2021年4月より、フジテレビでは、竹野内豊主演の月9ドラマ『イチケイのカラス』の放送が決定した。

意外にも、刑事裁判官を主人公として描く民放連続ドラマは今作が初めてのこととなる。馴染(なじ)みが薄く、冷たいエリートと思われがちな裁判官と裁判所書記官だが、今作では彼らの人間臭く温かみのある活躍に光を当てる。

竹野内豊がクセあり刑事裁判官に!爽快リーガルエンターテインメント

竹野内は、東京地方裁判所第3支部第1刑事部(通称:イチケイ)の刑事裁判官・入間(いるま)みちおを演じ、公平さを象徴する黒色の法服に身を包む。自由奔放で型破りなみちおと、みちおに振り回されながらも真実をつかもうと奔走するイチケイメンバーの活躍をコミカル&ビターに描く、全く新しい爽快リーガルエンターテインメントが誕生する。

主人公・入間みちおは、絶対に冤罪(えんざい)を生むことのないよう、自らの足で現場検証を行い、事件の真相を明らかにしていくという異端な刑事裁判官。ひげを生やし、服装はカジュアル。ゆるい空気をまとい、とぼけた発言をすることもしばしば。

お堅い裁判官のイメージとはほど遠いが、しがらみや偏見、先入観に一切とらわれない自由な観察眼と、徹底的に調べ上げる探究心を持ち、弁護士団や検察官たち両方から恐れられているクセ者だ。

一方で、一人あたり常に250件前後の事件を担当する刑事裁判官にとって、迅速かつ効率的に事件を処理することも大きな使命のひとつ。「そんなことはお構いなし」と言わんばかりに、マイペースで事件を深掘りしていくみちおに、周囲のイチケイメンバーたちはいつも頭を抱えている。

また、みちおは元弁護士という異色の経歴の持ち主。裁判官になった背景には、10年前のとある事件が深く関わっているようで…。物語が展開するにつれ、みちおの知られざる過去が次第に明らかになっていく。

竹野内が月9に出演するのは、上戸彩と共演したラブストーリー『流れ星』(2010年)以来、実に11年ぶりとなり、連ドラ出演は『義母と娘のブルース』(TBS/2018年)以来、3年ぶりとなる。裁判官役は、自身初。

実は、この入間みちおというキャラクター、原作上は主人公ではなく、眼鏡をかけた小太りな中年裁判官として描かれているのだが、原作者の了承のもと、ドラマでは主人公に据え、魂はそのままに風貌を大胆にアレンジ。竹野内ならではの、新“入間みちお”像が作られる。

黒木華は、月9初出演で堅物エリート裁判官に!

そんな入間みちおと真逆タイプの裁判官なのが、坂間千鶴(さかま・ちづる)。男性社会の法曹界において若くして特例判事補(※)になった優秀な女性だ。東大法学部出身で将来を約束されたエリート中のエリートだが、冗談が全く通じない堅物なタイプで、「裁判官が的確かつ速やかに事件を処理することで日本の治安が維持されている」と強烈に自負している。

そんな坂間がイチケイに異動してきた理由、それは、事件の処理件数が信じられないほど少なく、会社なら倒産レベルの赤字状態であるイチケイを立て直すため。迅速さと効率性を求める坂間にとって、現場検証を何度も行い、じっくりと事件の真相を深掘りしていくみちおの仕事スタイルは全く理解ができずイライラが募るばかり…。

初めこそ反発してばかりの坂間だったが、事件をただの“案件”ではなく“一人一人の人生”として扱うみちおの信念に気づいたとき、「判決を下すだけではなく、裁判官として何ができるのか」という問いに直面することになる。

(※特例判事補…裁判官として実務を5年以上経験し、判事と同等の権限を有する判事補のこと。)

坂間千鶴を演じるのは、黒木華。『凪のお暇』(TBS/2019年)以来2年ぶりの連ドラ出演となり、月9には初出演となる。また、フジテレビ系連続ドラマへの出演は、『リーガルハイ(第2期)』(2013年)以来、8年ぶり2作目。竹野内豊とは初共演。竹野内同様、黒木にとっても裁判官を演じるのは初めてのこととなる。

