130人を安楽死させた、実在の医師をモデルに描いたクライムサスペンス「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE―」の大ヒット御礼舞台あいさつが11月22日(日)、東京・ユナイテッドシネマ豊洲で開催。
主人公の警視庁捜査一課刑事・犬養を演じた綾野剛と、新米刑事・沢田に扮した岡田健史が出席した。
11月13日に公開された本作は、公開3日間で約14万人以上を動員、興行収入は1億8900万円超えという好成績を上げ、興行収入ランキング2位に初登場。堂々の実写No.1スタートを切り、SNSでも大きな盛り上がりを見せている。
これまで、主演の綾野と北川景子による舞台あいさつは行われてきたが、この日は岡田が本作のPRに初登場。綾野と岡田の相思相愛っぷりが全開だったトークの内容をほぼ全文でリポートする。
<綾野剛×岡田健史 トークセッションリポート>
――今日は岡田さんがいてくれてうれしいですね。
綾野:めちゃくちゃうれしいです。会うのも久々です。先日、一緒にドラマ(TBS系『MIU404』)もやりましたけど、でも最初に共演したのはこの作品だったんです。年齢は全然違いますけど、どう言ったらいいのかな…。すごく好きなので。今日はワチャワチャしてるところを皆さんに公開するだけの会になってしまいそう(笑)。
岡田:ワチャワチャ、イチャイチャですね。
綾野:カワイイか!“キャッキャウフフ”できればいいと思います。
――そういうことをご本人が言うことってあまりないですよね(笑)。
綾野:さっき、楽屋を出た時に健史が待っててくれたんですけど、その時からずっとニヤニヤしてるんですよ(笑)。岡田健史のラブビームが貫いてくるので、カワイくて仕方がないです。
――公開から1週間が経ちましたが、まわりの反響はいかがですか?
岡田:僕は初日の舞台あいさつも仕事の関係で出られなかったんですけど、今の仕事の現場のスタッフの皆さんから「『ドクター・デス』すごく(観客が)入ってるらしいね」など、違う作品をやっていながらもその話題になるということは、そういうこと(ヒットしている)なんだろうなと。実際にこの会場に来て、コロナ禍に皆さんがたくさん来てくださったという事実を見て、実感しております。
綾野:僕は公開前の特報や予告が「実は犬養が犯人じゃないか!?」みたいな感じで作られているのを薄々感じていたんですよ。それでミスリードするならいいと思っていましたし、何より、まだまだ大変な時期の中で映画館に足を運んでくださる方々がいる、今日こうして皆さんが来てくださったことがすべてだと思っています。
そのことだけで、まずは自分のエンターテインメントに対する人生の糧みたいなもの、「あ、俺まだ頑張れるな」って勇気をもらいましたし、元気をもらいました。ありがとうございます。真面目な話はもう恥ずかしいので(笑)。
――隣で岡田さんがニヤニヤしていますが、共演してみての印象を聞かせてください。
岡田:僕は学生時代からそんなに映画やドラマを見ていたわけではなかったんですけど、そんな僕でも綾野剛という俳優がいることはわかっていましたし、共演できることに喜びを感じました。
撮影初日から剛さんにいろんなことを聞きまくって、多分、僕が剛さんの立場だったらすごくウザいっていうぐらい聞きまくったんですけど、剛さんは僕が聞いた1に対して、10にも20にも30にも100にもして、「あの、剛さんもういいです」っていうぐらいの情報量をくださいました。
こうやって真摯に向き合ってくださる役者さんと出会えたことが僕にとってすごく大きな時間になり、大きな意味を持つ人と出会えたことがうれしかったです。
綾野:デレデレじゃないか(笑)。多分、ないわこの壁(感染予防対策のアクリル板)。健史は裏のヒロインなので。景子ちゃんが表のヒロインだとすると、完全に裏ヒロインですね。
――撮影中もそんな空気だったんですか?
綾野:男の子なので、カワイイという表現が正しいかどうかわからないですけど、チャーミングさって必要だと思うんです。でも、今そのチャーミングさより、カッコよさで戦っていかなきゃいけないという彼自身の気概の中に、カワイらしさを隠しきれていないんです。
話せば話すほど目が開いていって、頭がパンクしていく姿を見て、僕は快感を得ている。そうするとポカーンとして、その顔がすごくよかったりするんですよ。話せば話すほどスポンジのように吸い取っていく彼を見て、自分が今日まで経験してきたことをすべてシェアさせたいと。僕が何十年かけてやってきたことを、彼は1、2年でやってしまえばいいと思っています。
(凝視する岡田に)すげぇ、見てるね。景子ちゃんでもそこまで見てなかったわ(笑)。
――北川さんの印象も聞かせてください。
岡田:北川景子さんという女優さんが今までやってこられた作品数や仕事の内容について、関係者の方々からいろんな話を聞くんですけど、百戦錬磨で今の舞台に立たれて、その片鱗を見たというか、現場で僕が北川さんから受けた印象をすべてだと思っちゃいけないなっていうぐらい、北川さんの背後にはとてつもないいろんなものがあって、それが今の北川さんを支えているのかって考えながら見ていたら、クランクアップしていました。
またご縁があれば、僕がもっと頑張れば北川さんといつかまた共演できると思うので、その時に僕の変化を含めて共有することができたら幸せだな、そういうふうにしたいと思える女優さんでした。
綾野:次は何やる?
岡田:僕と剛さんでですか?北川さんではなくて?
