寛一郎さんが、配信中の話題作『HEART ATTACK』の撮影の裏側を語りました。
FODで全話配信中の『HEART ATTACK』は、フジテレビと『インビジブル』や『ウォーキング・デッド』など、大ヒット作のフランチャイズを手がける米国マルチプラットフォーム・エンターテインメント企業、スカイバウンドエンターテインメントが共同で制作。
政府が人権を否定するほど特殊な能力を持つ「ヴァリアント」と呼ばれる人々が存在するパンデミック後の世界が舞台のSF作品で、異なる背景をもつ男女が出会い、不条理な世界の中で自由を求める戦いと、そこで育まれる愛を描いています。
めざましmediaは主人公のひとり・ウミンを演じた寛一郎さんにインタビュー。ヴァリアントでありながら、「奈落」と呼ばれる集落で隔離された人たちを監視するVCU(ヴァリアント犯罪課)のスパイという役柄に扮した感想や撮影の思い出を聞きました。
<寛一郎 インタビュー>
――スパイという立場や親から捨てられた過去など、ウミンはとても複雑な感情を抱えたキャラクターですが、演じるうえでどんなことを意識しましたか?
作品には台本の決定稿というものがあって、それをベースに撮り進めていきますが、撮影を重ねていく間に(決定稿には書かれていないけれど)ウミンがもつバックボーンや回想シーンを入れたほうがいいと途中で撮影が追加されるくらい、もともとはつかみどころのない役柄だったんです。
ウミンが何をきっかけに心を閉ざしてしまったかなど、過去がきちんと描かれていたので、ただ謎が多いキャラクターというだけでなく、どこかに人間味を感じさせるような芝居を心がけました。

――感情を忘れかけていたウミンは、奈落のインフルエンサーユニット“L”のリーダー・エマ(三浦透子)との出会いによって徐々に変化していきますが、どんな心境で演じましたか?
ウミンに感情の起伏がなく、ずっと無表情なのはエマたちと出会う以前、まったく人と関わる機会がなかったからなんです。インプットもなければ、アウトプットもないので、アップダウンの必要がない。そんな中、感情の揺れを与えてくれるエマと出会い、少しずつ人間らしさをとり戻していく過程を自分でも楽しみながら演じていました。
――ウミンに共感する部分はありますか?
「自分は一体、何者なんだ?」という疑問は、ウミンと同じ状況でなくても起こりうるものなので、僕も非常に共感できる部分です。現に僕だって自分が何者なのか完全にわかっているかと聞かれたら、「はい」と即答できません。そう考えたら、ウミンが抱える悩みというのは普遍的なものなのかもしれないなと思いました。

――VCUの警部であり、ウミンの育ての親でもある劉を演じた岸谷五朗さんと過ごす時間が長かったと思いますが、岸谷さんの印象を聞かせてください。
岸谷さんとは今回が「初めまして」でしたが、2人だけのシーンがとても多かったので、待ち時間などにはいろいろとお話しさせていただきました。
長年、板(舞台)に立つ中での出来事や演劇への思いなどはもちろん、岸谷さんも息子さんがいらっしゃるので、親子関係の話や、父と共演したときの話のほか、僕のどんな質問にも答えてくださって、気さくでとても温かい方という印象を受けました。

――VCUの管理官・詠一役の早乙女太一さんとは激しいアクションシーンを演じました。
実は撮影が行われた日に風邪をひいていて、体調が万全ではない中、早乙女さんに殴られたり、蹴られたりしたのですが、風邪のせいか、ほとんど記憶がないんですよ。
唯一、覚えているのは早乙女さんの圧倒的な身体能力です。アクションがとってもお上手なので、脚や腕などがちょっとあたってしまってもまったく痛みがなかったですし、呼吸を合わせてくださって、とても迫力のあるシーンに仕上がりました。僕がこんなことを言うのはおこがましいですが、プロの方だなと実感しました。
とても複雑な感情のウミンという役、アクションシーンについて語ってくれた寛一郎さん。インタビュー後半では、マイブームなどのプライベートな一面、醸し出す“色気”の秘密に迫ります。