7月22日、映画「犬部!」公開初日舞台挨拶が東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、主演の林遣都、共演の中川大志、大原櫻子、浅香航大、メガホンを執った篠原哲雄監督、主題歌「ライフスコール」を歌ったNovelbrightの竹中雄大、そして、劇中に登場した可愛らしい動物たちが出席した。

撮影裏話「設定は冬の夜。実際は真夏でダウンコートを…」

映画「犬部!」は、2004年ころの青森県十和田市にある北里大学(十和田キャンパス)に実在した、動物保護サークル・犬部を設立した獣医学部の学生が主人公。

仲間たちとともに動物を守ろうと奮闘した“学生時代”、そして、獣医師となり、一人で新たな問題に立ち向かおうとする“現代”という二つの時代を描いており、主人公の花井颯太に林が扮するほか、その仲間を中川大志、大原櫻子、浅香航大が演じている。

ブラックスーツでビシッとキメた林は「この『犬部!』は自分にとっても大切な作品で、一人でも多くの方に届いてほしいという思いをもって、ここまで来ました。ようやく初日を迎えられて、幸せに感じています」とあいさつ。

中川は「ようやく皆さんにこの映画を受け取っていただける日がきて、僕たちも胸がいっぱい」、大原は「初日がとても待ち遠しく、楽しみにしておりました。ひとりでも多くの方に今日を出発点として、観ていただければ」、浅香は「こうして皆さんに作品をお届けする日が来て、本当にうれしい」とそれぞれ公開初日を迎え、感無量といった表情を浮かべた。

動物たちと過ごした日々について林は、「毎日楽しかったです。久々に青春を味わわせていただいたようで、みんなのことも大好きですし、毎日ワンちゃんたちに囲まれながら、もう1回やりたいぐらい幸せな日々でした」

印象的だったシーンを聞かれると、中川は「僕が演じた柴崎の体調が悪くなって、外で倒れてしまうシーンがあり、設定としては冬の夜だったのですが、実際は真夏でめちゃくちゃ暑い中、ダウンコートを着て倒れていました」

「そんな柴崎を犬たちが心配して囲むシーンがあったんですけど、本当に犬まみれで、四方八方、犬、犬、犬。あんなに犬の温度を全身で感じたのは初めての経験だったので、犬好きにとってはたまらない瞬間でした」と、貴重な体験を明かした。

大原は「実験室から脱走してきたニコ役のワンちゃんは、遣都さんの腕から『離れたくない』というお芝居をしなきゃいけなくて。そのシーンのために、遣都さんが朝からずっとワンちゃんのそばにいてあげて、その役作り、犬との距離感の詰め方はすごいなと感動しましたし、颯太のところにいたいっていうニコのお芝居がリアルにでき上がっていたのですごいなって感激しました」

動物たちの熱演に加え、“人間側”もいろいろ工夫したことがあったそうで、浅香は「僕たち、サークルの関係性は、遣都くんが振ってくれたアドリブによって作られていった」とコメント。

さらに、主人公・颯太と親友・柴崎の関係について、中川は「柴崎という男は颯太を一番近くで見ている分、颯太の力、才能を誰よりも感じている。颯太にはかなわないと認めつつ、憧れもあり、嫉妬もあり、そんな颯太がそばにいるからこそ、自分にしかできないことは何なんだろうと考えさせてくれる存在」と説明。

一方の林は、「大志とは作品のこと、役の関係性のことを毎日話していた印象があります。年齢は8歳下ですが、頼もしくて男らしくて責任感が強くて、今回、誰よりも愛情をもって動物たちと接していました。大志とバディのきぃくんがいい動き、表情を見せてくれると、僕も(バディ犬の)ちえと頑張らないとって思わせるなど、刺激を与えてくれました」と、それぞれの関係性が作品をよりよいものへとしたことをのぞかせていた。

©2021『犬部!』製作委員会
配給:KADOKAWA