また、この坂間というキャラクター、実は原作上の性別は男。坂間真平という堅物な裁判官として登場するのだが、こちらも原作者の了承のもと、ドラマでは性別を女性にし、坂間千鶴という新たなキャラクターとして描いていく。

原作は、浅見理都により2018年に発刊された人気コミック「イチケイのカラス」(講談社モーニングKC刊)。綿密な取材を重ねて紡がれたリーガルコミックの傑作であり、法曹界の中でもファンが多い。

脚本を務めるのは『絶対零度』シリーズ(2010、2011、2018、2020年)や『やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる』(NHK/2018年)などを手がけた浜田秀哉。

さらに、劇中音楽を担当するのは、『HERO』シリーズ(2001、2014年)、『半沢直樹』シリーズ(TBS/2013、2020年)をはじめ、数々の名曲を世に送り出してきた巨匠・服部隆之。

型破りなクセあり裁判官・入間みちおと超堅物エリート裁判官・坂間千鶴。性格も価値観も事件へのアプローチも全て真逆の二人が運命的な出会いを果たした時、難事件の裏に隠された真実が明らかになっていく。笑いあり、涙あり、サスペンスありの爽快リーガルエンターテインメントが誕生する。

<竹野内豊 コメント>

――台本を読んだ感想は?

今まで、裁判官の方にはお会いしたこともなければ、刑事裁判官という職業に焦点が当たった連ドラも今までなかったので、台本を読んで、勉強になりました。イチケイメンバーの会話のテンポも良く、一人一人のキャラクターが生きているので、これは面白い作品になるだろうなと思いました。

――法服を着てみての感想は?

袖が広がっていて、手を広げると本当にカラスのようです。

―現場の雰囲気はいかがですか?

とてもいい方たちばかりです(笑)。まだ、発表できていないイチケイメンバーの方たちも個性的で、イチケイメンバーがそろった時のオフの会話が本当に面白く、笑いの絶えない現場です。

――黒木華さんの印象は?

変幻自在に役を演じられる日本で貴重な女優さんで、いつか共演してみたいと思っていた方でしたので、今回ご一緒できてうれしかったです。

――演じるうえで心がけていることはありますか?

人の今後の人生を左右する職業なので、型破りな役ですが、そこは丁寧に演じていかなければと思っています。

――視聴者のみなさんへメッセージをお願いします。

刑事裁判官に焦点を当てた連続ドラマは初めてとなります。裁判官も、ご覧になってくださる視聴者のみなさまと同じ一人の人間だと思うので、“人を裁く”ということがいかに難しいかということを、一緒に考えていけるような作品が作れたらすてきだなと思います。

<黒木華 コメント>

――台本を読んだ感想は?

イチケイのみんなが個性的で、面白いなと思いました。裁判官というなかなか取り上げられていない仕事にフォーカスが当てられているのも興味深かったです。

――法服を着てみての感想は?

袖を通すとやはり気が引き締まります。なかなか着る機会がないと思うので、ありがたいです。

―現場の雰囲気はいかがですか?

撮影が始まってまだ数日ですが、和気藹々(あいあい)としています。

――竹野内豊さんの印象は?

今回初めてご一緒させていただきましたが、みちおさんを独特な雰囲気や、間で、魅力的に演じてらっしゃってすごく楽しいです。

――演じるうえで心がけていることはありますか?

ただ堅いだけでなく、正義に対して熱い坂間を人間らしく演じられたらと思います。

――視聴者のみなさんへメッセージをお願いします。

個性的なイチケイのみんなと、普段あまり触れることの少ない裁判官という仕事を楽しみつつ見ていただけたらと思います。

浅見理都(原作)コメント>

ドラマ化、大変うれしいです!ドラマで再び『イチケイのカラス』のキャラクターに会えるのを、今から楽しみにしています。馴染(なじ)みのない裁判官という仕事に、興味をもってもらえたらうれしいです!