<コラム>『推しの王子様』第3話
ちょっと!ちょっと!!今年度「ポッと出イラっとキャラ大賞」のノミネート争い、熾烈過ぎません!!??
前回、鮮烈な印象(水差しの水全量ぶっかけられる)を残しフェードアウトしていった(かどうかは不明だけど)イノウエくん(池田良)…。今週はもう登場しないのかな…そうだとしたらなんて寂しすぎる…、あんなにイラっとしたとはいえ、イノウエくんのいない『推しの王子様』なんて…とかなんとか思わせる間もなく(思ってないんかい!)登場した、漫画からそのまんま飛び出してきたかのような、THE七三メガネの小島(竹森千人)…の隣に、突如現れた部長(どこの部長だよ)野島の、「一個だけよろしいですか?…リクープまでがやや遅すぎる印象がありますね…」(“リクープ”は、出資した金額を回収するという意味だそうです…って知らない僕が無知?日本語で言ってくんない?)から始まる、おっと!腰巾着感凄まじい小島(ひどい)とはずいぶん違う、なんだかキレモノな奴、野島ってのが現れたぞ…、っと思いきや、よくよく聞き返すと、とりあえずカタカナ言葉使っとけば丸め込める風、“遅すぎる”とか言うくせに“やや”をつけちゃうどっちやねん、極めつけは“一個だけ?”を、不敵な笑みと共に連発させる地獄…。むむむ、手強い、野島、ある意味手強い…。そして、こういう奴いる!!一見キレモノなんだけど、それは風(ふう)で、雰囲気なだけで、その雰囲気のみで押してきて、マウントとってきて、いつの間にかのまれちゃう、そんな奴…いる!リアルな世界にもいる!!…こいつは手強い…手強すぎるぞ野島!…“感情的”、それ一辺倒だったイノウエくんとは角度が違う!!手強いやつが現れたぜ…そら社長の泉美(比嘉愛未)だって押されちゃうよね…っていうか、一瞬の登場であるにも関わらず視聴者をやたらとイラつかせる=ポッと出イラっとキャラ生み出すの、このドラマうますぎない!?野島、お前…「ポッと出イラっとキャラ大賞」ノミネート確実だぜ…(あ、もちろん、そんな賞ないよ)。とか思ってたその次のターン…中島!木島!!島!!!という見事な三段オチフィニッシュ!見事過ぎる!!!中島…、木島…と来たもんだから、一番左の、三人目のこいつは、このボストンメガネ野郎(言い方)は〇島なの!?〇島だっていうの!!??って期待が膨らみに膨らんだ末に待ち受けていた…「(散々振りの間を作っときながら)…あ、申し遅れました。広報戦略室担当、“島”でございます。」…(爆笑)…、島、一文字かーーーーーい!!…この会社、“島”ディストピア(※)かーーーーい!!…「ポッと出イラっとキャラ大賞」熾烈過ぎる!!これはもう、“島”ディストピア全員まとめてノミネートでよろしいですよね?(知らんがな)…で、んなこたいいとして(いいんかい!)、これまでずっとスルーしまくってたけど、顔の圧と存在感が異次元の、船越英一郎さんが演じる、ランタン・ホールディングス代表取締役社長の、その方の、お名前が、“水嶋”!!!という事実!!!ただの島じゃない!!!一般社員たちの“島”とは一線を画す(他の“シマ”たちが、実際“島”という漢字なのかは不明だけど)、山冠の嶋という事実!!!で、そこから、なぜだかわからないけれども感じとられる、恐怖…。“島”ディストピアの王に君臨するのが、山冠で、嶋で、船越英一郎さんという大恐怖!!!(意味不明)ディストピアーーーーー!!!!(気に入りすぎ)
(※)ディストピア…逆ユートピア、反理想郷、暗黒世界
っと、毎回毎回、一点集中の、本筋じゃない部分に興奮しすぎて、そこばっかりに字数を費やしてしまい大変申し訳ございません。でもさ、あの“島”三段オチ、視聴者全員、爆笑したよね!?で、船越さんの、水嶋社長の…嶋!?って、わざわざ自伝本まで用意して、そのお名前を違和感なく意味ありげに提示するもんだから、え?!嶋!?って、視聴者全員、戦慄走ったよね?ね!?ね???(しつこい)
っというわけで(?)、こうも毎回一点集中のことばっかり書いてると、さてはコイツ…、物語全体にはハマってないんじゃないか?とか、そういう邪推がされそうですが…。まったくもってそんなことありませんよ!?だってさ!今週も、素晴らしいストーリーラインだったじゃん!!!
前回、“何者かになること”と“何者かで居続けること”、その大変さってのを痛感するも、まだまだ“働くこと”に対して真摯に向き合えない航(渡邊圭祐)の、「(会議での会話が“難解”過ぎて)もう外国かと思った」から始まる、彼の、新たな成長を描いたお話…だったわけだけど、その“難解”って部分…。
航が社内の会議でちんぷんかんぷんになってしまう様子とか、さっきの“島”ディストピアにて、様子見しあうビジネスマンたちの調整やコミュニケーションの、“難解さ”ってのをコミカルに描く…なんてことをさりげなくしながら、着地点となる物語のオチが、航が、学びによって得たこと…、それは“難解”なことではなく、単純で当たり前だけれど忘れてしまいがちなこと…、“(人やモノの)知ることの大切さ”によって大団円を迎える…っていう美しい構成!!で、しかも、それは全部航のおかげ…ってわけじゃなくって、航が蛍光ペン引いてくれたとこじゃない、泉美も自分自身で導き出してた…っていう、なんて微笑ましくって、気の利いた大オチ付き!!
で、しかもしかもですよ。その蛍光ペン引いてた本…ってのが、“島”ディストピアの恐怖を知ることとなる、水嶋社長の自伝本だってこと!!!何から何まで、丁寧に繋がってる!!(そこは僕の妄想が凄いけど)
で、最後に、今週のおディーンのフジオカさま(その言い方やめれ)。今回の大切な大切なお言葉(=セリフ)聞いた!?…「(航に)モテるでしょ?ぶっちゃけ…ワンナイトとかあるんじゃない!?」っていうあのお言葉!!
どう考えたって、それ、普通の上司が言ったら、唐突すぎだし、セクハラだし、そのセリフの意味としても、泉美が“あの一件”を思い出し慌てさせる…誘い水的効果と、その言葉きっかけで、インターンの古河ちゃん(白石聖)との新たな三角関係を予感させる…次週へつなぐきっかけとなる…、そんなセリフ…、にすぎなかったわけだけど、わたくしたちの、おディーンのフジオカ様が演じる、ミッチーがそのセリフを放ってごらんなさい?ほらどうでしょう?…「ワンナイトラブ」…という、おディーン様には似つかわしくない、超チャラワードにも関わらず、ワン…ナイト…一(ひと)…夜(よ)…、種の保存、生命の誕生、アダムとイブ…(ってもうそれ言いたいだけ)、って、そういう可能性まで感じない?荘厳さを感じない?そして「ワンナイトラブ」だなんて、何でいきなり、そんなのぶっこんでくるの!?そこにはどんな意味が込められているの!?そこにどんな壮大な関係性が待ち受けてるの?って、ラブコメの三角関係が、単なるそれではなく、なんだかとてつもなく壮大なもの…それが何なのかは、全然わからない…んだけど、壮大な何か…感じさせない!ああもうつまり、普通の三角関係のラブコメとして見ることは不可能!!ってこと!!(僕、大丈夫かな?)
text by 大石庸平(テレビ視聴しつ 室長)