7月27日(火)、縦型動画プラットフォーム「LINE NEWS VISION」2周年記念作品、縦型ミステリードラマ『上下関係』完成披露発表会が都内で行われ、窪塚洋介、河合優実、大島優子、降谷建志、田中麗奈、でんでん、板尾創路、柿本ケンサク監督が出席した。
LINE NEWSの動画プロジェクト「VISION」は、スマートフォンに特化した新たな映像表現を目指し、LINEアプリの「ニュースタブ」内に掲出される縦型動画コンテンツ。
スマートフォンで視聴することを想定し、縦型に特化した映像や、窪塚にとって19年ぶりの主演作ということで大きな注目を集めている。
物語は、上下関係に厳しい田舎から上京した本田小夏(河合)が一人暮らしに選んだアパート・メゾンピルグリムに住む、クセのある下層の人間たちとの間で起こる不可解な事件を通し、アパートに隠された謎、そして、さまざまな上下関係が浮き彫りになる新感覚ミステリードラマで、7月30日(金)より毎週金曜日、各話10分で配信される。
前列左から大島優子、窪塚洋介、河合優実、降谷建志
アパートの屋上にソファを置いて、優雅に過ごしているカワサキというキャラクターの役作りを問われた窪塚は、「特殊なポジションで、わりと古風なしゃべり方や含みのあるセリフが多かったので、そういうところを自分自身となじませて演じました」と説明。
そんな窪塚と、売れないバンドマン・豊田を演じた降谷はプライベートでも親交のある間柄。降谷との共演に、「2017年にバディものの映画を一緒にやって仲良くなって、『10年ぐらいごとに仕事できたら楽しそうだよね』って言ってたんですけど、4年しか経ってなかった(笑)」。
続けて、「安心感があるし、お世辞抜きにめちゃくちゃカッコいい。建志くんのカッコよさが際立っている作品になっているので、(ミュージシャンとしての降谷の)ファンの皆さんも楽しめるんじゃないかな」と絶賛した。
さらに、そんな窪塚、降谷との共演に大島は「憧れの2人なのでお会いすることを楽しみにしていたんですけど、残念ながら共演シーンがなくて。でも、ポスター撮影で全員集合したときに作品のことや役柄への思いを聞いて、気持ちの高め合いができた瞬間を感じた。そこから2週間ぐらいはずーっと心がハッピーでした」と喜びをにじませた。
また、降谷は今作において、路上ライブシーンにも挑戦。撮影時のことを聞かれると「ゲリラ的に撮影をしたので、車の中でパッと着替えて『いきましょう』みたいな撮影だったんですけど、駅前でサビまで歌ったら“ムムム”みたいな空気になってきちゃって、急いでギターをしまって見上げたらスタッフがひとりもいなかった」と、不穏な空気を察したスタッフに置き去りにされた、ちょっぴり悲しいエピソードを明かした。
また、作品のタイトルにちなみ「上下関係と聞いて思い浮かべる人物は?」という質問が。
でんでんは「メダカ。観賞用に飼いだしたんですけど繁殖力がすごくて、水槽の掃除や水草の世話をして、メダカの下僕となっている」と苦笑い。
田中は「『子』。私はオリンピックを見たいのに、娘が手を引いて冷蔵庫の前に連れていき、席を立たなければいけない用事がどんどん出てくるので、上下関係をつくられている」。
板尾は「『二階幹事長』。飛行機で隣に座ってはったんですけど、席を立った瞬間に5人ぐらいの大男がバババッと近づいてきて、ガードされながら颯爽と出ていき、謎の出口にスーッと向かわれました。僕らとの上下関係があるんだな』と、自由民主党の二階俊博幹事長と遭遇したエピソードを回顧。
降谷は「バンドマンなので上下関係があまりない社会に属しているんですけど、山嵐というバンドが年齢もキャリアも自分の一つ上で、同世代では唯一敬語を使う先輩」。
河合は「中学のバスケ部の顧問だった笹井先生。私は副部長をやっていたんですけど、上下関係とは何か、(部員を)まとめるというのは寄り添うことだと教えてくれた」。
大島は「逆に上下関係がないものを選びました。オリンピックのいろいろな競技を見ていて、“シェアハピ”なところがいいなと思ったので、『スポーツ選手』」と説明。
窪塚は「Rock Star」という文字の下に矢印を書き、「2つとなり」とアピール。降谷が「小生ですか?」と驚くと、「よく考えたら建志のほうが一つ上なんですけど、ちょいちょいタメ口ですみません」とイタズラっぽく謝罪。
そして、「上下関係が身についちゃているみたいなところがあって、かといって、年下に対しても『上からいこう』とは思わない。敬意をもって誰とでも接したい」とそれぞれの“上下関係”について話した。
最後に窪塚は、「今、世の中、特にwebの中はそうだと思うんですけど、行き場のない欲望、嫉妬心、自己顕示欲が渦巻いている。今回の出演者はそれぞれが素晴らしく、大島さんは色気がある自然体の女性を演じていてビックリした。でんでんさんは説明不要の不穏な感じをいっぱい出していて、田中麗奈ちゃんは、気がついたらお互いこんな年になっていた。板尾さんは素晴らしく、建志くんはカッコいい。そんな人たち全員の相手をしてくれた河合ちゃんも素晴らしく、みんな違ってみんないい」
「そういうふうに上とか下とかじゃなく、自然とわいてくる敬意みたいなものでお互いがつながり合えたら。まだ会っていない、webの向こう側にいる人にもそんな気持ちで生きていけたらいいなと改めて思いました。この作品がそんな世界をつくる一条となったら」と、窪塚流のメッセージを送っていた。