9月18日(土)、舞台「ブライトン・ビーチ回顧録」のフォトコール・取材会が行われ、今作が舞台初単独主演となる佐藤勝利(Sexy Zone)、松下由樹、入野自由らが参加した。
本作は、アメリカ・ブロードウェイの大御所コメディ作家ニール・サイモンの三部作「ブライトン・ビーチ回顧録」「ビロクシー・ブルース」「ブロードウェイ・バウンド」の1つ。サイモン自身の少年時代を描いたとされ、貧しくもたくましく生きるユダヤ人一家と、思春期のユージンの成長を描いた名作だ。
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佐藤勝利、愛嬌あふれる多彩な表情を見せる
物語の舞台は、1937年9月、ニューヨークのブルックリン地区の南、中流の下の収入の人々が暮すブライトン・ビーチ。人々は、深刻な不況と近づいてくる戦争の足音に、不安な日々を送っていた。
思春期を迎えたユダヤ人の少年ユージン(佐藤)は、父ジャック(神保悟志)、母ケイト(松下)、兄スタンリー(入野)の4人家族。ケイトの妹ブランチ(須藤理彩)が夫に先立たれ、2人の娘を連れて居候している。
ユージンは、野球選手か作家になるのが夢で、毎日秘密の回顧録を書いている。
ユージンを演じる佐藤は、冒頭からエネルギッシュに登場。キラキラした瞳で大好きな野球をしたり、舞台上を元気に駆け回ったりと、思春期ならではのパワーにあふれた少年を、力いっぱい表現している。特に序盤はストーリーテラーとしての役割も担っており、軽妙でユーモアのあるセリフ回し、そして愛嬌あふれる多彩な表情で、観客を物語の世界へ引き込む。
ケイト役の松下は、まさしく一家の“母”のように、共演者6人の体当たりの演技を受け止める。ケイトは身を粉にして働くものの、一家の生活は苦しく、いつヒステリーが爆発してもおかしくないという役どころ。そんなギリギリの心理状態をリアルに演じている。
従姉のノーラ(川島海荷)は、ブロードウェイの演出家に呼び出されて女優になると言い出し、ブランチらと衝突。ローリー(岩田華怜)は病気がちで本を読んでいるばかりだ。対照的な姉妹を演じる2人だが、川島はくるくると表情を変え、岩田も緩急ある演技で繊細な少女を体現。
そしてスタンリーは正義感から同僚をかばい、不況の中で失職しそうになる。この事実を父ジャックになかなか打ち明けられず葛藤を抱えるスタンリーを、入野が確かな演技力で表す。
そんな家族の問題を解決しようとする父ジャックは、神保悟志が務める。一家の大黒柱として威厳を保ちつつも、苦しい経済状況や重労働が重なり、“父”だからこそ感じる苦難を見せる。
性に目覚め、戸惑いながらも成長してゆくユージンの目を通し、家族の姿がユーモラスにあたたかに描かれていく本作。特にユージン役・佐藤の、コミカルでダイナミックな演技が魅力的で、いっときも舞台上から目が離せない。おかしくも温かい青春物語に、期待が高まる。
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