朝、洗濯物を干す少女の足元に転がってくるバスケットボール…

誰?…

満面の笑みで少女を見つめる少年

「おはよう!(キラーン☆)」

おわかりですね?

そう!洗濯ガールはもちろん真由子ちゃん(井本彩花)だし、バスケボーイは大樹くん(細田佳央太)!!バスケットボール転がしてくる男なんて大樹くんしかいないのに「誰?」みたいな顔する真由子ちゃんの白々しさと、感情表現はいつもバスケットを通じて…な(キラーン☆)大樹くん。最高!!!

先週の第6話、真由子ちゃんのお兄さん関連であまりにも胸糞悪い気分になり、だけど後半、さくら(真矢ミキ)おなじみ、鬼の手間暇シリーズ最新作”味噌づくり”から展開される感動の食育によって、その隙間がなかった、入る余地がなかった、鳴りを潜めていた…大樹くんの(キラーン☆)…。焦らされての2週ぶりだったからでしょうか…まぶしさが倍増してたよね。15回ほど巻き戻したよね。あと今回、スタッフロールを前半で済ましちゃってたのが拍車をかけたよね…。それはつまりですね、スタッフロールを前半で済ます時って大概、後半に「もう終わりますよ…」って雰囲気をつくらせない、視聴者に終了を予感させずインパクトを残したい、ショッキングなシーンで終わること間違いなしのフラグなんですよ。それが、ドラマウォッチャー的には常識だし、“最後は不穏”の伏線なんですよ。それがまさか今回、「おはよう!(キラーン☆)」で終わらすからね。常識を覆す、ハッピーすぎるサプライズ(キラーン☆)にインパクトを持たせたいがため、前半にスタッフロールを済ませとくっていう演出が最高にニクい!!やられた!!

っていうかもう「おはよう!(キラーン☆)」の瞬間、笑っちゃったよね。ホントはキュンってなってるはずなのに、37歳男性独身っていう客観的自分が出てきて、そんな自分が恥ずかしいから、本能的に、自己防衛で笑っちゃったよね…。なんちゅう破壊力。まあそんな個人的心の機微はどうでもいいわけですが、とにかく、空前絶後の(キラーン☆)へ至るまでの美しいストーリーラインを今回も存分にお楽しみください。

そして、先週の次回予告の段階からワクワクが止まらなかったし、「試写室」だってのに冒頭から詳細なネタバレかましちゃってるもんだからもうお判りでしょうが(だけどご安心ください、そんなことでキラーン☆は何ら揺らぎませんよ!)、大樹くんが、なんと、“ハチドリの家”へやってくる!という、ときめき展開!!

もうね、これね、『ロンバケ』(『ロングバケーション』/フジテレビ)っすよ。結ばれるに違いない男女二人が、ひょんなことから一つ屋根の下で愛を育むことになる…って、もう『ロンバケ』っすよ。THE恋愛ドラマの王道っすよ。そんな(どんな?)DNAが流れてるもんだから、大樹くんが“ハチドリの家”に現れ、真由子ちゃんとの構図を確認した時、「ロンバケーーーーー!!!」って、心の中で叫んじゃったよね。で、どんな構図かってーと、大樹くんは若さ故の、好きが止まらない!と突っ走っていくターンで、真由子ちゃんはまだどうしても素直になれない…でも…“やっぱ好っきゃねん!”ターン。…そんな構図。…わかります?つまり、ふたりとも“じれったい”ってことじゃないですか!?!?!?ああもう『ロンバケ』!!

と、ついつい勝手に、誰からも共感されないであろう妄想をして大興奮してしまいました。申し訳ございません。

そう、このドラマはあくまでも『さくらの親子丼』なのです(取り乱してたのは自分だけ)。僕は勝手に“ロンバケみ”を感じてしまいましたが、そんな甘酸っぱい恋愛描写にプラスして、親からの愛情がたっぷり注がれ育ってきたピュアボーイ・大樹くんと、親の愛情を知らない真由子ちゃんはじめ“ハチドリメンバー”との対比をこれから描こうとするようです。つまり、大樹くんは真由子ちゃんと結ばれるのか?ってな単純な話じゃなくて、大樹くんは真由子ちゃんの過去を受け入れることができるのか?って話にもちゃんと“丁寧に”持ってこうとしてるわけですよ。それが『さくらの親子丼』!すんごい深いテーマぶっこんでくるよね。

その真由子ちゃんの過去っていうのが、お兄ちゃんの胸糞悪いあの…(思い出したくもないので第6話<試写室>を参照してください)。あんなハードな人生送った彼女だから、通常であれば乗り越えるの無理だろって思うはずなんだけど、これまでの大樹くんの造形を見てたら、そんな気に全くならないし、今回のエピソードでさらに(キラーン☆)度が増して、どんどん屈強になっていく大樹くんのキャラクター。とんでもないヒーローが誕生しましたよ!

っという感じでついつい真由子ちゃんと大樹くんのボーイミーツガールにうつつを抜かしてしまい、他のエピソードを長いことスルーしてきましたが、いよいよいろんなドラマが動き出してきました。

父親から虐待されそれを自ら裁判で訴えるという希望ちゃん(清水香帆)は、これまで彼女のあまりに大人すぎる振る舞いから、本当に虐待されていたんだろうか?なんて、ちょっと疑いのまなざしが無きにしも非ずだったわけですが、今回そこへある意外な角度からのお話が差し込まれてきて、その疑念を覆してくる新展開が起こります。

さらに、ノースリーブ着がちな隼人くん(遠藤健慎)はすでにホントはすごくいい子って確定してたはずなのに、そっからまた波乱万丈な過去が明かされて感情移入しちゃうし、そこへピュアボーイ大樹くんとの対比も生まれるし、でもって『さくらの親子丼』史上、最も声に出したいキャラクター、第2シーズンで登場した、大豆生田香=おおまめうだかおるくん(塩野瑛久)もすっごく気の利いたところで登場するし…。

あとまだまだ、拳銃を隠し持ってるだけでも怖いのにいつも目がサスペンスフルな拓真くん(後藤田しゅんすけ)は、さらにサスペンス感が増していく…んだけどそこだけはずっとトゥービーコンティニュー…。あと雪乃先生(新川優愛)と朝子ちゃん(倉島颯良)の“蝶のタトゥー”のエピソードもあるじゃん。年内で終われんの!?大丈夫!?なのに次の第8話が「さくら、ぎっくり腰になる」ってどういうこと!?ノンキすぎない?!全部が全部気になりすぎる…。

って、つまり、今週も最初から次週予告まで盛りだくさんで見逃せませんよ!!

text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)