小栗旬と星野源が、10月22日(木)に都内で開催された映画「罪の声」の公開直前イベントに、土井裕泰監督と共に登壇。声診断をされ、2人の内面が浮き彫りになった。
本作は、2016年「週刊文春」ミステリーベスト10で第1位を獲得し、第7回山田風太郎賞を受賞するなど高い評価を得た塩田武士の同名小説を、「いま、会いにゆきます」「麒麟の翼」「ビリギャル」など大ヒット作を次々に生み出してきた土井監督、『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』『MIU404』(共にTBS系)を手掛けた野木亜紀子の脚本で映画化。
原作小説は、フィクションでありながら、日本中を巻き込み震撼させて未解決のまま時効となった大事件がモチーフ。綿密な取材と着想が織り混ぜられ、事件の真相と犯人像に迫るストーリーが“本当にそうだったのではないか”と思わせるリアリティが大きな話題を呼び、現在、累計70万部を突破している人気作だ。
未解決事件の真相と謎の犯人グループを追う主人公の新聞記者・阿久津英士を小栗が演じ、幼少期の自分の“声”が事件に使われていたことを知ってしまう、もう1人の主人公・曽根俊也を星野が演じている。
本作では“声”キーワードになるが、自身の声について聞かれると、小栗は「いい声してるなと思いますね」と言いながら爆笑。
星野は「さすが、小栗旬」と言い、自身の声については「僕はこの5年くらいでやっと(自分の声を)好きなりました。高くてハリのある声に憧れがあったので、僕のボソっとした低めの声がそんなに好きじゃなかったんです。歌やお芝居をする中で、褒めていただくようになってから好きになりました」としみじみと打ち明けた。
また、9月29日に行われた完成報告会時の小栗、星野、土井監督の声を事前に声診断し、発表することに。
声診断とは、それぞれの声の周波数を音階に分類して分析。その人がどんな思いを秘めているのか、どんな考え方を持っているのかという、内面・思考をひも解き、さらにその声が周りにどんな影響を与えているのかも分かるという。最近では、「音声心理学」とも呼ばれ、企業や教育現場での研修、歌手や声優の自己分析やレッスンなどにも取り入れられ、注目を集めているとも。
まずは、小栗の診断結果から。「バランスがとれてる波形。こういった状態の時は、運気もよく、思ったことが実現しやすい状態でもある。鋭い洞察力、観察力で全体を俯瞰(ふかん)でみることができ、そのビジョンに基づき、よりよい方向に変革していく能力も高い。監督やプロデューサー、経営者など、作品をクリエイトするポジションにも向いています」という結果がでると、小栗は「とてもいいですね。よかったです」とうれしそうな表情。
それを聞いた星野も小栗を「現場を見渡してる。数々の座長経験があるからそういうのを感じますね」と、小栗の診断結果に同意。土井監督も「プロデューサーぽい視点がある」と絶賛した。
一方、星野は「自分という唯一の世界観を武器にして、コツコツ積み上げていくことのできる性質を持っています。何気ない日常から感性を拾い上げることのできる豊かさ、本能を大切に生きることのできるバイタリティを持っています。冷静な面と情熱的な面をバランスよく兼ね揃えている万能タイプ」との診断が。
星野は「『そうなんですね』という感じで、予想外」と口にし、「自分の中では勘で生きてるので、万能タイプと言われたのは初めてですね」と結果に驚いた様子。
小栗は星野の結果について「生活の中から感性を拾い上げてる感じはする」と共感し、土井監督も「星野さんの作る歌詞や文章は、常に生活の中から生まれてる感じがするので、同感しました」と納得。また、「(ライブで)5万人のお客さんの前に立ってる姿と普通にいる姿が、自然に共存していて、すごいなと思います」と星野の魅力を明かした。
そして、土井監督は「愛の人」との診断が。「人と関わり、人と人をつなぐことによって、よりその人本来の持ち味を引き出す才能に優れてる。持前の愛のエネルギーで、人に気付きを与え、世の中に光を当てる作品を生み出す力がある。これからの時代に必要な無から有を生み出すメッセンジャーです」との結果に、土井監督は「うれしいです。ありがとうございます」と恐縮。
小栗は「(土井監督の)愛の人は分かりますね」と結果に納得。また、「現場で土井監督の愛に包まれながら作品を作っていった感じがしますね」としみじみ明かし、星野もそれに同意していた。
最後には3人集まった時のバランスも分析され、「バランスがいい。本質を見抜く目と社会を変えていく変革能力がある。3人のバランスもよい」と、良いチームワークが声からも判明した。
声診断の結果はシチュエーションや話す相手で変わっていくため、自分自身の意識で変えられるそう。そこで、最後には2人がいい声で観客に思いが届くように映画のPRをすることに。
波形がバランスよい声を「フルボイス」と呼び、そんな人に対する深く感銘を与えて心を動かすことができるフルボイスを届けられるよう、音声心理学に長けた中島由美子先生が登場し、2人にレクチャーを。
中島先生は小栗に対して、「ストイックな方で自分自身に厳しい方。フルボイスにするためには、まずは自分に優しくすることを習慣にしてほしい」とアドバイス。
星野には「目の前のことに全力投球で、瞬間瞬間を精いっぱいいきるタイプ。なので、常日頃から未来の自分をイメージするとフルボイスになれる」と伝え、2人に「本気で心の奥にある魂に、本気の愛を込めて、話していただけるとフルボイスになる」と助言した。
最後には、小栗が「愛に溢れた監督が撮った、愛についての物語ですので、僕たちが作った『罪の声』の愛を受け止めてほしい」と“愛”をキーワードにアピール。
星野は「1年半以上前に撮影して、コロナ禍になって、公開できるか不安な日もありましたが、こうやって見ていただいて本当にうれしいです。全国の劇場が満員になる姿が見えますので、ぜひ見て下さい」と呼び掛け。
結果を見ると、2人のも声診断がほぼフルボイスに近い感じになっていて、星野は「相当、愛がありますよ」と笑い、小栗も笑いながら「愛に溢れてる」と笑顔を見せていた。