7月16日(金)、アニメーション映画「竜とそばかすの姫」の完成報告会が行われ、声優を務めた、中村佳穂、成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りら、佐藤健が登壇した。
この作品は、「サマーウォーズ」や「時をかける少女」を手掛けた細田守監督の最新作。母の死により心に大きな傷を抱えた主人公が、もうひとつの現実と呼ばれる50億人が集うインターネット上の仮想世界“U”で、大切な存在を見つけ、悩み葛藤しながらも懸命に未来へ歩いていこうとする勇気と希望の物語だ。
佐藤と初めて会った印象を中村は「どんな方かしらと思っていたのですが、私のことを対等に1人の演じ手として接してくれましたし、私の横道にそれたボールを丁寧に戻してくれました。2日間ご一緒させていただいたんですけど、本当に貴重な経験でした」と振り返った。
特に印象的だったことについて「細田守監督が『佳穂ちゃんは初心者だからね、優しくしてあげてよ』とおっしゃても、佐藤さんは『初めてだから緊張もするだろうし、そんなの普通ですよ』とすぐにおっしゃってくれたのが『頼もしい!』と思って、さらにファンになりました」と語った。
佐藤から見た中村の印象は「すばらしい表現者でしたよ。僕が教えを請いたくなるような。歌うようにセリフを言い、語りかけるように歌を歌われる方だなと思いました。だから呼吸がもう歌ってるんですよね。『ふぁ~』っていう息遣いが。『それどうやってるの?』って思いました」と衝撃を受けたそう。
そして、本作で竜の声を演じた佐藤は、試写を見て「まず、映像の美しさに圧倒されました」と感想を。
また、「竜の役で、『(アフレコした声には)エフェクトをかけていく』という監督との約束のもと、現場が進んでいきました。そこを安心材料として、アフレコを乗り越えたんですけど、試写を見たらエフェクトを外されていて(笑)。予告編だとエフェクトがかかっていたじゃないですか!でも、本編だとかかってなくて。試写で見るまでその情報を隠蔽されていたんです」と暴露。
司会者から「細田監督は『エフェクトをかけるつもりだったんだけど、佐藤さんが上手過ぎたのでやめた』そうですよ」と明かされると、佐藤は納得いかない様子で「どうなんでしょうね」とひと言。
細田監督の作品としては「サマーウォーズ」以来のインターネット世界や青春を描いた本作。成田は「見てくださる方が、ホッとできる時間になるようになればと思っています。(自分が演じた忍は)普通の会話というか、カッコいいセリフしかなくて、大丈夫かなと思っていたのですが(笑)。何度も何度もリテイクして何とかなりましたね」とコメント。
染谷は「インターネットは、触れない世界ですし、なかなかつかみづらい世界です。でも、細田さんが描くインターネットの世界は温度感があって、心に刺さってくる本当に壮大な世界で。没入感というか現実世界の絵だけでは味わえない感動がありました」としみじみと語った。
玉城は「私の青春はインターネットだったので(笑)。十代の頃から、自分が経験したことないことはインターネットで調べてましたし、自分を応援してくれるファンとのやり取りや、伝いたいこともインターネットを通して伝えてきました」とコメント。
続けて「なので、今作に関わっても違和感なく参加できました。主人公のすずは何者かになりたい、自分以外のものになりたいという変身願望があると思うんですけど、インターネットって自分の存在を示す、すごく便利なものだと思います。(この映画を)中学生の自分に見せてあげたいなと思いました」と明かした。
音楽ユニット「YOASOBI」のメンバーとして活躍している幾田は「インターネットは本当に1個発信すれば世界とつながれる。高知の大自然で育った何者でもなかったすずが、世界の人に歌声を届けられる。私は何者でもなかったときに、インターネットに歌を投稿したのが始まりでもあるので、すずと自分が重なります。そして、いろんな人が勇気を貰えるんじゃないかなと思います」と笑顔で話した。
アニメーション映画「竜とそばかすの姫」は公開中。
©2021 スタジオ地図
配給:東宝
最新情報は、アニメーション映画「竜とそばかすの姫」の公式サイトまで。