11月16日(月)、映画「461個のおべんとう」の“ありがとう溢れる”舞台挨拶が行われ、井ノ原快彦、道枝駿佑が登壇した。

映画「461個のおべんとう」は、ヒップホップバンド「TOKYO  No.1 SOUL SET」の渡辺俊美によるお弁当エッセイ「461個の弁当は、親父と息子の男の約束。」(マガジンハウス刊)を原作とした、お弁当を通して築かれる親子の絆の物語。

11月6日(金)に公開されると、Filmarksの初日満足度ランキング1位を獲得。SNS上でも「美味しそうなお弁当がたくさん出てきてお腹空いた」「ライブシーンの音楽よかった!」「親子の絆に泣けた」などと、話題になっている。

ここでは、舞台挨拶の模様をほぼ全文でお届けする。

道枝が宣伝活動でいちばん印象的だったこととは…?

──今日まで長い道のりだったかと思いますが、今の心境を聞かせてください。

井ノ原:雑誌の取材を一緒にやったりとか…。

道枝:たしかにね。

井ノ原:あと、テレビ出演もいろいろやって。映画は撮影のチームもあるんですけど、宣伝チームもあって。そこが一丸となって、スタッフも一緒になってやってきました。こうやって舞台挨拶が何回もできるっていうのは、コロナで大変な時にっていうのは、スタッフさんの力があったからだと思います。(道枝のほうを向き)また関係性も近くなった気がするじゃない?

道枝:たしかに。そうだね。近く…って、なんで笑うんですか!

井ノ原:違う!違うんですよ。このドラマ…あ、ドラマじゃない。映画をやるにあたって、親子役だからため口でいこうねっていう話をしていて、ちょっと前に手紙をくれて。「今日でため口は卒業します」みたいなね。そういう手紙をいただいたんですよ。そうしたら、本当にちょっと前のメールがめちゃめちゃ敬語だったんですよ。

道枝:ふふふ(笑)。

井ノ原:寂しいな~と思って、今日ちょっと抗議しました(笑)。

道枝:そうなんです(笑)。

井ノ原:ただ、逆に敬語がちょっと難しいでしょ?

道枝:そう!逆にクセで出ちゃうから。「敬語に違和感あるな…」って。

井ノ原:ははは(笑)。だから、2人の時は…今、ほら、映画の宣伝中だから皆さんご存じっていうか、知ってくださってるけども、来年とか2年後とかになっていきなり敬語できたら、周りの人ビックリしちゃうと思うから。

道枝:たしかに。

井ノ原:そこらへん、大変かもしれないけど、2人の時はため口でいこうよ。

道枝:そうっだね!

井ノ原:そうっだね!

道枝:それでいこう!

井ノ原:でも、約1年前から(撮影を)やってたんだよ。

道枝:ね。本当に撮影も込みで1年間あっという間でしたね。舞台挨拶が来るまで。

井ノ原:(何気なく道枝のほうを真っすぐ向き)ちょっと待て。お前、またデカくなってるでしょ?

道枝:ちょ…。

井ノ原:絶対デカくなってる!ははは(笑)。

道枝:身長はちょっと伸びたかなっていう。

井ノ原:去年から相当伸びたもんね。

道枝:去年が、174、5、6くらい(だった)。

井ノ原:僕がそれくらいだから、ちょっと大きいかなくらいだったんだけど。

道枝:うん。

井ノ原:完全に…何!?180センチくらい?

道枝:180弱ぐらい。

井ノ原:うわぁ。シークレット(ブーツ)じゃないよね?

道枝:でも、ちょっと盛ってるかもしれない。2、3センチくらい…(笑)。

井ノ原:ははは(笑)。いや、すごいわ。もっと伸びる感じある?

道枝:でも、伸びてる実感はないけど、180センチにはいきたいなと思ってるね。

井ノ原:いやぁ、1年もあれば、175センチぐらいだった子が、180弱になるっていう、そういう年月なんだなと思いましたよ。

道枝:そうだね。

井ノ原:これから映画を見てくださる方いらっしゃると思いますけど、今となっては考えられない映像がいっぱい出てきます。

道枝:そうだね(笑)。

井ノ原:かなり密になってる感じですけど。今では撮れないような貴重な映像になってると思いますし、200人くらいエキストラの方に入っていただいたライブシーンとかもあるから、新鮮な気持ちで観ていただきたいなと思いますね。

──今日は何回も観てくださってる方もいらっしゃるんです。

井ノ原:本当?そうやって何回も観てくださることによって、映画を深く観てくださる方が本当にいっぱいいらっしゃるっていうのは、聞いています。本当にありがとうございます。

道枝:ありがとうございます。

井ノ原:今日初めてっていう方はいらっしゃいますか?(手が挙がり)あ、うれしい!

