2月6日(土)23時40分より、池脇千鶴主演、フジテレビ系オトナの土ドラ『その女、ジルバ』第5話が放送される。

笛吹新(池脇)と同じ職場で同世代の、浜田スミレ(江口のりこ)と村木みか(真飛聖)。新が秘密にしていた超高齢熟女BAR「OLD JACK&ROSE」でのバイトがバレたことで、なぜか3人は仲良くなる。

第4話では、BARに現れた元ホステスのチーママ(中尾ミエ)の語りから、ジルバママの壮絶な人生が明らかになり、人知れずスミレは希望退職届を出す展開に。それぞれの幸せを模索しながら生きる、リアルな女性の姿が共感を呼んでいる。

新が昼間に働く物流センター倉庫の、上司で元カレの前園真琴を演じる山崎樹範に、自身の役や池脇への印象、ドラマへの思いを聞いた。

<山崎樹範 インタビュー>

――前園真琴という役をどのように捉えていますか?

新と婚約していたのに若い女の子に乗り換えて結婚して、今では子どももいるという、とんでもないやつ。

でも、前園は基本流される生き方をしていて、それはそれでありだと僕は共感できるんです。家族をちゃんと守っているという意味では、男としての役割を果たしているわけですから、根っからのクズではないと思いたい。

視聴者のみなさんに嫌われすぎるのも良くないですし、しょうがない人だなと思って見てくださるとうれしいです。

前園真琴(山崎樹範)

――現場で印象に残ったエピソードはありますか?

根本和政監督が「僕はコメディを撮るタイプなので、やりすぎと思われるくらいの演技を求めるかもしれません」とおっしゃっていたのですが、自分の演技を見た監督から「ちょっとやりすぎですね」と言われてしまったことです。

前園を演じている中で、彼はふざけている人ではなくて、ふざけたいと思っている人なんだなという理解が一番しっくりきているのですが、いろいろ際立たせずに、ふわっとさせる演技をしたいですね。

――池脇さんとの共演はいかがですか?

何をやっても成立させてくださいます。例えば、気持ちを足してセリフを送ると、スパーンと気持ちよく返してくださる。さすが、池脇さんだなと。

池脇さんや同僚のみなさんなど、現場は女性ばかりなので、おとなしくポツンと過ごしています。僕は実家も女系なので、この雰囲気には慣れていて「女性が大勢いるところでは静かにしていたほうがいい」というのは、感覚でわかっていますからね(笑)。

左から)アララ(池脇千鶴)、前園真琴(山崎樹範)

――BAR「OLD JACK&ROSE」のようなお店が、もしあったら?

昔はよく、地方の仕事があると一人でスナックを覗きに行って、そこのお客さんと一緒にまた違うところに飲みに行っていました。

BAR「OLD JACK&ROSE」は、いつ行っても変わらない居心地の良さが売りだと思います。店の中だけは時が止まっているようで、ちょっと夢を見ているような感じもありますね。

――山崎さんには、そういう居心地のいい場所はありますか?

僕は、20歳からお芝居を初めて今や46歳。人生の半分以上お芝居を続けてきましたが、その時間や現場が好きですし、結局一番落ち着くんです。それ以外のことは、実はあまり求めていなくて、「友だちが何人かいればいいな」くらいです。

――新とBAR「OLD JACK&ROSE」の出会いのように、自分の背中を押してくれた環境や人など印象に残っている出会いはありますか?

マンボウやしろさんとの出会いは良かったと思えます。やしろさんとは、以前ラジオを一緒に4年半やっていて、その後も10年来の付き合いになります。

「人生って、もっと楽しんでいいんだな」と思えたのもやしろさんと出会ってからですね。僕は、普段あまり人に相談しないタイプなのですが、彼に相談すると「しげちゃん、これ一択だよ」って明確な答えをくれるんです。しんどい時にやしろさんに背中をさすられると自然に涙が出るというスイッチを握られていた時期もありました(笑)。

これから何年もかけて同じような関係性を作るのはとても難しいので、今までの時間の積み重ねや、これまで築いてきた関係性はあらためて大事にしなくてはと思います。

左から)前園真琴(山崎樹範)、村木みか(真飛聖)

――最後に、視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。

このドラマには「幸せって、自分で決めていいんだ」というメッセージが込められていると思っています。持っている物や生活ぶりはどうでもよくて、登場人物は自分が幸せだと思うものを自分で決めて、選んでいる気がするんです。

倉庫勤務の女性3人もそれぞれの選択をします。BAR「OLD JACK&ROSE」で熟女ホステスの方々が楽しそうにしている姿は、何度も自分で選択してきたからこその結果だと思います。

ただ、作品で伝えたいメッセージの中に、前園は入っていないです。でも、それがいいじゃないですか(笑)。

左から)村木みか(真飛聖)、エリー(中田喜子)、前園真琴(山崎樹範)、アララ(池脇千鶴)、蛇ノ目マイカ(華村あすか)、ひなぎく(草村礼子)

<第5話あらすじ>

退職願を出したとスミレ(江口のりこ)に突然告げられ、仰天する新(池脇千鶴)。みか(真飛聖)は前園(山崎樹範)に食ってかかるが、スミレは自分の意志だと説明しその場を収める。

左から)村木みか(真飛聖)、前園真琴(山崎樹範)

その夜、「OLD JACK&ROSE」では一同がスミレの愚痴を聞いていた。怒りは前園へ向かい、その流れで新は前園こそが婚約破棄したサイテー彼氏であることを白状させられる。

そのとき、店に新を訪ねて1人の客がやってくる。なんと前園であった。彼なりにスミレの退職に関しては思うところがあるようで…。