心に潤いとトキメキを与えてくれるようなイケメンを紹介する、「眼福♡男子」Vol.66は、池田純矢(いけだ・じゅんや)が登場。

上演中の舞台「エン*ゲキ #05『-4D-imetor』」で、脚本・演出・出演を担当する池田のインタビューを前後編でお届け。前編では、作品の制作過程や稽古場の様子を明かしたが、後編では、とにかく“仕事好き”な素顔や、今後やってみたいことなどを聞いた。

──役者としてさまざまな作品に出演している池田さんですが、脚本の執筆や、演出を始めたきっかけは?

本当に自然な流れでした。2015年に上演したエンゲキシリーズの第1弾(朗読劇「エン*ゲキ#01『君との距離は100億光年』」)のとき、もともと映画でスケジュールが半年取られていたのですが、その映画の撮影がなくなってしまったんです。それでポンッと半年のスケジュールが空いてしまって。何か他に芝居の仕事ができないかなと思ったときに、「自分で作ればいいんだ」と思ってスタートしたことが始まりです。

そこからスタッフさんに相談して、やろうということになって。始まってからは紆余曲折もちろんありましたけど、気づいたら規模が大きくなっていったというような感じですね。

──そこから役者以外に、脚本家、演出家としての活動が始まったわけですね。当初、同時進行でやることに不安などはありませんでしたか?

脚本家脳と演出家脳と役者脳と、もちろん役割分担は頭の中でしているんですけど、でもその根本は全て一緒であると思っていて。ただ、表現方法が違うだけ、という。

例えば、脚本家は自分の体ではなく筆に思いを乗せて表現する。演出家は自分の体ではなく人の体や声、舞台セット、音楽、照明、音響などを使って表現する。役者は自分の体を表現する。要は、出力方法が変わるだけで、根本にあるのは「表現」ということに変わりないから、すごく自然な流れで走り出したし、今もやっていてなんの無理もないですね。

──作品のアイデアを思い浮かぶのはどんなときですか?

本当に、ふとしたときですね。でも、常々「面白いことないかな」と何かしら考えています。あとは、とにかく学問、とくにアインシュタインが大好きで、歴史も美術も数学も好きなので、勉強をする中でアイデアが思い浮かぶこともあります。

学問って、しっかりと勉強してみないとわからない面白さがあるんです。難しくとらえられがちなものを、誰かに面白おかしく伝えるためには、どうすれば…ということも常に考えていますね。

人に「こんなものがあるんだよ」って伝えるときって、ワクワクしませんか?僕は、仲間に自分が面白いと思うアイデアを発表する時が、すごくうれしいし、大好きなんですよね。

──そうすると、日々頭をフル回転させている感じですよね?

そうですね。街を歩いていても、変なビルを見つけると、「変なビルだな」と思うだけではなくて、「これ、誰が建築したんだろう」「いつ、どういうふうに作られてたんだろう」「なんでこういう形にしたんだ」と思って調べたりしています。だから、ずっとネットサーフィンしていますね。

──そんな、常に考え事をしている池田さんの息抜きはなんでしょうか?

なんだろう…。それぞれの仕事が息抜きでしょうか。僕の場合、脚本の執筆がはかどるときって、忙しいときなんですよね。この間は、映画の撮影現場にパソコンを持って行っていたのですが、カットがかかるたびにパソコンを広げて脚本を書いて、撮影に呼ばれたらそっちに行って芝居をして…ということをしていました。

脚本を書くことが役者の自分にとっては息抜きだし、芝居をすることが脚本家の自分にとって息抜きになっているんですよ。基本的に僕は、仕事しかないんです(笑)。でも、それが自分の中にいるお互いにとってストレスの緩和になっていて、いいバランスで仕事ができているなと感じています。

──企画タイトルにかけて、池田さんにとって“眼福”なものは?

ラーメンですね。豚骨を炊くところから、家でよく作るんですけど。寸胴でゴトゴト8時間煮込んで。脚本を書くとか、いろいろパソコンの作業をするだけの自宅作業の日は、ただ仕事していてもつまらないから、ラーメンを作っています。

そういう日に一番いいのがラーメン作り。朝から、場合によっては前日の夜から仕込んで、夜ご飯のために作るんですけど。…たぶん、同時進行が好きなんですよね(笑)。

──豚骨が一番得意ですか?

一番スペシャリティは、鯛塩ラーメンですね。鯛の兜を使って、じっくり出汁を取るラーメンなのですが、かなりおいしいです。店を出したら行列ができちゃうだろうな(笑)。

──それだけ突き詰めているということは、これも表現の一つといった感じでしょうか?

そうですね。自分が”うまい”と思うものを表現しているだけだから、料理も役者と根本は一緒なんですよ(笑)。

人を楽しませたいという気持ちというのも、役者と通じるところがありますね。自分が作ったラーメンを家族が「おいしい」って言いながら食べているのを見るとやっぱりうれしいですし。「自分を表現する果てに喜びがある」というのは、すべてにおいて理想ですね。

──今後やってみたいことは?

それこそラーメン屋さんを出したいなと思います(笑)。あとは、映画監督まだやったことがないからやりたいですね。近々のことで言うと、今、連ドラの脚本を書かせていただいています。これは自分にとっては新しいことですし、どんどん新しいことにチャレンジしていきたいですね。

──では、舞台の見どころを含めまして、読者にメッセージをお願いします。

「エン*ゲキ #05『-4D-imetor』」は、アトラクションエンターテインメントと名付けているのですが、ジェットコースターのように目まぐるしくエンターテインメントが散りばめられた舞台になっています。おそらく、新しいと感じていただけるものになっているのではないでしょうか。

きっと飽きることなく最後まで見て、見終わったあとにはスカッと気持ちよく、「あ~楽しかった」と思ってもらえる自信があります。遊園地やそういう場所に遊びに行くような感覚で観劇していただけるとうれしいです。

そして僕自身は、これからも生きたいように生きていきますので(笑)、どこかで皆さんと袖が触れ合えたらいいなと思っております。

撮影:河井彩美