくらいです。
――逆に松本さんが便利屋さんだったとして「これは得意だ」という仕事はありますか?
細かい作業もできないタイプなので、あんまりないと思うんですが、そうですね…励ますとか?(笑)料理したり、掃除をしたりする方のそばで「私はできないけど、頑張れー!」って応援します(笑)。
――ちなみに、困ったことがあったとき、最初に相談するのは誰ですか?
やっぱり母か、地元・大阪の親友ですね。ただ「うんうん」って聞いてもらうだけでも安心するし、逆にそうやって聞いてもらうことが一番大事なのかなって思います。
とはいえ、何でも相談するっていうよりは、自分で耐えて頑張らなきゃいけないってときは自分で頑張りますし。そこは、ダメにならないようにバランスを取りながらだと思います。
――ジンさんの便利屋は「親孝行」という社名です。親孝行、してますか?
全然、できてないですね(笑)。親は「自分がやりたいことをやってほしい」と言って応援してくれているので、仕事が決まるたびにすごく喜んでくれます。でも、母が温泉に行きたいと言っているので、これから、旅行に連れて行ったり、少しずつ親孝行ができたらな、と思います。
――最後に読者、視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。
私もネガティブになって、「この世の終わりだ」なんて思うこともあるんですけど、ジンさんのようにひたむきに頑張っている方の姿を見ると、自分も弱音を吐いていられないな、と思う瞬間がたくさんありました。
こんな世の中ですけど、ジンさんの姿を見れば絶対に励まされると思うので、それがたくさんの方に伝わればいいなと思います。
収録後、松本がナレーションの一部を披露してくれた