めちゃくちゃいいドラマやないですか!!

(東海地方に向かって)めちゃくちゃいいドラマやないですかーーーッ!!!!!!

(神谷町らへんに改めて)めちゃくちゃいいドラマやないですかーーーーーーーッ!!!!!!

見終わって、あまりにもいいドラマ過ぎて、興奮しすぎて、誰に御礼を言っていいかわからず、とりあえず、制作してる東海テレビさん方面と、制作会社の「スイッチ」さんがあると思われる東京神谷町方面に向かって叫んでみました。聞こえましたでしょうか?

かつて、東海テレビさん制作のドラマにおいて…、殺人鬼が主人公だったり(『火の粉』ほか)、血しぶき飛んだり(『恐怖新聞』ほか)、生身の人間がタクシーに平気で追いついたりする(『リカ』シリーズ)、ちょっと…いや、かなり狂ってる「オトナの土ドラ」において、「何なのこのドラマーーー!!(=クレイジーすぎて最高!)」(これを叫んだのは『最高のオバハン 中島ハルコ』)と叫ぶことはあっても、こんなにも純粋なストーリーで、誰も殺さなくって、血も出なくって、ターミネーター的人物も登場しなくって、やたら偉そうにするスーパーウーマンでもない、ただただ心を打たれて、洗われて、興奮して「いいドラマやないかーーー!」って叫んだ作品、なかったよね?(『その女、ジルバ』は、「いいドラマ…しみじみ…」の系統)…うん、そうだね!そうだね!!これが、真・「土ドラ」!「オトナの土ドラ」→「土ドラ」への進化(深化かも)ってことなのだね!!!!

いやー、先週の、100点!だった第1話からの、この第2話。前回があまりにも良かったもんで、今回も続けてそうであるはずがない、今回も100点であるはずがない、あれは第1話ご祝儀に違いない(言い方!)…って、僕、まだ、なんやかんや信用してなかったんだよね(ひどい奴)。

で、しかも、前回の第1話が、丸刈りにしてきた女生徒(水原みずき役/田幡妃菜)だったじゃない?だから、それを見せてからの、第2話のテーマが「ルッキズム(外見に基づく差別や偏見)」なんだぜ?いくら『顔だけ先生』つっても、ちょっと最初からテーマの押しつけがしつこい、もうわかってる、あの“丸刈りの女生徒”の物語を見たんだから、外見と中身の話に、これ以上のものないだろ、深掘りする必要なんてない、あれでもう十分!!!(だからこそ、前回MVP田幡妃菜ちゃん、マジでありがとう!!)って思ってたの…っていうか、そもそも、ルッキズム?は?何それ!?(口悪い)だったわけよ。

<<試写室>期待値1からの100点!そのタイトル、見た目が一番の目くらまし!!視聴者をいい意味で裏切って、深みまで満載>

それがどうでしょう…。もうね、言うたらね、今回のテーマ、ルッキズムとかね、そんなのね、関係ないのよ!この第2話にあったのはね、学園ドラマのね、王道のね、上質なね、“友情物語”がね、あっただけなのーーーーー!!!(感涙…思い出して感動している)

めちゃくちゃいいドラマやないですかーーーーーーーッ!!!!!!(もう一回言う)

ってもう、興奮任せでここまで書いちゃったもんで、早速訂正しますが、そうは言ってもね、ちゃんとね、ルッキズムがね、テーマにはなってんのよ(どないやねん)。それに沿った見事かつ意外性あふれるストーリーラインでドラマは展開されて、だけど、ルッキズム=“見た目重視”に対して、それをことさら強調したり、さも悪のように仕立て、対立構造を生み、エンターテインメントにするわけじゃない。否定もせず、逆張りのような肯定もせず、“顔だけ”の主人公、遠藤先生(神尾楓珠)の存在のおかげで、生徒たちの“今”が好転していく…そういう物語になってるの!だから“めちゃくちゃいいドラマ”なのよー!

で、また、その遠藤先生の立ち位置がホントに素晴らしいのね。第1話で抱いたあの印象の、そのまま。先生らしいことは何一つしていなくって、ただただ遠藤先生が自由に、好きに、生きてる…。だけど周辺は、それに少しだけ影響を受け、そこから物語が転がり始め、気づけば、知らぬ間に、美しく決着している…っていう、その感じ、そのスタンス、そのブレなさが、素晴らしいの!

んでもって、バディの亀高先生(貫地谷しほり)も素晴らしいんよ。トリッキーな主人公に振り回されるバディって、もう見飽きてるじゃん?わかりきったことを、わかりきったように、慌てふためく様って、もう見飽きてるじゃん?だけど、この亀高先生は、全くそんなキャラクターじゃないの。もちろんトリッキーな主人公に、ある程度は振り回されてはいるんだけど、しつこくないし、自分のことでも忙しいから、遠藤先生含む、誰に対しても無暗(むやみ)に攻撃したりしないのよ…そこがいいんよね。で、なんていうか、言語化が難しいんだけど、誰に対しても、とてつもなく、“さりげない”んだよね…。

例えば今回、根暗そうな園芸部部長(長谷川慎)が、少女漫画展開さながらの“メガネをとったら…イケメン♡”みたいなシーンがあるんだけど、そうなったときの、亀高先生のファーストインプレッションがホントに素晴らしいの。ただただ“さりげなく”って、それは、つまり、“さりげない”=何事もなかったかのような反応=そこにいて良し!と自然に認めてくれている…そんな感じ?だけど、とは言いつつ、表情、リアクションは大げさなの…。わかります?この感じ?あぁ、なんて語彙力のない僕…だから、とにかく、見て!(結局)でもって、その“さりげなさ”が、今回のテーマ、ルッキズム問題について、自然と深く考えさせてくれる…そんな構造に、なってるの…。

それでよ、ルッキズム問題については、なんやかんや前回の丸坊主になった女生徒のみずきちゃんの存在も重要で、その存在のさせ方、登場の仕方もホントに実にさりげなくっていいんですよ。普通、あんなショッキングな絵面&物語を見せたら、第2話で初めて見た人用に、“あらすじ”みたいな(もちろん冒頭に前回の振り返りはもちろんあるんだけど、それとは別にってこと)、前回の振り返りとして、そのことに対してのセリフ一つでも入れるじゃん。その言及、必要じゃん。だって、視聴者ビックリするから。

だけどね、それがね、ないのよ…。なぜならね、女の子がね、丸刈りにしたってね、改めてそれを視聴者にお知らせしなくたってね、その何が変なの?って、丸刈りの女の子が、そこにいたって、自然とそこにいたっていいじゃんって、みんながそこに“いる”それだけで、当たり前じゃん…って…。要するにね、このドラマのキャッチコピー、「好きに生きてるーーーーーーーー(゜∀゜)ーーーーー!?」ってことなのよ!!わかります!?わかります??え?わからない!??もう見て!!(逆ギレ)

でね、そうは言いましたがね、結局の結局ね、この第2話を見てね、みなさんの心にね、最終的にね、残るのはね、これまでのね、名作学園ドラマとね、何も変わらないね、王道の…友情物語なの…。

つまり、

めちゃくちゃいいドラマやないですかーーーーーーーッ!!!!!!(しつこい)

text by 大石庸平(テレビ視聴しつ 室長)