伊藤健太郎が“日本一セクシーなお相撲さん”に扮する「両国花錦闘士(りょうごくおしゃれりきし)」の製作発表記者会見が10月21日(水)、都内で開催され、主演の伊藤ほか、大鶴佐助、大原櫻子、紺野美沙子、りょう、演出家・青木豪氏が出席した。
本作は、明治座・東宝・ヴィレッヂという歴史もカラーも異なる3社から、同じ年齢の男性プロデューサー3名が立ち上げた“三銃士企画”第1弾作品として上演されるもので、幅広い層からの支持を受けている人気漫画家・岡野玲子による原作を初めて舞台化。
演出は、歌舞伎の脚本から劇団四季の演出まで幅広く手がける青木豪氏が務め、主題歌を、熱狂的相撲ファンとしても知られるデーモン閣下が担当することも見どころの一つとなっている。
力士であることに高い誇りをもちながらも、美形でやせ型のナルシスト・昇龍(しょうりゅう)を演じる伊藤は「最初にこのお話をいただいた時に、お相撲さんを演じると聞いて、『自分で大丈夫なのかな?』と思ったんですけど、台本を読ませていただいて『なるほどな』と感じました」。
続けて、「この舞台は歌やダンスなど、僕にとってチャレンジになるのではないかという初めてのことがたくさんあるので、そこを楽しみつつ、素敵なキャスト・スタッフのみなさんと、この時期に舞台ができることの喜びを分かち合いながらしっかりと稽古していきたい」と意気込んだ。
そして、伊藤が大銀杏を結い、肩にまわしを担いだほぼ裸のポスターが駅や街なかに貼りだされたことに、当の伊藤は「やめていただきたい」と苦笑し、「友人から『あのビジュアルはスゴいね』って連絡がきまして。撮影はほぼ全裸だったんですけど、顔だけは『ファッション誌を撮っている顔でいてください』と言われ、情緒がグチャグチャだったんですけど、いい反応をいただけているのでうれしい」と笑顔をみせた。
昇龍のライバル・雪乃童(ゆきのわらべ)に扮する大鶴は、「僕が演じる雪乃童という役は、昇龍と性格も体型も両極端なんですけど、稽古や本番で伊藤くんと反発しながらお客さんを惹きつけたいと思います。四股を踏むというのは、邪気を払うという意味があるので、多くの男性キャストと多くの四股を踏んで、ありとあらゆる邪気を払えたら」。
相撲嫌いな相撲記者・淳子役の大原は「脚本を読んだ時から笑いが止まらなかったので、絶対的に面白い作品になる」と自信をのぞかせ、「先日、取り組みを観戦したんですが、そこからファンになってしまいまして、本を読んだり、詳しい友達に話を聞いたりして、勉強をしている最中です。相撲嫌いの記者を演じるのに、どんどん相撲が好きになってしまっていて、まずいなと思っています」とコメント。
相撲部屋の女将・節子役の紺野は「小学生の頃、同級生に『お相撲が好き』って言うと『えーっ、どこが面白いの?』と言われ、肩身の狭い思いをしておりましたが、あれからウン十年。キラッキラの制作陣と演出家の方と、この若い俳優さんが一堂に会して世界初のお相撲エンターテインメントの製作発表を、みなさまの前でできる日がくるなんて、感無量です」。続けて「今回の舞台は、現役のお相撲さんに見てほしい。『お相撲さんでよかった』と思ってもらえる気がします」と、スー女ぶりをのぞかせた。
昇龍を惑わす大手芸能事務所の女社長・桜子役のりょうは、「多くの男性をほしいままにしてきた女性で、とにかくパワフルでクレイジーな人。衣装はマドンナっぽい、ボンデージに近いものを着ると聞いています。パンチのある桜子に負けないくらい、頑張りたいと思います」と、それぞれ作品への思いをアピールした。
――歌やダンスもふんだんに披露されるとのことですが、稽古をしてみての感触を聞かせてください。
伊藤:舞台で歌うのも踊るのも初めてですし、歌に対して強い苦手意識もあったのでいまだに「大丈夫なのかな?」と思っているんですが、音楽自体はカッコよくてロックなんですよね。
個人的にもロックが大好きなので、自分が歌う曲を好きになることが大きなポイントになるんじゃないかなと思いながら、楽しく稽古させていただいています。
――ミュージカルへの経験が豊富な大原さんからみて、今回の音楽はいかがですか?
大原:私もまだまだ経験が浅いのでプレッシャーなんですけど、このキャストの中で一生懸命頑張らなきゃと思っています。私が今回歌う曲の中で、いまだかつて挑戦したことのないジャンルがありまして…ラップを歌うんです。
――ほかのキャストへアドバイスを送るとしたら?
大原:全然わからない…わからないです(と、はにかむ)。
伊藤:大原さんがわからないんだったら、俺はどうしたらいいんですか(苦笑)?
――舞台上でまわし姿を披露することへの抵抗はありませんか?
伊藤:まったくございません!この仕事をしていると感覚がおかしくなっちゃって、あまり恥ずかしいという思いもなくなるんですよ。まわし姿で舞台に立つことは全然抵抗ありません。
――力士を演じるにあたり、体づくりもしているそうですが。
伊藤:もう2週間ぐらいジムへ通っていて、筋肉痛の毎日でたいへんなんですけど、もうちょっとですかね。12月の初日までには、みなさんの前にまわしで立った時に恥ずかしくない体に仕上げたいと思っております。
体重は4㎏ぐらい増えて、今68㎏ぐらいなので、本番までには72㎏までいきます!
――ぽっちゃり力士役の大鶴さんは…。
大鶴:僕は、肉襦袢(にくじゅばん)を作ります。
伊藤:いやいや、それはやりましょうよ!
大鶴:太ってるのが嫌いという力士なので(苦笑)。
――最後に公演へ向けてメッセージをお願いします。
伊藤:「両国花錦闘士」という作品でみなさんの前に立てる機会をもうけてもらったことをうれしく思っております。脚本を読ませてもらった時に歌やダンスのほか、笑ったり、心が温かくなったりなど、エンターテインメントのオモチャ箱みたいだなと感じました。
非現実的な体験を提供できるものを作らなきゃいけないと気合が入っておりますので、テーマパークに行くような気持ちで来ていただけたら。みなさんとお会いできる日を楽しみに待っております。
「両国花錦闘士」
【東京公演】2020年12月5日(土)~23日(水)明治座
【大阪公演】2021年1月5日(火)~13日(水)新歌舞伎座
【福岡公演】2021年1月17日(日)~28日(木)博多座
©2020「両国花錦闘士」
会見写真撮影:田中亜紀