9月10日(金)、映画「ムーンライト・シャドウ」初日舞台挨拶が行われ、主演の小松菜奈、共演の宮沢氷魚、臼田あさ美が登壇した。
この作品は、1989年に刊行された吉本ばなな著「キッチン」に収録されている同名の短編小説が原作。主人公のさつきを小松、さつきの恋人・等を宮沢、さつきを月影現象へと導く不思議な女性・麗(うらら)を臼田が演じる。
<小松菜奈、自身は「とりあえずやってみよう!の直観タイプ。氷魚くんは…」恋人役の宮沢氷魚を語る>インタビュー記事はこちら。
撮影時の印象的だったエピソードについてMCが尋ねると、小松は「楽しかったシーンはジェンガをするシーンですね。あの撮影では、一軒家を丸々借りて、プロの方がピタゴラスイッチを作ってくださって。仕掛けとかもこだわってて本当にすごくて、小さい頃に兄妹でピタゴラスイッチを作ることにもハマっていたことがあったので、プロの人が作るのを見られて夢が叶ったというか。映像で見ても素のように見えて、印象的なシーンでした」と明かした。
MCから「あれって一発勝負ですよね?」と質問が飛ぶと、「何回も撮りました」(小松)、「何時間もやって、だんだん修復作業が早くなってた」(宮沢)、と答えていた。
宮沢は個人的に好きなシーンとして、「ミラーボールで(佐藤)緋美くんが踊るシーン」と挙げ、「こんな長く踊ってたんだ」と語ると、小松も「フル尺だったよね」と相槌を打っていた。また、MCから「セリフがないシーンも多かったですよね」と尋ねられると、宮沢は「僕も多くを語る役ではなかったし、作品を通してもみんなが喋るわけでもなかったので。だからこそ言葉がない中でどう表現するか、気を付けながら演じさせていただきました」と振り返った。
臼田は「みんなのシーン良いなぁと思いながら見てました」と笑顔。「印象に残っているのはさつきの部屋のシーンで、唯一私のセリフが原作にもあるものなので、すごく意味が込められているような気がしました。さつきと顔を合わせてお芝居をするというのも、撮り順的に最初だったので、あの日で決まった気がしています」と語った。また、難しい役どころを演じた臼田は、自分でイメージしたものと脚本でイメージしたもの、監督がイメージしたものが違うと感じたため、「いまだに説明できない役柄だなと思ってます」と微笑んだ。
宮沢氷魚「声をかけられないくらいの緊張感が…」
また、月影現象が起こる川原のシーンについて、小松は「緋美くんと、(中原)ナナちゃんは、12月の撮影で足元が濡れるというすごく寒い状態だったんですけど」と振り返り、「暖かい暖炉を囲みながら、みんなで喋ってました」と懐かしんだ。
すると臼田は「ふたり(佐藤と中原)の足が冷えて、歩くのも大変っていうときに、菜奈ちゃんが、イスを運ぶスタッフと一緒に、『膝掛けかけて』とお母さんのように面倒をみてました。私はずいぶん年上なんですけど、頼りになるなと感じてました」と現場での振る舞いを称賛。小松は「いやいや…」と恐縮しつつ、「あさ美さんがいてくれるとすごく心強くて…」と感謝の言葉をかけると、臼田は「やめてくださいよ〜」と照れていた。
月影現象のシーンで、撮影現場にいた宮沢は「みんなの集中力がすごくて、声をかけられないくらいの緊張感がありました。作品で見ても、本当に美しく映っていて、皆さんの努力の甲斐があったなと思います」と語った。
<あらすじ>
突然訪れる恋人の死をなかなか受け入れることができない、主人公・さつき(小松)の一人称の視点で描かれる、「さよなら」と「はじまり」のラブストーリー。
主人公・さつきの恋人・等(宮沢)は、全てを包み込むような優しさを持つ一方、ふといつのまにか、その場からいなくなってしまうような儚さがどこか漂う。
等のその優しさと雰囲気にさつきは惹かれ、2人は恋人として幸せな時間を過ごしていくものの、等は突然帰らぬ人に…。
映画「ムーンライト・シャドウ」は全国公開中。
配給宣伝:SDP、エレファントハウス
©2021映画「ムーンライト・シャドウ」製作委員会
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