道枝:ありがとうございます!

井ノ原:お弁当って、誰しも作ってもらったりとか、買って食べてもいいんですけど、食べた経験があるじゃないですか。だから、一つ一つの思い出がそれぞれの中にあるんじゃないかと。お弁当って、いいテーマだなと思いましたね。

──映画の制作から宣伝活動やイベントの中で、印象的だった出来事はありますか?

井ノ原:今まで撮影中の話ばっかりしてたけど、宣伝活動いろいろしてたじゃん。その中で楽しかったことは?

道枝:全部楽しかったですよ。

井ノ原:本当?特に挙げるとしたら?

道枝:特に挙げるんだったら…番組とか…言っていいんですか?

井ノ原:いいんだよ、そういうのも入れて。

道枝:『TOKIOカケル』さんであったりとか、バラエティは楽しくやらせていただきましたね。TOKIOさんと井ノ原さん…パパ…パパ…の…。

井ノ原:いいんだよ、どっちでも(笑)。

道枝:え?どっちでもいい(笑)?

井ノ原:俺は、みっちーのね、テレビに出る時の衣装が毎回好きだったかな。

道枝:あー!へー!

井ノ原:なんか、トランプの中に出てきそうなキャラクターの衣装みたいなのもあったよね?白黒の…。

道枝:あー!

井ノ原:かわいいんですよ。衣装が。

道枝:半分で色が分かれてるやつね。

井ノ原:そうそう。それが楽しかったです。

道枝:『TOKIOカケル』さんでは、昔のジャニーズの中の話だったりとか、TOKIOの皆さんとパパの絡みだったりを、視聴者の目線で見ていて(笑)。すごく楽しかったです。

井ノ原:あと、合間とかで食べるお弁当は、2人で食べてたじゃないですか。

道枝:そうだね。監督とパパと僕で。

井ノ原:それが結構楽しみの一つでしたね。

──道枝さんは、井ノ原さんの姿から学んだことはありましたか?

道枝:学んだ…。いや、でも本当に…。

井ノ原:今、考えてる。

道枝:考えてない!

井ノ原:ははは(笑)。

道枝:僕、本当に、トークは全然できないんですけど、宣伝でバラエティ番組に出た時もパパが…僕がコメントしたあとに、ちゃんと拾ってまとめて話してくれていたので、それはすごく学びました。助かりました。

井ノ原:そんなことない。僕はね、だいたい、まずはみっちーに振るんですよ。質問されて、だいたい僕からしゃべることになるじゃないですか。だから、「僕っていうより、まずはみっちーに聞いてあげてください」って言うんです。それでみっちーが一生懸命しゃべっている間に、僕は考えてるから(笑)。

道枝:そうなんです!まず僕に振ってきたときは、(井ノ原は)思いついていないと思ったほうが(笑)。

井ノ原:はははは!それが最近バレてきたよね(笑)。

道枝:たしかに!

井ノ原:そんな感じのチームワークでやってます。

──道枝演じる虹輝は、井ノ原演じる一樹からの「大丈夫。全部うまくいく」という言葉に勇気づけられますが、ご自身が勇気づけられた言葉はありますか?

井ノ原:ある?

道枝:ほらね(笑)。

井ノ原:ははは(笑)。まずは聞いてみようかなと思って!

道枝:僕、パパからもらいました。

井ノ原:あ、そうですか。

道枝:バラエティ番組の収録で、僕がなかなかうまくしゃべれなくて。それをちょっと落ち込んでいたらパパから連絡が来て。「お前のいいところは、爪痕を残そうとしてジタバタしないところ。お前は自然体で良いんだから。そのままで大丈夫」って。それはすごくうれしかったです。

井ノ原:思いのほかへこんでるからさ。終わったあと、「今日はちょっと…」って。「全然大丈夫だよ。テレビっつーのはな、編集ってものがあるんだから、大丈夫だ」と。

(会場爆笑)

井ノ原:爪痕も大事ですけど、自然体でいる、でもちゃんと落ち込むっていうところが好感持てていいなと思いましたよ。

道枝:ありがとうございます。

井ノ原:いえいえ。

──井ノ原さんはいかがですか?

