毎週月曜21時より、フジテレビでは、波瑠主演のドラマ『ナイト・ドクター』が放送されている。

本作は、波瑠演じる主人公の救急医・朝倉美月(あさくら・みつき)が、夜間救急専門のナイト・ドクター結成のために集められた、年齢も性格も価値観もまったく異なる医師たちとともに、昼はそれぞれの人生に、夜は命に向き合いながら絆を紡いでいく、完全オリジナルの“青春群像医療ドラマ”。

常に身なりに気を遣いながら仕事も完ぺきにこなし、プライベートではハイスペックな彼氏持ちというナイト・ドクターの1人、高岡幸保役を演じている岡崎紗絵にインタビュー。

美月、成瀬(田中圭)、深澤(岸優太)、桜庭(北村匠海)とともにナイト・ドクターとして奮闘する幸保のこと、共演者との撮影中のエピソード、忙しい毎日の中で癒しの時間を聞いた。

<岡崎紗絵 インタビュー>

──まずは、演じている高岡幸保の役柄をお聞かせください。

高岡は計算高くて、高飛車で、仕事もプライベートも両立してやっていきたいという志の高い女性。男性にも劣らず働きたい思いがすごく強いですね。それだけ強い思いがあり、ベースには“できる人”というところがるので、医療の所作もテキパキできるように医療監修の先生に教えていただきながら演じています。

──医療所作で特に難しいのは、どんなことですか?

基本的には全部難しいんですけど、特に挿管という気道確保のために器具を入れ込む動きがあるのですが、その器具が“入っているように見せる”というのがすごく難しくて。しかも、周りを見て指示も出しながらその動作をしなければいけないですから。苦労していますね。

──この作品に関わることで、医療に関して気づかされることはありましたか?

生死をすごく近くに感じると言いますか、救急搬送されてきた患者を受け入れてもすべてが助かるわけではなく…助けられないこともあって。そこに対する苦悩は、医療にかかわる皆さんお持ちなんだろうなと思うと、私でも胸が痛くなります。そこに関して、役としてもいろいろ思うことはあります。

あとは、やっぱり昼間とは患者さんの事情がちょっと違うと感じます。具体的に言葉で表現するのは難しいのですが…。夜に運ばれてくる患者さんにもそれぞれドラマがあって、それは夜間救急ならではかなと感じました。いろいろと考えさせられますね。

──幸保を演じる上で意識していることは何かありますか?

幸保は冷静に物事を見ることができるので、声のトーンは場合によっては低めにしています。あとは、命令口調というか、結構語気が強いですね。

──救急経験者、未経験者、医師歴など、すべてがバラバラなキャリアの人が集まっている中で、5人ともタメ口で話しているところが、すごく新鮮ですよね。

私も最初に台本を見たときは、すごく驚きました。成瀬先生や朝倉先生とキャリアにかなりの差があるのに、なんでそんなすぐに呼び捨てにできるんだろうと。その点は最初に皆さんと相談しましたね。

でも、幸保に関しては、気の強いキャラなので、割と早い段階で呼び捨てに対する違和感はなくなっていたかもしれません(笑)。

──本作は医療だけではなく、ナイト・ドクターたちのそれぞれのプライベートな姿も描かれると思います。岡崎さんご自身が思う幸保の人間的魅力はどこにありますか?

表面上、強い人に見せていますが、過去に「自分が強くならなきゃ」と思う出来事があってそうなってしまっています。根底には優しい部分もちゃんと持っているんですけど、自分の中でいろいろな葛藤があった末にそうなっているんです。だから、本当はそんなに強い人間じゃないというところが、魅力ですかね。

強がって、「できなきゃ」「やらなきゃ」と思ってしまっているということが、回を重ねるごとに表れていきますし、美月をはじめとした同僚のみんなの影響を受けて幸保自身もすごく変化していきます。きっと、序盤と物語の後半で幸保のイメージは変わると思います。

──番組の宣伝で出演した番組などを見ていると、キャストの皆さんの仲の良さが印象的ですが、最初から和気あいあいとした空気はあったのでしょうか?

