岩田剛典と新田真剣佑が初共演することで話題の映画「名も無き世界のエンドロール」が、1月29日(金)に公開される。
本作は、2015年に単行本として発売され、予想外の結末が話題を呼んだ人気作。親がいないという共通点を持ち、お互いに支え合いながら生きてきたキダ(岩田)とマコト(新田)が、10年もの歳月をかけて、日本中を巻き込んだ“ある壮大な計画”を実行していく物語だ。
フジテレビュー!!は、キダとマコトの幼なじみで、物語のキーを握るヨッチ役を演じた山田杏奈にインタビュー。撮影時のエピソードや自身の恋愛観、20歳になり大人の仲間入りを果たした今年の抱負などを聞いた。
<山田杏奈 インタビュー>
岩田さんの現場での気遣いに感激「居心地がよかった」
──山田さんは、ヨッチをどんな役と捉えて演じていましたか?
すごく複雑な子だなということは、はじめに思いました。見かけや、しゃべり口調は強いけど、実際は、彼女なりの恐怖や孤独とずっと闘っているような子で。だけど、キダ(岩田)とマコト(新田)と過ごすことで心の安定に繋がっていく。その何層にも重なったヨッチの要素を丁寧に表現できたらいいなと思っていました。
──演じる上で難しかったことはありますか?
ヨッチ自身は…漠然と「この世界はいつまで続くのか」とか「私はいつまで人と居られるか」ということを考えています。すごく寂しがり屋で、ずっと不安を抱えているので、いくら楽しいシーンでも、一瞬ふっと寂し気な表情が入るときがあるんです。その切り替えは難しさでもありました。ただ、それがヨッチらしさだろうと思っていたので、意識して演じました。
──ご自身と似ている部分、まったく違うけど尊敬できる部分などはありましたか?
性格的なことではないのですが、キダとマコトという“絶対的な2人”というか…「この人たちといれば、私は生きていける」「幸せでいられる」と思える人と出会えたヨッチは、うらやましいなと思います。そんな人と出会えることって、なかなかないと思うので。
──山田さんは今まで、そういう方との出会いはないですか?
家族など血が繋がっている人に対して思うことはありますが、ヨッチとキダとマコトの関係は、家族以上のものだと思うんです。いわゆる“他人”に「この人といれば絶対」と思えることって、やっぱり希有だなと思いますね。
──そんなキダとマコトを演じた、岩田さんと新田さんの印象をお聞かせください。
お2人とも本当にストイック。お仕事に対して真面目な方だなと思いました。本当に集中力があって、引きつける力がすごく強い方たちなので、一緒にお芝居していても、本当に楽しかったです。
岩田さんとの撮影で印象的だったのは、地方での撮影の時に、マネージャーさんに飲み物を頼まれていて。みんなの分の飲み物を用意してくださっていて。そういう現場がいい雰囲気になるような気配りをされる方なんだな、素敵だなと思いました。
新田さんは…不思議な人ですね(笑)。弟の(眞栄田)郷敦くんと共演させてもらったことがあったので、「(眞栄田と)一緒だったよね」という話をしていただいて。3人とも、自分のペースを持ちながらも何気ない話もたくさんできたので、居心地が良かったです。
──監督と役柄について話し合ったことはありましたか?
ヨッチは割とサバサバしているけど、芯のところには何か熱いものがあるということは監督と話していたので、意識して演じていましたね。
あ、先ほどの「役と似ている部分」ですが、サバサバしていて男っぽいところがヨッチと似ていると思います!人にも言われることが多いですし、自分でも男っぽい性格だなと思いますし、本当に面倒くさいことが嫌いなので(笑)。
──好きなシーンはありますか?
キダとマコトと3人で、ファミレスでしゃべっているところです。ヨッチに関しては、ネタバレになってしまうので、なかなか話せることがないんです。でも、ファミレスでの撮影は楽しかった。
あとは、なんといってもナポリタンに注目です!話せることが少ないから、「ヨッチはどういう子ですか?」と聞かれると、今は「ナポリタンが好きな子です」と答えているんです。「見どころは?」という質問には「ナポリタンに、チーズとタバスコをいっぱいかけます」と(笑)。
──“いっぱい”が、尋常じゃない量でしたね。山田さんご自身のファミレスでの思い出はありますか?