井ノ原:例えば落ち込んだりとかしたときに、いろんな人からかけていただく言葉もあるけども、自分の中でもいろいろと発明していて。自分でこう言えば大丈夫だなと思う言葉もいくつかって。皆さんも、「つらいな」「先生に怒られた」「親に怒られた」っていうときは、だいたい「ですよね」って言っておけば、だいたい丸く収まるから。

道枝:え、大丈夫!?そんなテキトーで!

井ノ原:友達だったら、「かてーこと言うなよ」。これが結構効きますよ。困った時の最後の最後は「バーカ、バーカ、バーカ」って3回言っておけば。

(会場爆笑)

井ノ原:それで、だいたいうまくいく!それでやってきたんだ、俺。

道枝:それでやってきたら今ここにいないと思います(笑)。

井ノ原:やってきたんだよ!大丈夫、大丈夫!だいたいうまくいくから!

──井ノ原さんが勇気づけられた言葉っていうのはありますか?

井ノ原:俺も、みっちーもあると思うけど、「あれ、傷ついてるんじゃないかな」と思うことあるじゃないですか。そういうことを親に言ったら、「お前のことなんか、考えてないよ。みんな自分のことで精いっぱいだから、大丈夫」って言われたことがあって。それはたしかにそうかもなと思って。

例えば後輩から、ちょっと失礼なことを言われたとするじゃないですか。それもあまり覚えてないんですよね。特にこの年になりますと(笑)。ですから、(道枝を見ながら)全然平気だから!

道枝:へ~!

井ノ原:かと言って、僕がみっちーのことを考えてないんじゃなくて、みんな自分のことで精いっぱいだから大丈夫じゃないのって。うん。

道枝:…。

井ノ原:バラエティで「ダメだった」と思っても、逆にそっちがいいと思う人もいるわじゃん。

道枝:たしかに。思うことは人それぞれってことだよね。

井ノ原:そうだし、うまくできなくて照れてるとか、「失敗しちゃった」っていうときのみっちーの顔がみんな見たいから。

道枝:だから、無理して面白くしようとしなくていい…。

井ノ原:そうそう。巧みに「どうも~!(片足を上げて両手を開くコメディアンのポーズ)」みたいにやったら、(見ている人からすると)「ちょっと違うんですけど」ってなるでしょ。

道枝:たしかに。

井ノ原:そういうタイプのメンバーもいるわけでしょ。

道枝:うん。

井ノ原:みっちーはそうじゃなくていいんじゃない?

道枝:自然体でありのままでいきます!

──一番最近「ありがとう」と口に出して伝えたのはどんな時ですか?

井ノ原:「ありがとう」って、どう?言うでしょ?結構。

道枝:毎日言いますよ。

井ノ原:毎日、何かしら言ってるよね。

道枝:あまり意識せずに「ありがとう」って…。

井ノ原:意識せずに言えているのはいいね。

道枝:さっきも舞台挨拶の前に、井ノ原さんから「とりあえず、ありがとうな」って言われて(笑)。

井ノ原:「このあと、(「ありがとう」の話を)話さなきゃいけないから、今言っておくわ」って言って(笑)。最新のありがとうはみっちーに言いました。「ありがとうって言いなさい」って言われて、子どもの頃育ってるから、とりあえず心から言っているのか分からなくて「ありがとうございます」って言ってるときも、子どもの頃はあったなと思って。

道枝:うん。

井ノ原:だけど、こうやって映画の撮影もそうだし、スタッフと絡んでいくと、本当に「ありがとう」って思うこと、結構あるでしょ?

道枝:うん。

井ノ原:今日これだけの皆さんが集まってくださって、「何回も観たよ」とか、「初めてです」って勇気出して手を挙げてくれる人を見ると、本当に「ありがとう」と思うじゃない。

道枝:思うね。当たり前じゃないんだなって。

井ノ原:去年だったら、映画もためらわずに観に行ってたかもしれないけど、ちょっと感染も怖いから気を付けて観に行こうと、万全の注意を払って皆さん来てくださってることには「ありがとう」と思いますよね。

道枝:うん。

井ノ原:最新の「ありがとう」は、みっちーに言って、みっちーも「じゃあ、ありがとう」って言ってくれたんです(笑)。

道枝:「じゃあ」ってなんか…(笑)。

井ノ原:「じゃあ」はなかったっけ(笑)?

