10月3日(日)14時からフジテレビでは『ザ・ノンフィクション「母と息子のやさしいごはん〜親子の大切な居場所〜」』が放送され、語りを広末涼子が担当する。

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料理に人生を見出した息子と、それを全身全霊で支える母に訪れた結末とは…?

文京区・本郷にある母と息子が切り盛りする小さな定食屋さん。接客担当の母・貴美子さん(63)と料理担当の息子・大貴さん(27)の間では、いつも口論が絶えない。

2020年1月に開店したものの、翌月には新型コロナに見舞われ、客足は伸びず赤字続き。どう見てもうまくいっていないこの店を続ける理由…それは、母と息子の過去にあった。

幼い頃から成績優秀で「将来は弁護士になる」と夢を語っていた大貴さんは、中学生の時、突然の不登校に。その現実を受け入れられず、母は息子に厳しく接し続けた。「死にたい」と追い詰められた息子は、発達障害の疑いがあるとの診断を受ける。ようやく不登校の「本当の理由」を知った母は、自分を責め続けた。

しかし、自宅で引きこもる中、初めて作った料理を母に褒められたことが大貴さんの人生を変えることに。「料理であれば、自分も周りを喜ばせることができる」と料理人の道を歩み始めたのだ。

その姿を一番近くで見ていた母は、人生を懸けて息子を支える決意をする。こうしてオープンしたのが、大貴さんが思う存分、料理を作ることができる定食屋さんだった。

ところが、メニュー価格に見合わない高級食材を仕入れる大貴さんのこだわりと、長引くコロナ禍で、店の経営は火の車に。息子の大切な居場所である店を懸命に守ろうとする母だが、蓄えも底をつきかける。

今回、初めて『ザ・ノンフィクション』の語りを務めた広末は、自身も母である立場から、大貴さんと貴美子さんの関係をどう感じたのか?収録後に話を聞いた。

<広末涼子 インタビュー>

――ご自身初めてとなる『ザ・ノンフィクション』の収録を終えていかがでしたか?

いろいろなドラマがあって、リアリティもあって、刺さる部分も多い『ザ・ノンフィクション』は、私もよく拝見していて。今回、自分がどのような内容の作品に関われるのか、とても楽しみにしていました。

毎回、さまざまなテーマがあるなかで、今回は、どの人にも共感ができ、気持ちも立場もわかるという内容だったので、すんなりナレーションに入ることができました。というより、ちょっと泣きそうになってしまうくらいでした。「(泣きそうになって)いけない、いけない」と思いながら、読ませていただきました。

――母と息子さんのお話でしたが、特に共感できたのはどなたですか?

お母さんの気持ちもよくわかりましたし、(現実的で厳しい意見を言う)お父さんがおっしゃることもとてもよくわかりました。ずっと大貴さんのそばにいるお母さんには、お母さんにしか見えないものがある一方で、見えすぎちゃっている部分もきっとあって。

誰が正しくて、誰かが違っているというのではなく、母親と父親によっての立場や(子どもとの)距離感みたいなものがありますし、そこがよく見えたな、と感じました。

そして、あの家族の関係性はとても素敵だな、って思いました。あそこまで息子を守るお母さんはもちろん、厳しいことを言うお父さんがいなければ、母子ふたりで沈んでしまっていたかもしれない。それを、お姉さんも含めてみんなでバックアップしていくというところが、私自身にもすごく励みになりましたし、支える家族の大切さを感じました。

――「泣きそうになった」というのは、どのような場面でしたか?

お手紙のシーンは…。お母さんが大貴さんに「命を懸けて支えます」と思いを綴ったお手紙を見て…。親はみんな思っているのでしょうけれど、一緒に生活をしていると、わざわざ言葉にすることもなかったりしますので。

こういった新しいチャレンジをする局面で、困難があったり、ハンデがあったりするからこそ言える言葉かもしれないですが、わざわざ手紙で伝えることで、大貴さんの自己肯定感や自信につながれば、とお母さんも思っていらっしゃるのかなって。

私自身、息子を海外に送り出すことがあって、そのときに同じように手紙を書いたことがありました。愛情の押し付けになったらいけないと、何度も書き直して…。そんなこととちょっとリンクしちゃいました(笑)。

親離れも子離れもしなきゃいけないし、自立もさせなければいけなくて、大好きで愛しているけど、それを言わなくなるのが当たり前にもなってしまうと思うんですけど、それをあんなふうに言えるのは、すごく素敵なことだな、と思いました。

――そんなふうに共感しながらご覧になったわけですね。

共感したり、自分は(子どもを)甘やかしているところがあるな、と反省したり、本当にいろいろな思いになりながら、ナレーションを読んでいました。

ここが大貴さんのゴールではないですし、誰にとっても、どこが人生のターニングポイントなのかは、わからないですけど、改めて自分を省みたり、親子関係を考えてみたりと、いろいろなことを思いました。

<ナレーションの一部をご紹介!>