最終回、まさかまさかの爆笑オチ!!!

前回のハッピーエンディングから一転。え?チャンネル間違えた?って思うくらい『さくらの親子丼』らしくない…っていうかむしろこっちのほうが通常営業だったわって我に返るくらい「オトナの土ドラ」感出しまくりの“戦慄のオープニング”から始まり、途中から見た人はどんな修羅場なん!?ってなるに違いない“破壊行為”が繰り広げられてるってのに、最初から見てるこっちは気持ち入りすぎて涙が止まらない“感動のクライマックス”を経て、最終回あるある“登場人物全員の現在”を紹介してる間に、なんていい最終回…ハートウォーミング!!って余韻に浸って…、ほっこり…、してたら、まさかまさか、ラストのラストで爆笑オチ!!!

頭から尻尾まであんこたっぷり!まさに“鯛焼き最終回”ですね!?

っというわけで若干どや顔、うまいこと言ったった!風にはじめてみましたがいかがでしょうか。その出来不出来はどうでもいいとして、つまり最終回、最後の最後まで物語がてんこ盛り、やっぱり「オトナの土ドラ」は眠らせてくれないよね!ってことです。

だって拓真くん(後藤田しゅんすけ)の“拳銃”に、朝子ちゃん(倉島颯良)の“背中の蝶”、そしてそれに関連して雪乃先生(新川優愛)の“鯉の滝登り”まで、この最終回だけ、正味45分で解決させちゃうんだから、そらてんこ盛りで見逃せないに決まってるよね!

まず、拓真くん(後藤田しゅんすけ)の“拳銃”ですよ。これまで明かされてた拓真くんといえば、実母に首を絞められ、殺されかけ、錯乱した母は飛び降り自殺を図った…っていう過去に加えて、現在進行形では、拳銃を隠し持ち、たまに小さな生き物に対して狂気を見せ、“ハチドリメンバー”との交流の中でもどこか空虚、危うさが拭い切れない…というとてつもなくスリリングな人物。

なんだけど、今回、新たに明かされた拓真くんの過去によって、さらに闇が深いことが判明するもんだから、これ、最終回で、残り時間も少ないってのに解決できるのかよ!…ていう心配も束の間。それが見事に、美しく、解決へと導いていくんですからね。すごい。

その“どうやったって無理だろう”ってのを解決させるきっかけとなるのが、今回拓真くんに渡された“あるプレゼント”。そのプレゼントがもうあまりに狙いすぎてて、なことで改心すっかよ!って思わせるんだけど、それを一回、やっぱり改心するわけねー!って驚かせておきながらの、その後付け加えられるエピソードによって、難なく解決へと導かれ、その導かれ方があまりにも気が利いてて、素敵すぎて、どんなに深刻な状態にある拓真くんでも、“うん、納得”と思わせる展開を見せます。

そしてそれだけじゃなく、なぜ拓真くんのエピソードは、最終回の今まで引っ張られたのか?ってとこもキーポイント。拓真くんがこれまで過ごし、僕らが9話に渡って見届けてきた“ハチドリの家”を知っているからこそ、どんなに深刻な拓真くんであろうとも、その先にある希望の未来を、“違和感なく”描けるんですよね…。

でもって、最終回。最大の見せ場と言えるのが、朝子ちゃんの“背中の蝶”と、雪乃先生の“鯉の滝登り”ですよ…。朝子ちゃんがこれまで苦しめられ、誰からも共感されず、ひとりぼっちにさせていた、背中に父親から無理やり彫られた“蝶”と、雪乃先生の背中にもあった“鯉の滝登り”が重なったとき、二人はようやく心が一つになるのです…。

で、その瞬間、朝子ちゃんが雪乃先生に放った何気ない一言…、

「雪乃さんって、超幸せにやってきてた人だと思ってた…」

に視聴者全員が、大きくうなずくことになります…。

っとそんな冗談は置いといて、その心が一つになった後の、二人の行動がもう号泣なんです。

まず雪乃先生の、“あのオムライス”に、もうワンエピソードあったんですけど、それがまた悲しいのなんのって、雪乃先生にもっともっと共感してしまって、心を持っていかれるのです。でもって、そっから冒頭紹介した“破壊行為”ってのにつながるわけですけど、それは雪乃先生が朝子ちゃんのために引き起こすことなんだけど、そこから伝わる力強さ、たくましさが涙を誘って、それによってさらにさらに心を持っていかれ、最後、朝子ちゃんのための“説得”なのに、その言葉のすべてが、雪乃先生、自分自身へのメッセージでもある…ってわかった瞬間、心が全部持ってかれ、涙で画面が見えなくなるのです。

だって雪乃先生って“超幸せにやってきてた人”に見えたじゃないですか?なんだけど、ホント壮絶な過去を持ってたし、だからこそ、そこから沸き立つような熱い思い、伝わってましたよね…。それはつまり、新川優愛さんが、苦労知らずに見えながら、奥底には何かをきっかけにした強い信念と、とてつもなく太い“芯”みたいなものを持ってる女性…、それをちゃんと表現できていたってことなんですよね…。今回のシーズン3の成功は、それがうまくはまったから…といっても過言ではないですね…。

っとか言いながら、結局、やっぱり心底はまってたのは、真由子ちゃん(井本彩花)と大樹くん(細田佳央太)のボーイミーツガールですよね。

なんだけど、ドラマ終盤、サンタ姿の大樹くんと、それにいちゃつく真由子ちゃんという、まさにサービスショットと言わんばかりの映像が流れるんだけど、なんか、もうボーイミーツガールじゃなくなってる、成就しちゃってる真由子ちゃんと大樹くんって…。特に“サンタ姿の大樹くん(キラーン☆)”には、若干、イラっとしちゃったよね…。だって、だってさ、なんか幸せそうでさッ!!チェッ!!(嫌なオトナ)

っとまあ、最後の最後まで興奮しきり。レビュー読む限り、え?さくらさん(真矢ミキ)、いましたっけ?って感じ、半端ないんですが、ご安心ください。最後の最後の大ラス、“爆笑オチ”は我らがさくらさん劇場です!!もうあんまりにも笑っちゃうから、全部持ってっちゃうし、それまでのエピソード全部忘れちゃうほどの破壊力!!どうぞ、最後までお見逃しなく!!

いや、当初は『さくらの親子丼』、シーズン3までくると、もうやることないんじゃないか?なーんて心の片隅で思ってたけど、これ一個一個のエピソードをもっと深く展開させたり、メンバー入れ替え制度があったり、過去の登場人物たちのその後も入れたりなんかしてたら、“渡る世間”ばりの話数いけるよね。なんなら途中、『雪乃先生のオムライス』っていうスピンオフもできちゃうし、あとシーズン10くらいまでは余裕でいけますよね。つまり、そう、また見たいんです!!ぜひ次もお願いします!清水(有生)先生!!(脚本家の先生)

text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)