RUIさんが演じるのは、見たものすべてを記憶する能力を持ち、繰り返される毎日に飽きてコザにあるゴヤ高校に転校してきたタクこと瀧田拓郎。

TAIKIさんが演じるのは、タクを追いかけて那覇からコザにやってきた、超人的な運動神経を持つ、ケンカ負けなしの空手の達人、ミックこと田中未来。

KANONさんが演じるのは、中学からコザに引っ越してきたゴシップ好きの情報屋、ヨウジこと真田洋司。

そして、かつて神童と呼ばれ、不良集団「中山コザ連合」のボスの弟・ビームくんこと我那覇琉唯役を、劇中でのタクとのラップバトルも見どころとなる、BMSGに所属するラッパー、 edhiii boi(エディボーイ)さんが演じます。

――それぞれが演じた役について教えてください。

edhiii boi:僕が演じるビームくんは、ヤンキーな兄貴にずっと引っついている子で、ちょっと寂しがり屋なんでしょうね。友達を作りたいと、彼ら3人に近づきながら仲を深めるのか深めないのか、という役です。すごいお調子者でも真面目なキャラでもなくて、「ここで出てくるの?」みたいなタイミングで登場してきたり(笑)。沖縄に住んでいるので沖縄弁なのですが、どうしても標準語が混ざってしまい、「大丈夫だったかな?」と思いながら演じていました。

演技は初挑戦でしたが、小さい頃からやってみたいとずっと思っていました。今回のお話をいただく前から、『池袋ウエストゲートパーク』は見ていて、「こういう青春物語をやりたい」という気持ちが強かったので、この作品でその一歩を踏み出せたのは自分にとってすごく大きいことで、いい経験ができたなと思っています。

ビームくんこと我那覇琉唯(edhiii boi)

TAIKI:僕が演じるミックは、日本を代表するような“陽キャ”で“空手の達人”で、“猿並みの運動神経”を持っているというキャラクターです。猿並みということで、撮影初日から側転を50回ぐらいやって。「マジかこの撮影、最高だな!」と思いました(笑)。

一同:(爆笑)

TAIKI:もともと空手をやっていたんですが、こういうかたちで活かせる日が来るとは思っていなくて。沖縄は空手発祥の地でもあるので、アクションにも「上段突き」とかちょっとした空手の型が混ざっていたりして、「やっていて良かったな」と思いました。演技は初挑戦で不安でしたが、やってみたら「意外とできるかも」と日に日に思うようになって、やりがいがありましたし、堤監督が言ってくださったように「不安になる必要なんてない」という言葉通りに、生き生きと演じることができました。楽しい撮影でした。

ミックこと田中未来(TAIKI)

RUI:自分は「一度見たものは忘れない」という能力を持つ、タクという役を演じさせてもらいました。最初は自分とは「真逆だな」と思っていたんですけれど、撮影の終盤になってきたら、寝る前に台本をサッと読んだら覚えられるようになっていて、「これ、タクだなあ」と実感したことがありました。

SKY-HI:すごいね(笑)。

タクこと瀧田拓郎(RUI)

KANON:僕が演じたヨウジは、僕の性格とマッチするところがあって。言動や、ちょっと気になることがあるとすぐ指摘しちゃうところとか、ぼそぼそっと言うところとか似ているなと。

RUI・TAIKI・edhiii boi:あ~!(頷く)。

ヨウジこと真田洋司(KANON)

KANON:ヨウジはそれに加えてちょっと変な趣味があって、終始ちょっとダサいっていう、クセのある面白い役なので、やっていてすごく楽しかったです。1ヵ月半という撮影期間でしたが、ネガティブな感情になることが一切なく、撮影の最後まで本当にずっと楽しかったです。関わってくださった皆さまが温かいおかげで、無事にやり切ることができて、感謝、感激…。

SKY-HI:…雨?

KANON:感謝、感激、雨、嵐、です。

SKY-HI:霰(あられ)じゃなく、嵐に行ったか(笑)。

――撮影は42日間オール沖縄ロケということですが、SKY-HIさんも行かれたのでしょうか?