毎年、中学のときから仲のいい幼なじみ4人くらいで、元日に日の出を見に行って、ファミレスに行って、昼過ぎまでしゃべる…ということをここ数年続けていて。普段はみんなバラバラに暮らしていて集まれないので、年に1回の楽しみです。本当にいくら話しても話が尽きないから、面白いですね。
「恋愛をするならマコト、結婚をするならキダ」パートナーに求める条件は?
──この映画では、男性2人と女性1人の友情が描かれています。山田さんご自身は3人のような友情関係はアリですか?
なかなか難しいなとは思いますけど…人間的に好きというところもあると思うので、3人の関係を壊さないように、うまくできることが一番いいんだろうなと私自身は思います。
そこから、もし恋愛に発展する場合、誰も傷つかなければ、全然アリだと思います。でも、たぶん誰かを傷つける結果になりそうだなと思って、私だったら離れちゃうかもしれないですね。だから、恋愛関係はナシですかね…。面倒くさいことが嫌いなので(笑)。
──山田さんは、キダとマコトはどっち派ですか?
初めて聞かれました!どっち派か…難しい。キダかな。優しそうだから。でも、マコトでもいいな…。付き合うならマコト、結婚するならキダですね(笑)。マコトは一緒にいて楽しそうで、キダは一緒にいて安心しそうなので。
──恋人には楽しさを、結婚には安心を求めると…。
そうですね。あとは、どちらにしても嘘をつかない人がいいです。自分の保身のために人を傷つけたり、その場しのぎのことをふと言っちゃったりする人はあまり得意ではないです。
かっこ悪く見えてもいいから、ちゃんと正直に話してくれる人のほうが素敵だなと思いますし、私もそうありたいなと心がけているので。「かっこつけてやっちゃったんだけどさ」と言える人は、結果的に、「かわいいな」とか「愛おしいな」と思えますよね。
──先ほど、ヨッチにとってキダとマコトは“絶対的な2人”というお話がありました。山田さんにとって「これがないと生きていけない」ものはありますか?
犬を含めた家族ですね。失いがたいなと思います。私、まだ身近な人を亡くしたことがなくて。でも、いつかは来ることじゃないですか。家族に限らず。今、一人暮らしをしていて、だいぶ生活的な面では1人でやっていけている部分がありますが、精神的な部分はどうしてもそこ(家族の存在)に元があるので。そこがなくなったら…ということをたまに考えちゃいますね。
──しっかりした考えをお持ちですが、先日、20歳になりましたね。抱負を聞かせてください。
20歳になったからといって、お仕事的に大きな変化はないですかね?でも、今はやっぱり学生役が多いので、少しずつ大人な…社会人の役などが増えていったらいいなと思っています。
あとは、いろいろな人と交流を広げたいです。今までは、10代っていうこともあり、打ち上げの二次会みたいなところには行けず…。帰されちゃっていて(笑)、そうすると深く話すことができないスタッフさんも多かったんです。だけど、20歳を超えたことで、今まで顔を出せなかった場所で、いろいろな方の話を聞いてみたいなと思っています。
──スタッフからどんな話が聞きたいですか?
スタッフさんの現場での顔は知っていますけど、皆さんどういう生活を送っているのか…興味あります(笑)。たまに「お子さんいらっしゃるんですよね」と話すと、写真を見せてくれるんですけど、打ち上げの席ではまた違う話が聞けるのかなと思っていて。お世話になった方々のプライベートなお話をたくさん聞きたいです!
撮影:今井裕治
映画「名も無き世界のエンドロール」は1月29日(金)全国ロードショー。
©行成薫/集英社 ©映画「名も無き世界のエンドロール」製作委員会
配給:エイベックス・ピクチャーズ
最新情報は、映画「名も無き世界のエンドロール」公式サイトまで。