<田津原理音 コメント>

――決勝戦進出が決まった瞬間を振り返ると?

もちろんうれしかったんですけど、めちゃくちゃ泣いちゃったんですよ。それが“うれし涙”ではなくて。今井らいぱちさんやkento fukayaさん、真輝志やソマオ・ミートボール…大阪の“よしもと漫才劇場”からずっと一緒にやってきたピン芸人たちが、1人も決勝に行けなかったんですよ。

みんなの準決勝のネタを見ていて、僕自身も好きなネタやったし絶対に行けると思ったのに。この人たちと一緒に行けないってわかった瞬間、寂しくて悲しくて涙が出てきました。

夏の高校球児の、最後のベンチメンバー発表の瞬間みたいな。「こいつらと甲子園行きたかったな」って。だから、勝手にですけど、僕は「よしもとピン芸人を背負って優勝するぞ」という気持ちになっています。

去年初めて決勝に進んだ真輝志とは「今年は、絶対一緒に決勝行きたいな」って何回も話していて。kentoさんは、3回も決勝に行っているのに、まだ一度も『R-1』で直接対決したことがなく、「今年こそ」と話していて。

もし、決勝のファイナルステージで、僕と真輝志とkento fukayaさんの3人で戦うことになったら、「一生ユニットライブしような」って。「2025っていう名前のユニットライブしような」って約束していたので、余計にこみ上げるものがありました。

――田津原さん自身は、決勝に進む自信はありましたか?

前に優勝したときと一緒で、「これでダメならもうダメだ」と思えるところまでネタを持ってこられた自信があったので、悔いがなかったんですよ。

「余裕で行ったったわ」ではなく、「覚悟が決まっていた」というか。だから、自分の結果にはそんなに驚かず、「あとはやるだけ」という感じでした。

――『R-1』王者としての挑戦となります。今年エントリーを決めた理由は?

僕は、漫才師に憧れてお笑いを始めました。養成所のNSC(吉本総合芸能学院)に入って、漫才師でやっていくためにコンビも組みましたが、4回解散して。

そんなフワフワしているときに出た『R-1』の予選で、ルシファー吉岡さん、マツモトクラブさん、三浦マイルドさん、おいでやす小田さん…おじさんピン芸人のネタを初めてちゃんと見て、めちゃくちゃウケているのを目の当たりにして、「めちゃくちゃかっこいい!」って思ったんですよ。

「俺はこの大会で勝ちたい」「この人たちと戦いたい」と思って、ピン芸人になることを決めました。

僕が優勝したのは芸歴制限があった年なので、(芸歴制限が)撤廃された今、その憧れの人たちと戦えるなら、出るしかないでしょ!それがエントリーを決めた一番の理由ですね。

――ファイナリスト9人を見ていかがですか?

すごく『R-1』って感じですね(笑)。吉住とも「戦わないと」と思っていたのでよかったです。あと僕、友田オレ(23歳)に、勝手に年齢近いと思われていたらしくて。この間、8歳差とわかったときに「すごくがっかりしました」って言われて…いや、知らんがなっていう(笑)。勝手に逆恨みされたという恨みがあります(笑)。

でもやっぱり、この人たちと戦えるというのがワクワクしますね!

僕が憧れた人たちなので、視聴者のみなさんに、僕が一番見てほしい人たちでもあるんですよ。「面白いから見て!」という方々がそろっているので、そういう面でもすごく楽しみです。

――決勝進出者発表会見でも、田津原さんが「R-1は楽しい」と言っていたのが印象的でした。

もう楽しい、ほんまに楽しい以外ない!「出てよかったな」って、めっちゃ思います。

ほかの賞レースと違って、『R-1』って全員違うジャンルなんですよ。僕だったらフリップやモニター、優勝したときはカードを使って。ほかのファイナリストのみなさんも、1人コント、漫談、モノマネ…全員違うものを極めています。

そのすべてのジャンルの“1位”が集まったのが“決勝戦”なんですよ。いわば、グランドスラムですね。ほかに漫才やコントの1位を決める賞レースはありますが、『R-1』はフリップの1位を決める大会でも、漫談の1位を決める大会でも、モノマネの1位を決める大会でもない。

すべてのピン芸の1位を決める大会なんです。だから、面白くない人が出ているわけがない。ファイナリスト9人を見て改めてそう思うので、ぜひ注目して見てほしいです。こんなすごい大会、楽しいに決まっているじゃない!

あと、ピン芸人って、ピン芸めっちゃ好きなんですよ。他人のピンネタ見るのがめっちゃ楽しい。それがなぜかと言ったら、自分じゃできないことをやっているから。僕がルシファーさんのネタをやれって言われても、勝てないとわかっている。

逆にルシファーさんも、僕のネタを作れと言われてもたぶんできない。各々の道を極めている人たちだから、ライバルっていうイメージではないんですよね。

“自分にはできないことをやっている人の大会”という感じで、尊敬のまなざしでしかないんですよ。

ほかの人のピンネタを見て、面白くないと思うことはまずないです。全員が“誰にも負けないところ”を持っている。そんな人たちが一堂に会する大会なので、出場してネタをするのも楽しいし、もちろん見るのも楽しい。だからほんまに「楽しい」でしかないんですよね。

――「これだけはファイナリストの誰にも負けない!」と誇れる強みは?

日常を切り取る「着眼点」。そこに自信があるのと、それを表現するための見た目、パフォーマンス能力があることが武器だと思います。

僕は良くも悪くも“プレーン”で、どこにでもいる見た目なので、見ている方もネタに入り込みやすいと思います。僕がやっていることを、仮にチャンス大城さんがやっても合わないと思うので(笑)。

――優勝したら、なだぎ武さんに続く、『R-1』2冠となります。

僕、どことなくなだぎさんと顔も似ていますよね(笑)?なので、優勝できたら、そっくりそのまま当時のなだぎさんを再現したいと思います(笑)。17年ぶり…長らく2回優勝する人は出ていないので、狙っていきたいです。

――最後に、田津原理音さんにとって『R-1グランプリ』とは?

「原点」です。僕がピンネタをするきっかけになった大会で、出場することによってそのことを思い出させてくれます。『R-1』がなかったら、たぶん僕、芸人やってないので。『R-1』のために芸人人生をささげていると言っても過言ではない。本当に、「原点」です。

田津原理音