7月3日(土)23時40分より、羽田美智子主演、オトナの土ドラ『♯コールドゲーム』第5話が放送される。

本作は、隕石衝突の影響で地軸が大きく変動し急激に寒冷化、マイナス45℃の氷河期に覆われた地球を舞台に繰り広げられる、完全オリジナルサバイバルストーリー。

第4話で政府との交信に成功、ついに救助への光が見え始めた避難所第七支部では、支部長の如月(中村俊介)のもくろみで密かに救助者の選考が行われることに。

優秀な家族として生き残るため、祥子(羽田美智子)と現班長の福山良子(椿鬼奴)、そして謎の清掃員・黒崎(篠原篤)が新班長選挙に立候補。熾烈な選挙戦の末に、黒崎の大勝利という不可解な結果に終わる。一方、木村家の長男である大輝(結木滉星)は、如月への復讐に焦りを募らせ…。

SNSでは「コミカルだけどとても怖い」「ハラハラドキドキする」と、その緊張感にハマる人が続出中だ。

世話好きな性格から避難所の班長を務める良子は、班長の座を奪おうとする祥子とバチバチの関係に。しかし、ひた隠しにしていた息子の家庭内暴力に気づいた祥子に精神的に救われ、今では「姉さん」と慕っている。そんな良子を演じる、椿鬼奴に話を聞いた。

<椿鬼奴 インタビュー>

――椿さん演じる良子に、共感する部分はありますか?

良子は子どものために缶詰などの物資をこっそり盗み取ったりするんですが、私も極限状態ならやるかなって(笑)。「ちょっとくらい大丈夫、これくらいはいいよね」と思う良子の気持ちはわかります。

――良子は、第七支部の班長として被災者のために尽くし、改めて班長選挙にも立候補しましたね。

良子が班長に執着している気持ちはわかりませんでした。私は、面倒なことは嫌いで、リーダー的なのはとても苦手。それこそ祥子さんみたいなしっかり者がいたらすぐにでも代わって欲しいと思うタイプです。

――羽田さんとのシーンが多いですが、現場はいかがですか?

羽田さんが、あんなに明るくて朗らかな方とは知らなかったので驚きました。本当にキラキラしていて、現場が華やかになってきたなと思うと、羽田さんが現場入りしたとわかるんです。「羽田さんという“明るさ”がやってくるんだ」と、本当にそう思いました。

――印象に残っているシーンを教えてください。

クランクインしてからわりと早くに泣くシーンがあったんです(第4話)。家族のことを思って感極まるシーンでしたが、良子の夫(山口森広)と息子の悟(長島令玖)とその日に初めて撮影することになっていたので、「まだ、思い入れが何もない」と思っていて。

撮影の数日前に「どうしよう、泣くシーンがあるから練習しといたほうがいいかな?」と夫の大(グランジの大)さんに相談したんです。そしたら、「練習なんかしたら、本番で泣けなくなるよ」と、急にいっぱしの俳優さんみたいなことを言い出したので、いぶかしいとは思ったけど、大さんも吉本の劇場でお芝居をやっているのでそこは信用して…。

そして当日、場当たり(リハーサル)もなるべく泣かないように、「本番のここってときだけ泣くぞ」と思って演じたら、泣けたんですよね。だから、ちょっと大さんを見直しました。

――仕事の話は、ご主人に相談するほうですか?

仕事の話はお互いによくしています。大さんはセリフ覚えが早くて、パッと台本を見ただけで覚えちゃう。一方、私はなかなか覚えられないので、今回も家で読み合わせを付き合ってもらいました。

「世話好きで、気のいいおばちゃんというキャラクターなんだから、手の動きもおばちゃんっぽく細かくやったほうがいいよ」と教えてもらって、良子がなんとなく手を顔の近くにいつも置いているのは大さんのアドバイスです。

バラエティ番組やネタ番組に出るときにも、「こう思うんだけど…」と私が相談して、大さんにアドバイスをもらい仕上げたりもしています。バランス感覚は、大さんのほうがあって、私は突拍子もなくて考えがまとまっていないので、修正してもらっています。

――大さんは、こういう極限状態になったときに、頼りになりそうなタイプの方ですか?

頼りになると思います。力も強いし、後輩からもよく慕われている様子なので、班長を務めるタイプじゃないかな。あと声が大きいのも、とても大事かもしれない。外も裸足でよく歩いちゃっていますし、サバイバル生活は強そうですよ(笑)。

――頼もしいご主人ですね。

ただ、たまにテレビで夫婦でのお仕事をいただくことがあるんですが、これが本当に内弁慶なんです。カメラが回っていたり、先輩方と共演すると急に喉に玉が引っかかったみたいに声が出なくなっちゃって(笑)。

一方、意外と私は(カメラが回っていても)いつもとあまり変わらないので、結局、私がリードしているみたいになってしまう。たぶん緊張しやすい人なんですよね。そのあたりが、もう少し慣れてくれるといいんですけれど。

——このドラマは、「生きる」がひとつのテーマになっていますが、椿さんの生きるエネルギーは?

今、YouTubeでアニメを制作したり(※)、自分で動画も撮るようになって創作意欲みたいなものが出てきています。テレビと違い、気軽に出演も脚本も私がやっていいのは結構楽しいです。

コロナ禍で長く空いた時間にとりあえずやってみようと思ったのがきっかけでしたが、できるようになってよかったです。

(※)「椿鬼奴チャンネル」連載アニメ企画「宇宙孤児イブキ」

――第5話から、祥子を「姉さん」と慕っていますね。

あの立ち位置のほうが演じていて楽しいです。今まで、良子は少し気を張っていたと思うんです。頼る人ができた方が気持ちも楽ですし、より、本来の明るくて世話好きな感じが出せて、自由に動けるようになると思います。

――視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。

氷河期という珍しい設定の中で人間模様が描かれていて、一風変わった面白いドラマだと思います。

今までドラマに出させていただいたときは、わりとコメディ部分を背負っていることが多く、それは芸人としての延長線上にあるような感じで、ある意味気楽なところもありました。

でも、今回の良子役はシリアスな部分も多いですし、物語にも結構食い込んでいます(笑)。今までにない様子を見ていただければと思います。

<第5話あらすじ>

如月(中村俊介)の思惑通り班長に選ばれた黒崎(篠原篤)は、木村家の“秘密”を知らされる。

黒崎は、隆(やす)を脅して副班長に任命、祥子(羽田美智子)たちを探るよう指示する。急に黒崎と行動を共にするようになった隆を見て、陽菜(久間田琳加)たちはいぶかしむ。

そんな中、一芸一能を披露して競い合う競技大会の開催が発表される。賞品は、なんと牛肉。色めき立つ避難者たちをよそに、祥子は、如月には何か狙いがあるはずと考えを巡らすが…。