SKY-HI:そうですね、残念ながらスケジュールの関係で全編参加とはいきませんでしたけれど。本当はずっといたかったんですよ!もちろん頑張っている彼らを見ていたいという気持ちもありますが、それ以上に映像作品を作る現場として、ここまでのレベルで「明るく仲良く元気良く」みたいに進行していく現場を見たことがなかったので。このうえなく素敵な現場だったので、ありがたいしうれしいし、自分もいるだけで楽しくて。

今、10代というハイティーンの時代が間もなく終わりに差しかかるという彼らに、ああいう現場を経験させてあげられたことが自分の中では大きな財産になりました。

――撮影現場では、彼らの知らない面は見られましたか?

SKY-HI:このドラマの現場自体が見たこともないような現場ではありましたが(笑)。でも、「演じる」って別の何かに急に切り替わるものではなく、彼らがここまで培った人間としての部分が役をまとって出てくるというだけなので、「見たことがある」といえば見たこともある。あと、話が少し変わりますが、物事に対して「実直であれ」みたいなこと、誠実さとか真摯さは大事ですが、何でも真面目で品行方正であれとは思ってはいなくて…って、ここで深く頷くのがedhiii boiなんですけど(笑)。

edhiii boi:(頷きながら笑う)

SKY-HI:物作りに携わる人たちの、この作品に関わる自分を向上させようとするというクリエイティブに対するリスペクトをすごく感じられたのが、すごくうれしかったですね。

――ライブシーンやラップバトルも見どころのひとつですが、普段のパフォーマンスとは違って苦労した点はありましたか?

SKY-HI:あれ楽しかったね~(笑)。

4人:(顔を見合わせながら)楽しかったですね~。

edhiii boi:ラップバトルのシーンで大変だったのは、録音の都合上、アカペラ歌唱で声だけを録らなくてはいけないところがあって。

SKY-HI:(声の)オンリーを録らなきゃいけない。

edhiii boi:普段のラップバトルでは、音が聞こえる中でパフォーマンスをすることに慣れていたので、片耳のイヤホンだけで聞いて本当に自分がライブでやっているように演じるのがすごく難しかったですね。

SKY-HI:しかもあのテンションでね。イマジネーションが問われるよね。

堤:そうだね、難しかったね。でも、映像製作上いたし方なく(笑)。

――堤監督は、彼らのパフォーマンスシーンをどう撮ろうと思われましたか?

堤:そもそも彼らが持っているパフォーマンス能力を、ドラマの中で自然に発揮してほしいということですよね。彼らのMVの長編になってしまうのではなく、あくまでも彼らの生きざまとはまったく別の本作の世界観があって、その中で彼らがラップをしたり、踊ったり、アクションをしたり、セリフを言ったりということが「本当にこの世界にいる人たち」に見えるように調整をするという役目になります。

でも、僕は一度も「何年何月にこうなったことが、この役の精神的な出発点で」なんてことを説明したことはないんです。彼らは全部を勘で分かるので、そこはありがたかったですね。「ここで10秒しゃべって、3秒止まって」といった段取りは伝えますが、演技指導という意味では、ほぼゼロでした。勘のいい方々と仕事をすると、こんなにも気持ちよくできるんだと思いました。

4人:ありがとうございます!

――では、最後にどなたか代表して誰か本作の見どころをお願いします。

RUI:(手を挙げる)

TAIKI:行け行け!

RUI:えー、舞台が沖縄ということもあり…。

KANON:堅いぞ(笑)。

RUI:(笑)。それぞれの個性的な役柄だったり、街並みだったり、いろんなものが“チャンプルー”されていて。まるで、沖縄料理の「ゴーヤチャンプルー」のように混ぜ合わさっているというか…とても面白い作品になっているので、ぜひ見てください。

TAIKI:ちょっとすべったかな(笑)。

一同:(笑)

撮影:今井裕治