心に潤いとトキメキを与えてくれるようなイケメンを紹介する、「眼福♡男子」Vol.66は、池田純矢(いけだ・じゅんや)が登場。

2006年に行われた「第19回ジュノン・スーパー・ボーイ・コンテスト」で準グランプリを獲得し、デビュー。『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』(フジテレビ系)、『海賊戦隊ゴーカイジャー』(テレビ朝日系)などドラマ出演のほか、テレビアニメ『あんさんぶるスターズ!』や劇場アニメ「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆」などで声優を務め話題を集める。

ドラマや映画、舞台へ出演しながら、2015年には朗読劇「エン*ゲキ#01『君との距離は100億光年』」で初めて脚本・演出を担当し、以降シリーズ化。8月5日(木)からシリーズ5作目となる「エン*ゲキ #05『-4D-imetor』」の上演がスタートする。

「エン*ゲキ #05『-4D-imetor』」は、量子力学をテーマにした謎解きミステリー。テレポーテーションのように突如現れた記憶喪失の少女・ノア(生駒里奈)と、首相官邸で起こったテロ事件の謎を研究者・渡来暦(池田純矢)が解き明かす。

稽古真っ最中ながら、写真撮影では独特の雰囲気をかもし出し、さまざまな表情を見せてくれた池田へのインタビューを前後編でお届け。前編は、「エン*ゲキ #05『-4D-imetor』」について。

公式Twitterなどからも伝わる和気あいあいとした雰囲気の稽古場の様子や、作品への思いに迫る。

──まずは、この作品を作ろうと思ったきっかけをお聞かせください。

僕はもともと勉強というか、学問がすごく好きで、子どもの頃からいろんな本を読んでいました。その中でも、相対性理論で有名なアインシュタインという人に恋焦がれていて。彼の影響で光子力学、量子力学という分野にすごく惹かれて、独学で勉強をしていました。

17歳ぐらいのとき、小説の原案になるようなプロットとして、量子力学をテーマに、四次元とかそういう世界を紐解く話を書いていたのですが…力不足で当時は小説にすることができなかったんです。物語とも呼べない、ただのアイデアノートみたいな形でしたが、そのまま保管していました。

それで今から2年半ぐらい前に、「さあ、エンゲキシリーズの5作目は何をやろうかな?」と思っているときに、ふと、その10年前のファイルに目が留まって。作品と目が合ったような感覚だったんですよね。「もしかしてこれは、今やれということなのかな?」と感じて、あの当時物語にすることができなかったけど、今の自分だったら何かしら形できるんじゃないかという思いで脚本を書き始めました。

──すぐに脚本を書けましたか?

いやもうね、秒で出来上がったんですよ(笑)。ネタはこれにしようと決めてから、たぶん1ヵ月もかからず脚本は書けていました。

そして、量子力学がテーマということもあり難解な部分があるのですが、そこは今稽古をしている限り小学生が見ても理解できるように作ることができているので、娯楽作として多くの方に楽しんでいただけると思います。

──劇中に登場するイリュージョンや謎解き要素は、今回舞台作品として制作する中で加えられたものですか?

そうです。生駒里奈さんが演じる記憶を失った少女・ノアの存在や超能力とか、そういう部分はアイデアノートの段階ではなかった、新たに付け加えたものです。

この作品の場合、脚本家としての自分、演出家としての自分、役者としての自分がいるのですが、それぞれのことは一切気にしないように制作しています。だから、脚本家の自分は、とにかく面白いと思うことをそのまま本にしてそれを受け取った演出家の自分は、改めて「さぁどうしよう」と演出を考え始めるんです。

演出の際、イリュージョン部分には、かなり頭を悩ませました。「超能力とか、人が消えるとか、テレポーテーションするとか、壁から人が出てくるとか書いてるけど、どうやったらできるんだろう?」と。そのときテレビを見ていたら、マジシャンの新子景視さんが出ていらして、超能力のようなマジックを披露されていたんです。そこでピンときて、すぐプロデューサーに連絡をして「イリュージョンで表現しようと思う」と伝えました。

そして、せっかくなら新子さんにも役者として舞台に出演していただけないかなと思い、お話したら、ご出演いただけることになったという経緯ですね。

──今サラッとお話されていましたが、脚本家、演出家、役者として自分が、それぞれが別に動いていらっしゃるんですね。それって大変ではないですか?

そんなことないです。演出を考えながら脚本を書いたほうがラクだと思いますよね、普通は(笑)。でも、脚本家は面白いと思うものを書いて、演出家は脚本家が想像した世界よりも面白いものに作り上げるのが仕事ですから。

──いろいろな役割を担っていますが、稽古はどのように進めているのでしょうか?

僕自身は、ほとんど演出家として演出卓に座っていることが多いですね。僕が演じる渡来は代役を立てて稽古をしています。現時点で稽古は残りあと10日くらいですが、役者として稽古に参加したのはまだ2回くらい。ラスト1週間で頑張ろうと思っているところです。

演出家の自分から、役者の自分に対する指示は、とにかく代役さんに投げることです。「渡来ちょっと違う」「そのテンションじゃない」などいろいろと指示を出すことで、そのまま自分の頭に入ってきて。役者として稽古場に立つときは、その演出オーダーをこなせるようにと思いながら芝居をしています。

──頭の切り替えが大変そうですね。

まぁ、大変は大変ですけど、つらくはないです。すごく楽しいですね。

──そのような中で作り上げられている渡来は、どんなキャラクターですか?

好奇心旺盛で、興味の対象に対してガツガツ進んでいくという部分は僕にも似ているなと感じますし、とても魅力的なキャラクターですね。他のカンパニーからこの台本を渡されて、オファーされたら二つ返事で受けるくらい好きなキャラクターです。

だからこそ、お客さんに「この人、この役やりたいからこの本を書いてたんだな」と思われたら絶対嫌なので(笑)、誰よりもうまく演じないといけないなとは思っています。

──公式Twitterなどを見ていると、キャストの皆さんがとにかく仲良く稽古している姿が印象的ですが、池田さんが一番笑った出来事はなんですか?

いやもう毎日笑っていますね。本当にアットホームで、すごく空気のいい現場で、悪い人は1人もいない。それにみんな真面目で、ストイックで、ちゃんとお仕事に向き合っていて、本当に理想的な現場です。例えば10分休憩の間に新子さんがテーブルマジック見せてくれて、みんなでワーッと盛り上がったりすることもありますね。

その中で僕が特に笑ったのは…アクションをつけていたときに、生駒さんの動きがちょっと違うなと思って、「もっと全体的に体から醸し出すオーラで歩いてください」と指示を出したんです。そうしたら、一瞬でパッとまったく違う雰囲気で歩いてきて。「あ、それ!すごい!こんな一瞬で分かるんですね!」と大興奮していたら、イコちゃん(生駒)が「はい。紅白のセンターで踊ってたんで!」と言っていて(笑)。その言葉には爆笑しました!

撮影:河井彩美

<メッセージ&メイキング動画>