7月25日(日)、映画「イン・ザ・ハイツ」の公開直前トークイベントが行われ、ゲストに俳優の城田優が登壇した。

この作品は、トニー賞4冠(作品賞、楽曲賞、振付賞、編曲賞)とグラミー賞ミュージックアルバム賞を受賞した同名ミュージカルを映画化したもの。

ワシントン・ハイツは、いつも音楽が流れる、実在する移民の街。その街で育ったウスナビ、ヴァネッサ、ニーナ、ベニーは、つまずきながらも自分の夢に踏み出そうとしていた。突如起こった大停電の夜、街の住人達そしてウスナビたちの運命が大きく動き出す――。

城田は「僕にはラテンの血が入っており、半分スペイン人なので、この映画にはスペイン語もたくさん出てきて、本能的に(劇中のセリフや歌が)入ってくるので、謙遜しようと思ったんですけど、僕以上にこの作品(に合った)ゲストはいないかもしれません」とあいさつ。

すでに作品を見たという城田は「『最高』の一言に尽きますね。ここ最近見た映画の中では、断トツで一番好きでした。そもそも僕は音楽も好きだし、ミュージカル映画も好き。ミュージカル版の『イン・ザ・ハイツ』も見ているんですけど、映画になった時のスケールアップ感というか、実際のワシントン・ハイツという街で撮影している説得力。実際にミュージカルシーンなんて、現実で始まることはないですが、現実とファンタジーの融合がなかなか見られるレベルものではないです」と絶賛した。

続けて「職業病的な目線になってしまうんですけど、いくらかかっているんだろうと。それほどスケールがでかくて…。城田的には大好きな作品になりましたし、3回くらい泣きました。泣くというのはいくつかの現象がないと起きないと思うんですけど、しっかりと物語の中枢と言いますか、感情と言いますか、自分もワシントン・ハイツの住民になったような、気づいたら涙が出てくる」と明かした。

原作や作詞・作曲をしたリン=マニュエル・ミランダに憧れているという城田は「僕も舞台の演出とかを最近やらせていただいていて。彼は自分で作って出演もされる方だし、自分ももっとクリエイターとしての部分を育てて、いつか自分が作った作品で、人に感動を届けたいなと。水面下で計画はしていたりするんですけど、『あと何年かかるんだろう』という感じですが」とコメント。

また、「当時、ミュージカル版の『イン・ザ・ハイツ』ってすごく独特なミュージカルが出てきたなという感じでした。(リン=マニュエル・ミランダは)夢を持ってブロードウェイの作品をたくさん見て、『いつか僕』もという気持ちで、18歳でこの作品の脚本を書いたと聞いています。そこから数十年の時間が経ち、こんなにも愛と希望と夢が詰まった映画を上演できるというのは幸せなことだと思います」と熱く語った。

ヒスパニック系の人種がたくさん住むワシントン・ハイツが舞台の本作。城田は「移民だとかネガティブな表現で、今はどこまで差別が残っているかわかりませんが、少なくとも、僕も幼い頃いろいろと似たような境遇というか、感情というか感覚を持っていました。自分たちの本当のホームではない場所にやってきて、そこで生活して、というのは大変なことです」と真剣な表情を見せた。

そして、「世の中のマイノリティというか、心の、何とも言いようもないカテゴライズできない、いろんな状況の中で頑張っている人が、ポジティブに僕も夢が叶うかもしれないというか、なによりも大切なものは近くにあって、大きなパワーになるんだという、応援してもらえる気持ちになったので、区別、差別されるようなところで生きている人は、この映画を見てエールを貰えるのではと僕は思います」と呼びかけた。

映画「イン・ザ・ハイツ」は、7月30日(金)より全国ロードショー。

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配給:ワーナー・ブラザーズ映画

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