『SUPER RICH』第1話完全版
裕福な家庭に生まれた氷河衛(江口のりこ)は幼い頃に両親を亡くした。
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しかし、潤沢な遺産もあったため、大学時代に知り合った一ノ瀬亮(戸次重幸)と電子書籍販売をメインとするベンチャー企業「スリースターブックス」を立ち上げて成功し、女性起業家に贈られる“プラチナ・ウーマン・オブ・ザ・イヤー”の大賞を受賞するまでになっていた。
そんなある日、衛は亮からアプリ会社へ出資する提案を持ちかけられる。早速会議にかけるが、亮のやり方に懐疑的な今吉零子(中村ゆり)、宮村空(町田啓太)たち社員の反応は鈍い。しかし、亮を信頼する衛は出資を決める。
その日は「スリースターブックス」のインターン採用試験日。田中リリカ(志田未来)、豪徳尊(板垣瑞生)たち学生が、それぞれの思いで試験場に集まっている。
その頃、春野優(赤楚衛二)も試験を受けるために向かっていたが、途中、出産間際の妊婦を助けたため大幅に遅刻してしまった。
衛が会社を出て行こうとすると、優が現れて試験を受けさせて欲しいと頭を下げる。自身の身の上まで話して遅刻の理由を説明する優に、衛は時間は誰にでも平等にあったはずだと言い門前払い。続けて衛は、優が試験を受けるためのスーツやカバンの購入費を両親から金を借りたことを受け、財布から5万円を出して渡した。
仕事を終えた衛は、大手IT企業「MEDIA」取締役の島谷聡美(松嶋菜々子)と食事。かつて新卒で「MEDIA」に入社した衛にとって、聡美は仕事を教え、育ててくれた憧れの先輩だ。
今も衛を気にかける聡美は「スリースターブックス」の現状を尋ねる。なんとかやっていると答える衛に、聡美は経営者の決断は情に流されてはいけないと釘を刺す。
翌日、衛は珍しく亮から食事に誘われる。2人で会社を出ようとすると、優が現れた。優は衛に5万円を返そうとするが受け取ってもらえない。さらに、「スリースターブックス」で働かせて欲しいと優は頼むのだが、衛は受け入れない。通っている専門学校の学費に5万円を充てる気もしない優は、退学を決めた。
一方、食事を終えて店を出た衛は突然、亮に抱きしめられる。戸惑う衛に、亮はなぜか謝罪の言葉を口にした。
明け方、衛に亮から電話が入り、ただ自分を信じてくれと一方的に言われて通話が切れた。その直後、空から急を要する連絡があり、衛は会社へ急ぐ。
会社には幹部たちが集まっていた。亮が投資を勧めたアプリ会社が、反社会組織「石高興業」のフロント企業だったのだ。実務が始まる時間になると、取引先が次々と取引中止を申し出てくる。ついには、頼みとしている「MEDIA」も取引中止を伝えてきた。
衛は直接、聡美に会って取引継続を頼む。すると、聡美は継続の条件として亮の解雇を提示。だが、衛には亮を解雇することが出来なかった。
衛が会社に帰って、その件を報告していると社員が飛び込んで来て、会社の口座残高が無くなっていると言う。亮は反社会組織への投資を勧めただけでなく、会社の金も持ち逃げしていた。
衛たちは取引先を回って取引の継続、投資家や銀行に融資を頼むのだが、どこからも色良い返事はもらえない。疲れた衛が会社に帰ると優がいた。5万円を返そうとする優だが、衛ははねつける。
次の日、出社した衛は過労で倒れてしまう。クリニックを受診した衛はその足で、“プラチナ・ウーマン・オブ・ザ・イヤー”の授賞式会場へ向かう。そして、壇上に登った衛は来場者に向かって金を貸して欲しいと頭を下げた。居合わせた空や今吉は心配するのだが、衛は1人にして欲しいと街へ出てしまう。
衛が向かったのは「石高興業」。亮の居場所を探そうとしたのだが、ドアの前まで行くと殴られた優が転がり出て来て、衛の手を取って逃げ出した。優は衛に会うため、毎日「スリースターブックス」が入るビルのエントランスにいたため、現在のピンチを知ったのだ。
そして、衛に先んじて亮を探すために「石高興業」を訪ねたのだが、答えを得るどころか殴られて摘み出されてしまった。その時、お腹を空かせていた衛は近くに屋台のラーメン屋を発見するが持ち合わせがない。衛は優に5万円はどうしたかと聞くが、先程の「石高興業」で奪われていた。
だが、優はなけなしの500円を差し出し、ラーメンを食べに行く。
ラーメンを食べながら、金持ちの家になど生まれなければ良かったと嘆く衛。すると、優はお金は可能性だと言う。お金の大切さに、今更ではあるが気づけたのは良かったと優は続ける。
そんな優に励まされ、衛は前向きな気持ちになりマンションへ戻った。マンションへの道を歩く衛は、何者かがつけて来ることに気づく。振り向くと、そこには優が立っていて…。