小説「とんび」(著・重松清)の映画化決定が発表された。公開は2022年予定。
主人公の市川安男役は、「テルマエ・ロマエ」『下町ロケット』などで大ヒットを飛ばした阿部寛が務める。また、安男の息子・市川旭役には、「思い、思われ、ふり、ふられ」「とんかつDJアゲ太郎」「東京リベンジャーズ」など幅広いジャンルでの映画主演が続く若手実力派の北村匠海。2人は本作が初共演となる。
<阿部 寛 コメント>
――映画化に向けて、皆さんへメッセージをお願いします。
これまで 2度映像化されている名作ですから、プレッシャーはありました。『阿部さんのヤスが見てみたい』という言葉をもらい、お受けすることを決めました。これだけ魅力的な主人公を演じられるというのは非常にやりがいがありました。
昭和 30 年代から令和までという長い時間を描いています。今、世の中が世界的に分断され、さらにコロナウィルスで人々の間に亀裂が入り、距離が生じている時だからこそ、人々が助け合って生きるこの物語が、皆様に届いてくれればい いなと思います。
――北村匠海さんの印象を教えてください。
伝えることに対しての才能が素晴らしい。それは饒舌とかじゃなくて、一つ一つの言葉が心地よく伝わってくる。役柄でもダメな父を理解し、母を亡くした父の苦悩を背負うアキラを見事に演じてくれた。匠海くんとなら「とんびと鷹の物語」ができると感じました。
――瀬々敬久監督の印象を教えてください。
瀬々さんにはいつも本当に感動する。惜しみなく作品の為に自分を使い、なりふり構わず撮影に集中していく。役者の気 持ちや演技をしっかり見ていて、周りを見ながら最大限の撮影をしていく。そんな監督を皆信じて進行している現場でし た。
<北村匠海 コメント>
――映画化に向けて、皆さんへメッセージをお願いします。
テレビドラマに続き3度目の映像化で、出演のお話をいただいた時にプレッシャーはありましたが、監督から「北村匠海のアキラでいい、何にも引っ張られる必要はない」という言葉をもらい、アキラという人間を、自分なりに自由に演じられると思いました。
――阿部寛さんの印象を教えてください。
今回初めて共演させていただいて、阿部さん演じられた父は不器用なんだけれど、奥底にはとても大きな愛情があって、 温かいものが伝わってくるんです。言葉や表情、父としてのたたずまい…、大きな船に乗った気持ちでした。ふたりのキャ ッチボールの心地良さを現場では感じ、改めて息子として参加できてよかったと感じています。
――瀬々敬久監督の印象を教えてください。
たっぷり時間を使って、映画というものを最大限贅沢に撮っている印象です。チーム全体が信頼をもって監督の指揮に乗 っかっていき、演じている僕達も心地良くて、演技の中で色々と試せる場所を沢山作ってくださる、可能性と時間を与え てくださる監督だなと思います。贅沢な時間を過ごさせていただきました。
<重松 清 コメント>
――映画化に向けて、皆さんへメッセージをお願いします。
阿部寛さんのヤス、北村匠海さんのアキラ、監督は瀬々敬久さん……もう、この組み合わせだけで、ワクワクしてしまいます。映像化は3度目。しかし、原作こそ同じお話でも、それぞれに独立した「とんび」です。だからこそ、原作者として「新作」を誰よりも楽しみにしています。