綾野:そうか、流れではそうか。でも、本質はこっちなんだよね(笑)。
岡田:北川さんより剛さんです(笑)。徹底的に敵対する役とか…?
綾野:えーっ!
岡田:やってみたいです。どれだけ僕のこの“ラブラブ”が消せるかという。そういった意味でも、僕が役者としてつけるべきスキル。本当は好きでも「俺は嫌いっす」って言えるようにしなきゃいけないと思います。
綾野:どうする?朝、現場に入ってきた時に、「おはようございます」って言われても俺、ガン無視よ。
岡田:それは…。
綾野:景子ちゃんとも共通してるんですけど、健史は目が聡明で、ちゃんと真実を映す瞳なんです。単純にカッコいいし、昭和を感じさせる顔の人ってそんなに多くないと思うんですけど、でも、彼はそのカッコいいところから逸脱して、ちゃんと自分の熱さを持っている。どんどん見ていきたいですね。
次回作「ラブ」の製作が決定!?BLモノ、腹違いの兄弟、ゾンビ…と妄想が止まらない
――ここで客席の皆さんからも質問を受け付けたいと思います。
観客の方:今日が3回目の鑑賞です。河原で犯人を追いかけるシーンが印象的だったんですけど、裏側についてきかせてください。
綾野:暑かったですね。僕は運動神経が悪い、体力がない設定だったので、沢田(岡田)に行かせたんだよね?どうだった?
岡田:めちゃくちゃ走りました。足場が結構悪かったんですよ。犬養(綾野)さんはニューバランスのスポーツシューズを履いていて、僕は革靴。まぁ、走りにくくて、差が全然広がらないんです。
観客の方:とても高価なスーツを着ていたそうですが…。
岡田:その緊張感がハンパなかったです。破いたり、汚したりすると、自腹になる可能性がございますので(笑)。
綾野:どんな緊張感で芝居をしてるんだよ(笑)。
岡田:その後のシーンでクランクアップだったので、無責任にササッとスーツを脱いで「お疲れさまでした」って帰りました。
綾野:健史の現場の集中力、ほぼそこだったの?
観客の方:私も3回観させていただきました。綾野さんは居酒屋さんで焼き鳥を食べるシーンなどがありましたが、岡田さんは劇中で何も食べていませんでした。現場でおいしいものは食べましたか?
岡田:何、食べたっけな?
綾野:沢田は何が好きな設定でやったの?
岡田:説明ゼリフのこと以外、何も考えてなかったです。
綾野:あと、スーツな。
岡田:そして、綾野剛(のこと)。
綾野:多分、2年後ぐらいにドーナツのCMをやると思います。「ドーナツ好き」って言ってみて。
岡田:ドーナツが好きです。
綾野:じゃあ、大丈夫。ハイネックでドーナツを食べる、似合うと思う。今、それこそ“マサキ・スダ”が(CMを)やってるから、その後いこう。
岡田:好きっていうことを毎回、舞台あいさつ終わりに言います。「今日はありがとうございました。ドーナツ大好きです」って。
観客の方:さっき岡田さんが綾野さんと敵対する役をやりたいと言いましたが、綾野さんはどんな役をやりたいですか?
岡田:よくぞ聞いてくれました!
綾野:そうですね…。
岡田:一つじゃなくてもいいです、何個でもいいですよ。
綾野:俺、キラーパスを出されると、意外と弱い人だから。直接的な関係がいいですね。最近、「望み」っていう映画をやっていたけど…。なんだっけ?
岡田:僕とやりたい役の10個です。
綾野:10個!?とりあえずBLは入れとくわ。彼とは重厚なものから軽やかなものまでやっていきたいという思いがあるので、やっぱり距離の近い兄弟とか、重めになると腹違いの兄弟とか、出会うべくして出会う役というか。胸ぐらをつかみ合ったり、ガチガチにケンカするような。ひたすらカワイがる役でもいいですし。「ラブ」ってタイトルで何かやる?
岡田:ラブストーリーですね。
綾野:何でだよ(苦笑)。本当に?どんなことをするの?
岡田:ドライブがしたいです。
綾野:カワイイか!彼とはまた共演したいと思っていますし、「ドクター・デス」とは違ったものをお見せできるように努力しますので、楽しみにしていてください。
――最後にあいさつをお願いします。
岡田:僕はこの作品で綾野剛さんと出会って、そして、連ドラでもご一緒させていただいて、こんなに短いスパンでご一緒できるなんてなかなかないことです。今日はお越しいただき、ありがとうございました。
綾野:健史とはゾンビものをやろうかと。ゾンビの正義を見せたいなと。
岡田:我々がゾンビですか?
綾野:我々がゾンビです。来年公開です(笑)。
子どもの頃に死ぬってどういうことなんだろう、生きるってどういうことなんだろうって考えて眠れなくなった経験があるんですけど、この作品は安楽死だけに言及しているのではなくて、エンターテインメントのほうに振りきってる部分も正直あります。
その中で僕は皆さんにたくさん考えてほしい、感じてほしいなどおこがましいことは思っていなくて、皆さんにとって豊かな時間になってほしいという思いでこの作品をつくりました。
名前を伏せられているキャストさんのご協力もあって、こういう宣伝の仕方ができていることに感謝ですし、今日こうして皆さんにお会いできたことも感謝です。引き続き、「ドクター・デス」を愛していただけましたら幸いです。本日はありがとうございました。
「ドクター・デスの遺産ー BLACK FILE-」大ヒット公開中
配給:ワーナーブラザース映画
©2020「ドクター・デスの遺産-BLACK FILEー」製作委員会