毎回さまざまなジャンルで活躍するゲストが集い、多彩な話題や事象を取り上げていくフジテレビのトーク番組『ボクらの時代』。
12月20日(日)の放送は、総合格闘家の朝倉未来(みくる)、弟の朝倉海(かい)、そしてキックボクサーの那須川天心が登場した。「『RIZIN』の控室で会ったのが初対面」と振り返る3人が、格闘技を始めたきっかけ、「ヤバかった」試合、目指しているところなどを語り合った。
朝倉兄弟、本気の路上スパーリングは失神が当たり前!?
自身は長男である那須川は、朝倉兄弟の関係性に興味津々の様子。
那須川:(未来は)もう、「絶対的な兄」ですか?
海:そうだね。
未来:そこは、そうだね。
海:歯向かったことなんてないよね。
未来:ないよね。
海:一回もない。
那須川:歯向かおうとは思わないんですか?
海:小さいころからね、やられてきてるから。
那須川:えー、怖っ!
未来:(笑)。
小学生のころまでは殴り合いのケンカをしてきたが「だんだん学習していくんだよ。勝てないからやめておこうって」と、海は弟としての悟り!?を語った。強かった未来は、格闘技を始めたのは「ケンカの延長」と明かす。
未来:ケンカで敵なしになって、格闘技のジムに行ったら、寝技でやられて。
那須川:へぇ。
未来:「お、強い奴たくさんおるな」っていうことで、格闘技の世界に。「弟も強いのかな?」みたいな感じで、路上スパーリングして。才能があったから「一緒にやるか」みたいな感じ。
那須川:路上スパーリングの動画見たことあるんですけど、マジで殴りにいってますよね?
未来:マジよ、あれ。当時はね、今より失神させることに対しての抵抗がなかったよね。
那須川:えぇ!?
未来:「当然でしょ」みたいな。
海:弟ですからね?ヤバくない?
那須川:(笑)。
海:(自分の)弟、失神させに行けないでしょ?
那須川:無理です、無理です!
「リングの上じゃないと、失神させようと思わないです」と驚く那須川に、未来は「俺は、路上がリングだったからね」と当時を振り返った。
那須川「結構負けていた」意外な幼少期、父への感謝
一方、5歳で空手道場に通い始めたという那須川に、未来から「いつから自分がちょっとほかより強いなって気づいたの?」と質問が。
那須川:県大会とかは勝てるんですけど、全国とかいくと、全然勝てなくて。
海:そういう時期もあったんだ?
那須川:ありました。僕、結構負けてたんですよ。
未来&海:へぇー!
那須川:で、最初に負けたときに、父親に火がついて。その日からマジで、ずっと特訓してました。
「学校で遊んだ記憶がない」ほど、父親とトレーニングに励んでいたという那須川は、練習方法も明かした。
那須川:父親がやるのはミットを持つことと、マススパーリング(寸止めや力加減を抑えたスパーリング)をやっているときのアドバイスだったり。あとは、テクニックですよね。
未来:テクニックがすごいよね。ほかの人たちと違うのは、たぶんそこだと思うよね。
那須川:そうっすね。
未来:天心くんの、あのきれいな…ガチの試合でもきれいなフォームを保ったまま。変なクセとかついてなくてさ。
那須川:やりこんでましたね、ずっと同じことを。
本番でも練習のままのフォームで試合に挑める那須川を、未来は絶賛。那須川自身も「試合を想定して、誰よりも考えて練習していると思う」と自信を見せた。
那須川:結構、「才能で勝ってきた」と言われるんですけど、僕は全然「才能型」ではない気がするんですよね。
未来:才能は、もちろんあると思うよ。
那須川:本当ですか?