はじめから仲は良かったと思います。やっぱり波瑠さんや田中圭さんがすごく柔らかくフラットな方なので、その場に居やすくしてくださるというか。みんなで話しやすい空気を作ってくださるんです。

特に波瑠さんは、今回が初めての共演でしたが、なにげないお話からお芝居のお話まで、いろんなお話をしてくださって。すごくうれしかったです。

──波瑠さんとの会話で、特に印象に残っていることはありますか?

波瑠さんが演じる美月って、すごくセリフが長くて多いんですよね。タイトなスケジュールな中でも完ぺきに覚えていらしていて、本当に尊敬しています。その話をしていたら、波瑠さんは「いや、私はできないからこそ頑張って補っているんです。努力です」とおっしゃっていて。そう言えるのがすごくかっこいいなと思って、印象に残っていますね。

──これまでの撮影で一番笑った、撮影現場でのエピソードを聞かせてください。

常に笑っているんですよね…(笑)。あ、一番最近の話がありました。圭さんが、岸(優太)くんの体を突然ガッと触って驚かせるということをよくやっているんです。本番直前にやると、ワッと笑いが起こるときと、その行動がお芝居に影響を与えることがあって。

岸くんって、歩き方がすごく特徴的なんです。言葉では説明できないのですが(笑)。でも、圭さんからガッと触られたことによって、体が勝手に「役に戻らなきゃ」と思うのか、スッとした歩き方に変わっていて。後ろから歩く姿を見ていた私たちは「変わった!」って盛り上がっていました。…これは、映像がないと伝わりませんね(笑)。

──指導医・本郷役の沢村一樹さんは、その仲の良い皆さんの中で、どのような存在なのでしょうか?

沢村さんは、とにかく優しくて、あの笑顔で、私たちがわちゃわちゃしているのを「ふふっ」と見守ってくださっている感じですね。もちろん、沢村さんも楽しい方なので、一緒にふざけてくださることもあって(笑)。

でも、役に入ると、普段の柔らかい空気の沢村さんとはギャップがすごくあり、かっこいいですよね。初めて予告映像を見たときに、感動しました。役者さんとして尊敬しています。

──岡崎さんが演じている幸保は、仕事もプライベートも手を抜かないというポリシーがありますが、岡崎さん自身が仕事をする上で譲れないものや、「これがあるから頑張れる」という存在は何かありますか?

その話、波瑠さんとも現場でしていました。「これがあるから頑張れるっていうものって、絶対必要だよね」「そういうものがあると心が楽だよね」と。私自身、そういうものを持ち合わせていないので、これから探したいなと思っています。

ただ、仕事をする上で譲れないというか、大事にしているものはあります。私は、とにかくその場の空気を大事にしていて。空気が良ければ何もかも…と言うと語弊がありますが、だいたいのことはうまくいくのではと思っていて。だから、「その場の空気を良くするために、ちょっと考える」ということは意識しています。

例えば、自分から積極的に周囲の皆さんとコミュニケーションをとるとか、本当に小さいことですけどね(笑)。

──ドラマの撮影などで忙しい毎日の中で、岡崎さんにとっての癒しはなんですか?

お医者さんってずっと立ってるんですね。それがすごく大変だなと、このドラマの撮影をしていて知りました。本当に座ることがほぼないので、毎日足が棒です(笑)。

だから最近、家ではふくらはぎのマッサージ機を使っています。かなり前に買ったのですが、あまり使っていなくて。今回のために買ったんじゃないかというくらい、重宝しています。やっぱりふくらはぎのマッサージは大事だと思いました。翌日のコンディションが全然違いますから。過去の自分に感謝ですね(笑)。

撮影:河井彩美