8月3日(火)、映画「うみべの女の子」の公開記念舞台挨拶が行われ、石川瑠華、青木柚、ウエダアツシ監督、原作者の浅野いにおが登壇した。
漫画家の浅野は、17歳でデビューし、一見ありふれた日常の表と裏を斬新な手法で描いてきた。2009年に発表した「うみべの女の子」は、「思春期」「恋」「性」といったセンシティブな題材に真正面から挑んだ作品として、今なおファンの間で高い人気を誇っている。ウエダ監督が企画会議に原作を持っていってから、5年の月日を経て、映画が完成した。
海辺の小さな街で暮らす中学生の小梅(石川瑠華)は、憧れの三崎先輩(倉悠貴)に手ひどく振られたショックから、かつで自分のことを「好きだ」と言ってくれた、内向的な同級生・磯辺(青木柚)と関係をもってしまう。やがて磯辺を恋愛対象とは見ていなかったはずの小梅は、徐々に磯部への思いを募らせるが…。
8月20日に公開を控え石川は、「(会場の)新宿武蔵野館に私は通っていた身なので、こうやって舞台挨拶が出来てうれしいです」、青木は「まだ公開日ではないんですけど、無事にこういう機会を迎えることができてとても幸せに思っています」と挨拶。
浅野は「あまりこういう場所に出る立場の人間ではないので不慣れな点もあると思いますが、よろしくお願いします」と会釈。また、今回の映画が「ソラニン」以来、11年ぶりとなる映画化のオファーについて、浅野は「原作自体が10年前に連載していた漫画で、この10年間、実写化の話が来ることはありませんでした。内容的にも、過激な部分があるので、あまり期待はしないでいたのですが、妙なタイミングで映画化の話をいただきました」と振り返った。
さらに「ウエダ監督とは同世代だったので、今まで見てきた景色が同じだったり、作品を尊重してくれているという印象を感じたので『お任せしても大丈夫かな』と思えました」とオファーを受けた感想を語ると、ウエダ監督は「ありがとうございます」と頭を下げた。
また、オーディションにも参加した浅野は、青木の印象について「オーディションの前から青木さんの情報はもらっていて、正直『青木さんじゃないと成立しない』というのが前提にあったんです。なので、青木さんにやってもらえるとなったときにすごく安心しました」と明かすと、青木は「マジか、マジか…」と照れた様子を見せた。
さらに、小梅役に関しては「結構、難航してて…。石川さんだけその日都合が合わなくて、別日のオーディションだったんですね。オーディションの日、会場に向かう際ビルのエレベーターに乗るときに、僕の前に制服を着た小さい女の子がいて。『なんでこんなビルに中学生が来るんだろう?』と思いながらも、一緒に乗ったんですよ」と語ると、石川は「私、それ覚えてなくて。違う人なんじゃないかな…」と指摘。すると浅野は「いやいや、絶対そうだよ(笑)。それくらい役どころとして一致している感じがして、多分満場一致で『この人しかいない』という感覚があったと思うので。そこも救われた部分だなと思います」と思いを語った。
映画「うみべの女の子」は、8月20日(金)より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで公開。
© 浅野いにお/太田出版・2021「うみべの女の子」製作委員会
配給:スタイルジャム
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