未来は、那須川のことを「才能プラス、努力」と分析した。
朝倉家の父親も同様に厳しく、小学生のころから厳しいトレーニングを「泣きながらやっていた」(海)と明かすが、「すごい情熱と愛情」(未来)と感謝を述べると、那須川も「おかげで基礎ができた」(那須川)とうなずいた。
「ここで負けたら終わり」の試合を勝ってきたのがトップ選手
3人は共に戦ってきた「RIZIN」での「那須川VS堀口恭司選手」(2018年9月30日「RIZIN.13」)や、海のデビュー戦の「VS才賀紀左衛門選手」(2017年12月29日「RIZIN FIGHTING WORLD GRAD-PRIX 2017 2nd ROUND」)など、思い出の試合を振り返る。
海:あれ(紀左衛門選手との試合)が一番プレッシャー感じたかもしれないね。そこで負けてたら終わってたというか。
未来:でも、スターになる選手って、そういうのを乗り越えたやつじゃないと無理だよな。
那須川:確かに。
未来:「ここで負けてたら終わってた」みたいな試合を勝ってきたやつが、結局、トップにいるから。
那須川:それは、すごくわかります。
海:そこで勝てるかどうかだからね。
那須川:そうですよね。そこで勝っていって「お、こいつやるな」と世間に認められるじゃないですか。
未来:(自分も)矢地(祐介)くんとか、すごかったもんな。煽(あお)り合いがさ。負けたら外歩けないレベルの煽り合いして、めっちゃ盛り上がったね。
那須川:そうですよね。で、勝ったときに得るものデカいですよね。
未来:確かに。まぁでも、プロだったらあれくらいしないとね、ダメだと思うよね。
強い選手同士で練習してこそレベルアップできる
3人は、格闘技界の底上げについても言及。
那須川:今、ジムが別々にあるじゃないですか。もう、そういうこと言ってる場合じゃないと思うんですよね。みんな集まって、例えばMMA(総合格闘技)だろうが、キックだろうが、ボクシングだろうが、みんな一緒になってやった方がいいと思うんですよね。
未来:俺も、本当にそういう考えよ。
海:強いやつ同士で練習したほうが早いしね、絶対。
未来:矢地くんとかも来はじめてね。
那須川:あ、そうなんですか。
未来:結構、楽しくやってる。
「対戦相手とはいい試合すると仲良くなる」(未来)、「拳を交えるとお互いを認める」(海)と、格闘家同士の友情も語った。
堀口選手との大晦日再戦を目前にした海の思いとは?
「RIZIN.18」(2019年8月18日)で、最強とされていた堀口選手を倒し「一夜にして人生が変わった」経験をした海。「今年もまたやりますからね」と、大晦日に行われる「RIZIN.26」での再戦を口にする。
那須川:それに対しての思いとかあるんですか?
海:特別感はあるよね。堀口選手とやるっていうのは、ほかの選手とやるのとは違うというか。みんなが認めてると思うし、本当に強いし。楽しみだね、本当に。
未来:今回は相当強いと思うよ。やっぱり堀口選手の実力がすごいから。(昨年は)おごりとか出てたと思うんだよね。朝倉海って、「RIZIN」で4勝しかしてなくて、2階級制覇の堀口選手が「ガチで試合まで練習してなくても、いけるでしょ」みたいなね。今回はもう違うからね。ある程度、強いと思われてるから。全力で来ると思うよ。
海:まぁ、きつい戦いにはなると思うな。
格闘技に魅せられて…いつまでも強くいたい
最後は、今後の目標について語った3人。「格闘技を広めたい」と、率先してYouTubeのチャンネルを開設し、現在チャンネル登録者数が163万人いる未来。それぞれチャンネルを持つ海と那須川も「チャンネル登録者100万人超えたい」と意欲を見せた。
未来:格闘家としての目標は?
那須川:今、ずっと無敗でこられているので、まずは負けたらダメだなというのは思いますし。あとは、誰もやったことのないようなことをどんどんやっていきたいなというのはあります。
未来:ボクシングやりたいんだっけ?
那須川:挑戦したいなっていうのは。
3人は、那須川が、井上尚弥選手と対戦するような日が来たら「ヤバい」「視聴率取れる」と盛り上がるが…。
那須川:誰かと比べられるとかではなくて…。
未来:唯一無二になりたいという感じか。
那須川:はい。
未来:もうなってるよね、半分。
那須川:まだまだ満足できていないんで。
未来:(海に向かって)目標は、UFC(アメリカの総合格闘技団体)チャンピオンだっけ?
海:どうせやるならね。世界チャンピオンにならないと意味ないと思っているし。
「今、日本人で唯一可能性があるんじゃないですか」(那須川)、「堀口選手に勝てたら、一番近くなるかもね」(未来)と海の活躍に期待した。
一方「30歳までに辞めたい」と公言する未来だが…。
未来:「こいつにはどれだけ練習しても勝てないな」と思って辞めたいから。まだそういう人に出会ったことないから、そこまでは強いやつとどんどん戦っていきたい。格闘家としては、今後の格闘技界に貢献していきたいね。もっといい方向に持っていけるかなと思う。
海:格闘技って魅力あるよね、何か。ほかの何よりも…。
那須川:ありますよね、刺激?
未来:刺激中毒みたいなところがあるから。あの緊張感でアドレナリン出して試合して勝ったときの喜びは何にも代えがたいよね。
格闘家ならではの思いに共感し、そしてそれだけに留まらずマルチに活躍していきたいと語り合った3人は「40代になってまたこうして鼎談してみたい」と番組を締めくくった。