『ナイト・ドクター』第1話完全版

病院スタッフの働き方改革を目指す柏桜会グループが「あさひ海浜病院」に夜間勤務専門の救命医チーム“ナイト・ドクター”を立ち上げることになった。医師の朝倉美月(波瑠)は新たな就職先にナイト・ドクターを選ぶ。

ナイト・ドクターのスタート初日、スタッフステーションには美月のほかに、深澤新(岸優太)、成瀬暁人(田中圭)、桜庭瞬(北村匠海)、高岡幸保(岡崎紗絵)という5人の医師が集まる。

美月を見た深澤は驚く。数日前、街で倒れたホームレスの診療に手間取った深澤に代わって、鮮やかに処置したのが美月だった。しかも、美月は深澤に「処置出来ないなら医者を名乗るな」と、言い放っていたのだ。

5人の指導医は本郷亨(沢村一樹)。本郷は自分の指導について来られる者だけついてこいと厳しい。そこに、ホットラインが鳴る。工事現場の崩落事故で3名の重症者が出たのだ。全員の受け入れを許可する本郷に美月はホッとする。

運び込まれた重症患者に、救命の現場を知らない深澤と桜庭は戸惑うばかり。本郷に応じるのは救命経験のある成瀬。美月と幸保は食らいついていく。

重傷者たちの処置を始めた矢先、崩落現場で新たな重症者が発見されたと連絡が。すでに7件の病院に搬送を拒否されているという。使えない医師ばかりでは無理だと断ろうとする成瀬を本郷が制して受け入れを命令。本郷は先に運ばれた3名を早く安定させれば済む話だと無愛想に言い切る。

しかし、新たに搬送された患者の足は重度の損傷を受けてクラッシュ症候群を起こしていた。本郷は美月に切断を指示する。美月は患者、重野翔太(斎藤陸)がまだ25歳の若者と躊躇するが、切断しなければ命が危ない。本郷は深澤に重野の家族に連絡するよう命令した。

美月は桜庭、幸保たちのサポートで重野の足を切断。しかし、心臓が止まってしまう。美月が必死に蘇生を試みると心音が戻った。だが、本郷は美月の執拗な蘇生に、重野が脳死ではなければ良いと言い残して去って行った。

一方、深澤は重野の家族に連絡するのだが中々繋がらない。手術を終えた美月は、深澤に代わって連絡を始める。

朝が来た、日勤の美月たちは医師に申し送りをするが、救命センター長の嘉島征規(梶原善)にベッドを満床にするほど患者を受け入れたことをなじられる。

ナイト・ドクターは日勤の一流の医師を守るために働くスペアでしかしかないと告げる嘉島に、美月は文句を言わずに働けと暴言を吐いてしまう。深澤がとりなして大事にはならなかったが、本郷はベッドの問題は他の科と交渉すれば空くと冷淡に嘉島に言い放った。

ナイト・ドクター初日の勤務を終えた美月たちは寮に帰ると一様に驚く。なんと、成瀬や深澤たちも同じ寮で暮らすことになっていたのだ。

その夜、再び勤務に就いた美月たちは、重野が亡くなった事を知る。駆けつけた重野の恋人に、美月はただ頭を下げるだけだった。

しかし、救命センターは感傷に浸っている暇はない。すぐに患者が搬送されてきた。身元不明の患者の治療にあたる美月たち。だが、患者は亡くなってしまった。深澤は、そんな過酷な現場に自信を無くして弱音を吐く。だが、桜庭以外、深澤を励まそうとする者はいなかった。

仕事を終えた深澤は、本郷の立ち会いのもと八雲徳人院長(小野武彦)に内科に戻して欲しいと頼む。八雲は深澤に残ってほしいのだが、本郷は弱音を吐くような人材はナイト・ドクターには必要ないと告げた。

夜勤明けの美月は、その夜の仕事が休みのため、恋人の佐野大輔(戸塚純貴)と久しぶりに中華街でデート。今日ぐらいは仕事を忘れると約束する美月だったが…。

同じ頃、深澤の妹、心美(原菜乃華)も兄には内緒にしている彼氏の岡本勇馬(宮世琉弥)と海辺の花火大会を楽しんでいた。だが、心美は突然、お腹に痛みを覚えて勇馬を待たせて薬を飲みにいく。しかし、持病を抱える心美は携帯しているハズの薬がないことに気づき…。

勇馬は心美を待つがなかなか戻ってこない。そんな時、勇馬のすぐ側で屋台のガスボンベが爆発。その煙は、大輔とデート中の美月も目撃。仕事は忘れると大輔に約束した美月だが、現場に向かってしまう。

一方、あさひ海浜病院には事故現場へのドクターカー出動要請が入った。本郷は、成瀬、桜庭、幸保を連れて現場に向かう。病院には、深澤1人が残された。

本郷たちが現場につくと、すでに怪我人のトリアージが進んでいる。美月が行っていたのだ。指揮に就いた本郷は、美月に新たな患者を診るよう指示。それは、勇馬だった。

傷つきながらも勇馬は心美の行方を心配している。そんな時、救命センターでは不安な気持ちで残る深澤を無視するかのようにホットラインが鳴った。応答する深澤には、受け入れを断ることしかできない。だが、深澤はその患者が心美だとは知らなかった。

美月が勇馬を励ましていると、消防隊員が患者の受け入れ先が決まらない救急車が立ち往生していると伝えに来た。患者の容態は緊急度が高いと聞いた美月は救急車へ向かい、「あさひ海浜病院」へ行くよう指示する。

病院では本郷が手配した応援医師が到着したことで深澤が一安心したところに、先程、自分が断った患者が運ばれて来る。美月の治療を受けながらストレッチャーで運ばれているのが心美だと知った深澤は震えてしまう。心美は美月と現場から戻った成瀬たちの緊急手術で一命を取り留めた。

ICUで深澤が付き添っていると、心美が目を開けた。深澤が謝っていると、美月が来た。美月を見た心美は、自分を救ってくれた医師だと知って涙を流す。

深澤が病院の屋上でうなだれていると、美月が来た。心美の受け入れを断ったことを悔いる深澤に、美月は「別にあんただけではない」と話しだす。実は美月の母も病院をたらい回しされた挙句、亡くなっていたのだ。だから、100人中、99人が救えなくても自分は受け入れると言う美月は、たった1人でも救えるなら諦めない、患者に朝を見せてあげたいと話した。

美月は心美を診ることに必死で、バッグを救急車に忘れていた。そのバッグを救急隊員から預かった桜庭は、落としてしまい、散らばった物の中にあったカードに桜庭は釘付けになる。

一方、深澤は申し送りの前に、もう少しここで働きたいと本郷に頭を下げた。

美月は大輔のマンションへと向かう。スペアキーで部屋へと入って行く美月が寝室を開けると、大輔が女と一緒にいて…。

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