『罪の声』初日舞台挨拶が10月30日に都内で開催され、小栗旬、星野源、松重豊、市川実日子、土井裕泰監督が登壇した。
「初日を迎えられてホッとしています」
本作は、2016年「週刊文春」ミステリーベスト10で第1位を獲得し、第7回山田風太郎賞を受賞するなど高い評価を得た塩田武士の同名小説を、「いま、会いにゆきます」「麒麟の翼」「ビリギャル」など大ヒット作を次々に生み出してきた土井監督、『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』『MIU404』(共にTBS系)を手掛けた野木亜紀子の脚本で映画化。
原作小説は、フィクションでありながら、日本中を巻き込み震撼させて未解決のまま時効となった大事件がモチーフ。綿密な取材と着想が織り混ぜられ、事件の真相と犯人像に迫るストーリーが“本当にそうだったのではないか”と思わせるリアリティが大きな話題を呼び、現在、累計70万部を突破している人気作だ。
未解決事件の真相と謎の犯人グループを追う主人公の新聞記者・阿久津英士を小栗が演じ、幼少期の自分の“声”が事件に使われていたことを知ってしまう、もう1人の主人公・曽根俊也を星野が演じている。
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今回は、全国111館の劇場と生中継でつないで開催。会場に集まった観客の拍手をあびながら、小栗は「ありがとうございます」と爽やかな笑み。また、「全国で観てくれてる人たちもいるのかな?」と中継用のカメラに向かって手を振り、「初日を迎えられてホッとしています。多くの方たちに作品が届くのをうれしく思っています」とあいさつ。
また、映画館で観客の顔を見て舞台挨拶をするのは久々になるが、「非常にうれしいですし、映画が出来上がると、こういうことを当たり前にさせてもらっていましたが、今はなかなか当たり前じゃないこと。ここにたどり着けてよかったです」と感謝。
星野も会場や中継用のカメラに手を振りながら、「すごくうれしいです。映画館でお会いするのは本当に久しぶりですね」と笑顔を見せた。
野木の脚本について聞かれると、小栗は「原作がものすごく分厚い作品。そのテーマや伝えたいメッセージが抜け落ちずに、2時間20分という世界に収めたことは、野木さんの手腕だと思います」と感想を。
一方、星野は今年だけでも本作、『MIU404』、撮影中の『逃げるは恥だが役に立つ スペシャルドラマ』(TBS系)と野木脚品作品に3本関わっていることにふれ、「ずっとお世話になってます。原作をどういう風に野木さんワールドにするのかすごい楽しみで。いろいろな要素が原作にありますが、その中でここをチョイスしてくるんだというのが、脚本を読んで初めて思ったこと。すごいと思いました」と野木に尊敬の念を寄せた。
撮影中のエピソードにも言及。松重が「小栗くんをはじめ、男ばっかりで全然楽しくなかった」と愚痴ると、小栗は爆笑しながらも「楽しかったですよ」と応戦。また、「松重さんとは定期的にお仕事をさせていただいて。安心して一緒にお仕事させもらえる先輩ですね」と松重に感謝した。
一方、星野は夫婦役を演じた市川との共演を「すごく楽しかったです」と言うも、「正直、撮影がすごく前であんまり覚えてなくて」とぶっちゃけ。市川はそれを聞いて爆笑しながらも「一緒に歌を歌いました。動物園のシーンで、荒井由実さんの歌を歌いながら歩きました」と撮影の合間でのエピソードを披露した。
「すぐ目がハートに…」
イベントでは、未解決事件をベースにしていることもあり、「自分の未解決なことや解決したいことは?」という質問も。
星野は、「今、撮ってる作品があるんですけど、そこでとあるダンスを踊らないといけないんですが、それが全然覚えられていなくて。数日後に撮影がありますが、覚えが未解決です。ダンスは前と同じなんですが、ちょっと増えているので練習しないとけない。家でビデオを見ながら寝ずに練習します」と告白。
松重は、泥棒に入れられたことがあると言い、「警察がきて、僕の指紋をとっていって。僕の指紋は政府に登録されているので、僕は犯罪を犯せません。犯人はいまだに捕まっていないので、なんとかしてほしい」と嘆いた。
小栗は「今、解決したいことは、なんでこんな厚い上着を着てきたかということ。ものすごい暑い。暑さで倒れそう」とぼやき。
市川は星野が娘役の子役に人見知りしていたエピソードを明かし、その真相を星野に問うと、星野は「いつも思うのは、子役の子にすぐいける人もいるけど、仕事相手なのになんで舐めた感じでいけるんだということ。普通に大人として接すればいいのにと思っていて。自分の中では『どうも』くらいのイメージでした」と説明。
その子役は小栗にはすぐ打ち解けていたそうで、小栗は「本当にかわいい子でした」と口にすると、星野は「旬くんを見たときに、すぐ目がハートになってた」と明かし、小栗を話わせていた。
最後に、星野は「早速、友達から『観たよ』と連絡もきて、すごくうれしいです。昔の事件を扱っていますが、塩田さんが生み出した描いたフィクションは、すごいアイデアだと思いました。自分の近くの人にこんな危機が訪れたらとか、いろんなことが考えられる作品で、自分の中で大事な作品になりました」と熱く語り、小栗は「ちょっと怖い映画だと思っている方もいるかもしれませんが、決して怖い映画ではないです。時間を感じさせない作品なので、ぜひ楽しんでください」と笑顔でアピールした。