道枝:「こちらこそありがとう」って。

井ノ原:そうか(笑)。それが最近のお互いの「ありがとう」です。

──お2人とも、そういう人柄ですもんね。

井ノ原:そうなんです。

道枝:いや、謙遜して!

井ノ原:ごめん、ごめん(笑)。

井ノ原から道枝へ「ファンと仲間だけは大事に」

──これからチャレンジしたいことはありますか?

井ノ原:みっちーどうなの?

道枝:えー…あ、料理はちゃんとやっておきたいなって思います。

井ノ原:玉子焼き作ってみてよ。

道枝:あ、作ってみます。結構難しい…。

井ノ原:作ろうと思わなかったの?この映画を観て。あれだけ「玉子焼き」「玉子焼き」って言ってたのに。

(会場爆笑)

井ノ原:「俺も結構作ってますよ」なんて言ってたけど。それを見て、「じゃあ、俺もやってみようかな」って、1回も思わなかったの?

道枝:え、紅ショウガ作り…

井ノ原:紅ショウガ作りたいの(笑)?

道枝:ち、違う(笑)。…すみませんでした!

井ノ原:ははは(笑)。僕が映画の中で使ってるのは、熱伝導のいい銅で作られたプロ用のフライパンだったから、ちょっと難しいんですけど、テフロン加工とかのフライパンなら、割と失敗なくできるから。

道枝:へ~!

井ノ原:まずそこから、やってみたら。

道枝:やってみる!

井ノ原:結構、奥が深いから。

道枝:そっか~…気になってきた!

井ノ原:ここまで言わないと、気にならない(笑)?散々言ってきたよ?

道枝:違う、違う!違う~じゃん~(笑)。

井ノ原:さっき言った紅ショウガは関西のやつみたいだよね。

道枝:そうですね。

井ノ原:でも、(道枝は)世代的に食べてないみたいで。試しに作って、お父さん、お母さんに食べさせてあげるとか。僕、最近やったのは、キムチを刻んで入れる。これは絶品でしたね。僕は、チャレンジ的に、もう少し玉子焼き極めたい!

道枝:目標的なものはどんな?

井ノ原:目標?あのね、細かいことを言っちゃうんだけど、火の加減が難しいんです。毎回「ちょっと失敗しちゃった」と思っても、玉子焼きってリカバリーができるというか、なんとなく形になるっていうのがあるんだけど。1回で全部キレイにやりたいなと思ってます。

道枝:一発で華麗に。

井ノ原:華麗にやりたいなと。いつかまた食べさせてあげたいなと思います。

──最後に、道枝さんへ激励メッセージをお願いします。

井ノ原:みっちーに先輩として言ってあげられることはあまりなかったんですけど…なぜなら彼は、最初から言う必要がないなと思っていて。僕も彼も同じ事務所で、ジャニーズというところで、歌ったり、踊ったりしているわけで。僕も今年25周年を迎えまして。彼はデビューはしてないけどグループで活動をしている。そんな中で、秘訣なんてものはないんですけど、とにかく一番大事にしなければいけないのは、ファンと仲間。それだけって言うと語弊があるのかもしれないけど。

もちろん周りのスタッフもだけど、まずは仲間を大事にしてもらいたいなと思います。君ならたぶん大丈夫だと思うけど、今のまま謙虚に、時には羽目を外してもいいと思うし、頑張ってもらいたいなと思います。

道枝:頑張ります!ここにいるのは、本当にファンの皆さんのおかげで、周りのスタッフさんのお陰で。それはもう環境に恵まれているなと思います。これからも謙虚な心は忘れずに、真面目にやっていけたらなと思います。

井ノ原:なんかいい子だよね。もっと羽目外してもいいよ?

道枝:羽目を外す…。

井ノ原:すごくいい子なのよ。

道枝:いい子って…いい子…うーん。ど、ど、どの辺が?

井ノ原:ははは(笑)。それは悪いことじゃないんだよ。

道枝:それはもちろん。あまり意識したことがないというか。

井ノ原:じゃ、そのままでいいか!羽目を外しすぎちゃうやつがたまにいるから、うちの事務所には(笑)。だから、良いかもしれない。

道枝:今のままで?

井ノ原:うん。自分がやりたいと思ったことをやればいいと思う!

道枝:あ!

井ノ原:「楽しい」と思ったことをやればいい!誰に何を言われても。

道枝:分かりました。

井ノ原:玉子焼き、作ってください。

道枝:やります!

映画「461個のおべんとう」は、絶賛上映中。
最新情報は、映画「461個のおべんとう」公式サイトまで。